台北國立故宮博物院 北宋汝窯青磁水仙盆
大阪市立東洋陶磁美術館で2016年に開催された特別展の図録。北宋時代に宮廷御用窯として制作された汝窯青磁のなかでも、最高峰とされる水仙盆に焦点を当てる。台北・國立故宮博物院が所蔵する北宋汝窯青磁水仙盆4点が海外で初めて一堂に会した歴史的な展覧会で、清朝乾隆帝が模造させた複製品も併せて出品された。「天青色」と称される独特の青みがかった釉薬と端正な造形で知られる汝窯の精髄を、詳細な解説とともに記録する。
Chamber of Curiosities 東京大学コレクション | 上田義彦、西野嘉章
写真家・上田義彦による撮影、東京大学総合研究博物館教授・西野嘉章の監修による写真集。東京大学が所蔵する学術標本を、科学資料の文脈から切り離してオブジェとして捉え、科学と芸術の融合を試みた作品を収録する。直截かつ精緻な上田の写真は、いずれも独特の奥行きと柔らかさを備え、学術標本を偏愛的な博物誌として再解釈している。所蔵品目録の小冊子が付属し、装丁は原研哉が手がけている。
鳥のビオソフィア Biosophia of Birds | 上田義彦、西野嘉章
写真家・上田義彦が、山階鳥類研究所に所蔵される貴重な鳥類標本を撮影した作品集。東京大学創立130周年記念特別展示「鳥のビオソフィア――山階コレクションへの誘い」にあわせて制作されたもので、模式標本28点を含む108点の標本を収録する。翼を閉じ、静かに横たわる鳥たちの姿は、黒一色の背景の中でまるで再び命を得たかのような存在感を放ち、科学と芸術のあわいに立ち現れる美を映し出す。西野嘉章による構成、原研哉によるデザイン。
百石譜 One Hundred Stonewares | 上田義彦、西野嘉章
東京大学総合研究博物館が所蔵する膨大な石器コレクションの中から、石斧・石剣・石鍬など100余点を精選して収録した写真集。写真家・上田義彦、デザイナー・原研哉、美術史家・西野嘉章によるコラボレーションによって制作された「マニエリスム博物誌」シリーズの第3作にあたる。黒を背景に独自のライティングで撮影された石器は、先史の造形物でありながら彫刻のような美を放ち、人類の知覚と創造の原点を静かに映し出す。学術と美の交差点に立つ、知的かつ詩的な記録集。
The Badger’s Song: Series 2013–2020 | Michael Borremans
ベルギーの現代アーティスト、ミヒャエル・ボレマンスによる2013年以降のペインティングをまとめた作品集。18世紀の肖像画技法を思わせる緻密な筆致でありながら、黒衣の人物や切断された手足に触れる子どもたちなど、不条理で不穏な場面を描き出す。特定の時代や場所を示さない構図は現実のわずか手前に位置し、観る者に独特の不安と魅了を同時にもたらす。ユーモアと技巧が織り合わさった7つのシリーズから、これまで未発表だった作品も含めて収録している。
工芸青花 8号 | 青花の会
青花の会が発行する工芸誌『工芸青花』8号。巻頭特集はスペインのロマネスク建築の至宝、サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院。沖縄の織物(新出の森政三資料より)、民芸にとどまらない柳宗悦の蒐集と思想、作家ロベール・クートラスをめぐる断章、帝国ホテル東光庵に見る近代と数寄屋、坂田和實論、川瀬敏郎の花など、工芸・美術・建築にまたがる論考と紹介を収録する。限定1100部発行、望月通陽の型染絵付。
工芸青花 11号
青花の会が刊行する『工芸青花』第11号。巻頭では、山茶碗を愛する6名がそれぞれの視点から魅力を語る特集を掲載。石のような質感、ざらつきの味わい、茶道具としての扱いなど、多面的に山茶碗の世界を掘り下げている。そのほか、金沢百枝による欧州タイル紀行、大谷哲也の器を論じる「『生活工芸』以後の器」、川瀬敏郎の「籠にいける」、杉村理による随筆「骨董と私」など多彩な企画を収録。限定1200部。望月通陽の型染絵付属。
Primer | Matthew Craven
カリフォルニアを拠点に活動するアーティスト、マシュー・クレイヴンによる初の作品集。教科書から採取した図版・写真と自身が描く幾何学模様を組み合わせたコラージュで、異なる文化・時代のイメージを一つの平面に並置し、歴史や神話の構造を手作業で読み替えていく。考古学的遺跡や自然の断片は、ヴィンテージ映画ポスターの裏面にカラフルなタイル状の模様を手描きした背景に重ねられ、シンボルと文様が呼応し合う独自の宇宙を形成する。文化の境界を超えた共通性を探り、過去の物語を再編成しようとする姿勢が全篇を貫く。LACMAキュレーター、レスリー・ジョーンズによる序文を収録。
根来
1958年に熱海美術館で開催された根来塗の特別展図録。日常の什器類に宿る素朴な漆の味わいと、機能的で変化に富んだ木製品の形態美を収録する。厳島神社所蔵の国宝・飾太刀箱をはじめ、足付鉢・盆など多様な作例を写真と解説で紹介し、長年にわたり茶人や好事家に愛されてきた根来塗の美術的価値と研究の意義をたどる。古来の技法と美意識が生み出す魅力とともに、当時の美術愛好家のあいだで根来塗への注目が広まっていった経緯も伝える。
Jan Tschichold Master Typographer: His Life, Work & Legacy
20世紀を代表するタイポグラファー、ヤン・チヒョルトの生涯と仕事を総合的に辿る資料集。初期の前衛ポスターデザイン、ペンギン・ブックスでの革新的なブックデザイン、後年の古典的タイポグラフィーの再評価に至るまでの活動を、アーカイブ写真と作品図版を交えて詳細に記録する。書体デザイン・レイアウト・印刷文化における思想と実践を歴史的・文化的文脈から検証し、ベストセラーとなった書体「Sabon」をはじめとする影響力の幅を明らかにする。
Journey Around HEARTLAND
1986年に誕生した国産ビール「HEARTLAND」のアートプロジェクトとして企画された「旅」をテーマにした画集。HEARTLANDを愛する7名の画家・イラストレーターが、実際にHEARTLANDを飲める実在の店を巡り、見たもの・感じたものを描いた“ビールを巡る旅”を収録。店の外観や街の風景、ランプやカトラリー、前菜やチーズ、ハンバーガー、ポテトなど、ささやかな情景が丁寧に描かれる。紙や印刷にも個性があふれ、スケッチブックを覗き込むような楽しみが味わえる一冊。長場雄、そで山かほ子、西舘朋央らが参加。
Architecture Relations | Marianne Jorgensen
スイス、イングランド、デンマークの建築事務所による実作を収録した建築資料集。マイケル・マイヤー&マリウス・ハグ、6aアーキテクツ、デヴィッド・コーン、リュッチェンス&パドマナバンほか複数の事務所が参加し、スペクタクルやコンセプト主義に依らず、場所・歴史・文化的文脈の読み解きから建築を立ち上げるアプローチを共有している。各プロジェクトは土地の素材や歴史的原則と対話しながら、現代的かつ詩的な空間を構築する過程を記録。
Workers: An Archaeology of the Industrial Age | Sebastiao Salgado
写真家、セバスチャン・サルガドによる作品集。350点のデュオトーン写真で、石器時代から産業革命を経て現代にいたる人間の労働を「考古学的な視点」で記録する。インドネシアの硫黄鉱山、シチリアの伝統的なマグロ漁、ブラジルの金鉱、クウェートの油田火災の消火活動など、世界各地の過酷な現場で働く人々を捉えた写真が並ぶ。各写真にサルガド自身による詳細なキャプションと歴史的背景の解説を付し、近代文明を支えてきた無名の労働者たちの営みに敬意を払う。
Sahel: The End of the Road | Sebastiao Salgado
写真家、セバスチャン・サルガドによる作品集。1984年から15ヶ月にわたり、深刻な干ばつに見舞われたサヘル地域のチャド、エチオピア、マリ、スーダンを国境なき医師団とともに訪れ、約100万人が極度の栄養失調で命を落とした現場を記録した。難民たちの筆舌に尽くしがたい苦しみと、それでも失われない人間としての尊厳をモノクロームで捉えた本作は、サルガドが後に世界各地で展開する長期ドキュメンタリーの原点となっている。
Tomas Schmit: Making Things
1960年代のフルクサス運動でパフォーマーとして活動したアーティスト、トーマス・シュミットの約40年にわたる仕事を紹介する作品集。フルクサス解散後の1966年以降、彼はパフォーマンスから距離を置き、文章とドローイングに活動の中心を移していった。本書では、その言語的な思考と視覚表現がどのように結びつき、独自の制作スタイルへと発展したかを、多数の作品資料を通して辿ることができる。
131 Variations | Fleur van Dodewaard
オランダのアーティスト、フルール・ファン・ドーデワールトによる作品集。ソル・ルウィットの代表作「Incomplete Open Cubes」に着想を得て、その「121のヴァリエーション」を忠実に再現しようとする試みから始まったプロジェクトである。しかし制作の過程で、欠落や重複、未知の形態が次々と現れ、ルウィットの体系が決して完全ではなかったことが浮かび上がる。システムや反復、作者性をめぐる問いを、批評性とユーモアを交えて表現している。
Grace: Thirty Years of Fashion at Vogue
伝説的スタイリスト、グレース・コディントンが『Vogue』で積み重ねてきた30年の仕事をまとめた決定版。イギリス版・アメリカ版『Vogue』で手がけた数多くのファッションストーリーを、アーヴィング・ペン、ヘルムート・ニュートン、サラ・ムーン、ピーター・リンドバーグ、アニー・リーボヴィッツなど名だたる写真家とのコラボレーションとともに振り返る一冊。再刊行版。
Eating with the Chefs | Per-Anders Jorgensen
料理写真家パース・アンダース・ヨルゲンセンによるレシピ集。フードカルチャー誌『Fool』の創始者でもある著者が、ノーマ、ザ・フレンチ・ランドリー、ル・シャトーブリアン、ブルーヒル・アット・ストーンバーンズ、ムガリッツなど世界18のレストランを訪れ、シェフとスタッフが共に食べるまかない料理を撮影・記録したもの。各レストランの日常食のレシピを実用的に掲載するとともに、シェフやスタッフのポートレートも収録。名店の厨房の内側で日々食べられている料理を伝える。
Opera de Paris | Candida Hofer
ドイツの写真家、カンディダ・へーファーによる写真集。パリのオペラハウスを被写体としたシリーズを収録する。1875年竣工のネオクラシシスト様式のパレ・ガルニエと1989年竣工のオペラ・バスティーユを訪れ、人を欠いたロビー、オーケストラピット、ステージ、舞台袖、ボックス席を写した写真は、演者と観客という不在者の存在を、さらにはオペラの夜に繰り広げられる架空の人物・物語・情景をも想像させる。
Memory: State Hermitage Museum, St Petersburg | Candida Hofer
ドイツの写真家、カンディダ・ヘーファーによる作品集。2014年の白夜祭の時期にエルミタージュ美術館の招聘でサンクトペテルブルクを訪れ、10日間かけてユスポフ宮殿・国立図書館・マリインスキー劇場・パヴロフスク宮殿・エカテリーナ宮殿・エルミタージュ美術館など市内の歴史的建築を撮影した25点を収録する。人物を一切排した室内の大判写真は、ルーブルやウフィツィ美術館、スカラ座など世界各地の文化施設を撮り続けてきたヘーファーのシリーズの延長上にあり、人・空間・過去の三者の関係をテーマに文化的記憶の継承を問いかける。
Please Demolish with a Kind Heart Behind the Red Zone | Glen Howey
2011年2月22日に発生したニュージーランド・クライストチャーチ地震の被災地を記録した写真集。写真家グレン・ハウイーが、立ち入り禁止区域として指定された“レッドゾーン”に残された住宅や建物、街の風景を撮影している。住民が去ったまま時間が止まったように残る室内や街区の光景を、200点以上収録。復興が進む都市のなかで取り残された場所を静かに見つめ、災害によって変えられた日常の痕跡を伝える。
Helvetica Forever ヘルベチカ フォーエバー | ヴィクトール・マルシー、ラース・ミューラー
世界中で広く使用され、日本でも高い人気を誇る書体「Helvetica(ヘルベチカ)」を多角的に掘り下げた一冊。タイプフェイスデザイナー、マックス・ミーディンガーとエドアード・ホフマンの往復書簡や日誌ファイルをはじめ、ポスター、プロダクトデザインなど多彩な図版を収録し、その誕生から世界的成功に至るまでの歩みを紹介する。デザイン史、タイポグラフィ史の両面からヘルベチカの魅力と影響力を検証する資料性の高い内容となっている。
デザインのデザイン Special Edition | 原研哉
グラフィックデザイナー・原研哉のデザイン思想をまとめた代表的著作『デザインのデザイン』の増補版。無印良品、長野五輪、愛知万博など、原が手がけてきたプロジェクトを振り返りながら、デザインの本質を探る思考を平易に語っている。初版刊行後、台湾・韓国・中国で相次いで翻訳され、国際的評価を得た英語版『DESIGNING DESIGN』に、改訂や新稿、カラー図版の大幅追加を施した内容を日本向けにまとめた一冊。
Cabins: Small Wood Houses
世界各地の優れた小規模木造住宅を集めたケーススタディ集。建築家たちが木材の豊かな質感・テクスチャー・強度を最大限に活かして設計した住宅を、カラー写真と平面図とともに収録する。限られた空間のなかで採光と広がりを引き出し、余分な要素を削ぎ落とすことで木の温かみと洗練が際立つ。各プロジェクトは設計した建築家自身の解説を添えて紹介され、素材としての木の可能性と環境への配慮を兼ね備えた建築のあり方を探る。
Tiaras: A History of Splendour
王室や貴族社会を彩ってきたティアラの歴史を豊富な写真で辿る資料集。ブシュロン、カルティエ、ヴァン・クリーフ&アーペル、ファベルジェなど名高いジュエラーによる作品を、その由来や資料とともに収録。クラウンジュエルとしての役割、ロシアンスタイルの様式、芸術作品としての評価、舞踏会と衣装の関係など複数の切り口から章を分け、装飾品としての変遷をたどる。ジェイミー・リー・カーティスやマドンナが所有する現代作家のデザインも取り上げ、王室の伝統から現代ファッションへの広がりも視野に収めている。
劇場のグラフィズム アングラ演劇から小劇場ブーム、現代まで
1960年代後半のアングラ演劇から1970〜80年代の演劇ブーム期、現代の舞台に至るまでの演劇ポスターとチラシ380点以上を収録した図録。美術的価値の高いポスターや演劇史に名を残す作品から新進劇団の印刷物まで幅広く網羅し、時代ごとの舞台表現と宣伝表現の変化を視覚的に追うことができる。グラフィックの変遷を軸に、戦後日本の演劇文化の流れをたどる資料集。
When Shadows Cast People | Julia Kissina
ウクライナ出身のアーティスト、ジュリア・キッシナによる作品集。夏の午後4時半から6時、ベルリンの自宅バルコニーから通りを行き交う歩行者とその影を撮影したシリーズを収録する。人物よりも影が先行するような視点が、見慣れた街路を歪曲と変容に満ちた幻想的な景観へと変える。フランクフルトの近代美術館に羊を放ったパフォーマンス作品や、デュシャン、マレーヴィチらとの交霊会を企図した「デッド・アーティスト・ソサイエティ」でも知られるキッシナが、よりシンプルかつ鮮烈な手法で日常に潜む詩的な瞬間を捉えている。
A Yorkshire Sketchbook | David Hockney
アーティスト、デイヴィッド・ホックニーによる作品集。幼少期を過ごしたイースト・ヨークシャーに戻り、水彩とインクでスケッチブックに描いた風景シリーズを収録する。険しい丘の連なり、石垣、広大な荒野、村の路地、台所のテーブルからの眺めなど、地元への深い親しみを持つホックニーが、変わりゆく光と天候の移ろいをスケッチブックで素早く捉えた作品群は、完成された絵画に匹敵する空間的な奥行きを持ちながら、その場でのみ生まれる即興的な印象をあわせ持っている。
目でみる李朝時代
朝鮮の民衆文化と歴史を記録した写真資料集。20世紀初頭を中心に撮影された写真に、行商人・農民・漁民・巫女・芸人・祭礼など、李朝末期を生きた人びとの姿をモノクロの豊富な写真で収録する。器を打つ娘の手の動きや人々のまなざしが細やかに写し出され、当時の生活感覚と伝統が画面に刻まれている。あわせて朝鮮のことわざを多数収録し、民衆の感情や価値観を言葉のかたちで伝える。
石燈浮屠碑
1970年代から1980年代に刊行された韓国伝統美術全集の第15巻。1970年代から1980年代に刊行された韓国伝統美術全集の第15巻。寺院に据えられた石灯籠、高僧の舎利を納める浮屠、石に刻まれた碑を対象に、各文化財の写真とともに構造・時代様式・仏教美術としての意味を解説する。建築・彫刻・宗教史にわたる視点から個々の石造物を読み解き、韓国石造美術の変遷を体系的に記録した資料集。
Full Moon | Michael Light
アポロ計画の宇宙飛行士たちが残した3万2千枚の記録写真から、写真家マイケル・ライトが129点を厳選し、一冊の航行記として再構成した作品集。NASAが初めてマスターネガとポジフィルムのデジタルスキャンを許可し、これまでにない解像度で宇宙の映像が収録されている。打ち上げから船外活動、月周回、着陸と探査、地球への帰還までを連続した物語として編み、幅45インチの見開きページには月面の地平線が圧倒的なスケールで広がる。アポロ11号の月面着陸30周年を記念して刊行。
副田デザイン制作所仕事集 | 副田高行
アートディレクター、副田高行が率いる副田デザイン制作所の活動をまとめた作品集。シャープ〈AQUOS〉シリーズやトヨタ〈ReBORN〉キャンペーンをはじめ、設立以降に手がけたポスターや新聞広告など約200点を掲載。広告の現場で培われた構成力と繊細な感性が生み出すビジュアルは、企業イメージの刷新とともに時代の空気を映し出す。制作の背景を語るエピソードを通して、副田の思考と造形理念を紹介している。
D&D SCAN 副田高行の仕事と周辺
グラフィックデザイナー、副田高行の仕事をまとめた作品集。サントリー・オールド、モルツやトヨタエコプロジェクトなど、時代を象徴する広告を、photography、typography、illustration、celebrity、seriesの5章に分けて収録する。写真や新聞広告、タレント起用の仕事から色の使い方まで、副田のアートディレクションの幅広さを見渡すことができる。自身が作品と広告について語るテキストに加え、グラフィックデザイナー・細谷巌との空想対談も収めている。
GAS BOOK Ryan McGinness
『GASBOOK』シリーズの第9号。ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、ライアン・マクギネスの作品集。カーネギーメロン大学でデザインアートを学び、SONY・SEGA・IBMなどの企業案件やストリートカルチャーのデザインを手がける一方、絵画・オブジェ・インスタレーションなど多様なアウトプットで現代アートシーンにも存在感を放つ。アイコン・タイポグラフィー・抽象化されたモチーフを自由に重ね合わせ、日常に潜む「シンボル」が濃密に絡み合う独自の視覚世界を構築する。
GAS BOOK GROOVISIONS
『GASBOOK』シリーズの第1号。デザイン集団、グルービジョンによる作品集。グラフィックデザインを起点に、モーション・グラフィックやアートディレクションまで領域を広げ、音楽・映画・ファッションと横断しながら展開してきた活動を網羅する。代表的キャラクター「チャッピー」をはじめ、ボックス・ナンバー・サウンドといったカテゴリーごとに作品を整理し、グルービジョンの仕事の全体像を俯瞰できる一冊。
ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の絵画
デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイの作品集。参考図版を含む78点を収録し、誰もいない室内や薄暗い廊下、窓辺といった繰り返されるモチーフを通じて、ハマスホイが追い求めた独自の絵画世界を概観する。章立ては「メランコリー」「静かな部屋」など作品の主題ごとに分かれ、コレクターや研究者によるコラムが画家の周辺人物や象徴主義との関係、写真との接点にも目を向ける。「北欧のフェルメール」とも評された孤高の画家の謎めいた魅力に迫る。
アイデア No.399 いま,デザインの現場では/世界のブランディングデザインの思考と実践
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.399(2022年10月号)。特集「いま,デザインの現場では/世界のブランディングデザインの思考と実践」では、日本・アジア・オセアニア・中東・欧米の7つのデザインスタジオを取り上げ、クライアントの要望に応えるだけでなく、自らの理念と環境に根ざしたものづくりを探求するデザイナーたちの姿を紹介している。さらにクリエイティブカンパニーCEKAIのインタビューや、IDEOチーフ・クリエイティブ・オフィサーのポール・ベネットによる寄稿も掲載。
アイデア No.397 本との出会いかた 世界のアートブックフェアと流通/コミュニケーション
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.397(2022年4月号)は、「本との出会いかた 世界のアートブックフェアと流通/コミュニケーション」を特集。アジアを中心に新たなアートブックフェアやコミュニティの動きを取り上げ、7つのフェアを詳細に紹介する。パンデミック以降の開催形態や流通の変化、オンラインと対面を往還する出版文化の現在地を検証。
古唐津
出光美術館で2004年に開催された展示の図録。約400年前に誕生した桃山時代の陶器、古唐津(こがらつ)を出光コレクションを軸に紹介する。奥高麗茶碗・絵唐津水指などの茶陶から酒器・懐石器まで、茶碗・水指・花生・茶入・香合・香炉・大皿と幅広い器種を収録。それぞれのカラー図版に詳細な解説を付し、古唐津の用の美と多彩な表現を伝える。
大名茶陶 高取焼展
2005年に福岡市美術館で開催された展示の図録。高取焼の全盛期を担った江戸時代前期の二大窯、内ヶ磯窯と白旗山窯に焦点を当て、全国各地から集められた約130点の名品を収録。初期の素朴な茶陶から桃山風の力強い造形、小堀遠州の好みを反映した洗練された作風へと移り変わる両窯の軌跡を、豊富な作例を通してたどることができる。近年の発掘調査と文献研究によって見直された製作年代や窯の技術的特徴にも触れながら、400年の歴史を持つ高取焼の造形的魅力と歴史的意義を再検証する。
サントリー芸術財団50周年 黄瀬戸 瀬戸黒 志野 織部 美濃の茶陶
2019年にサントリー美術館で開催された桃山時代の茶陶に焦点を当てた展示の図録。美濃で焼かれた「黄瀬戸」「瀬戸黒」「志野」「織部」を中心に、力強い形姿や大胆な色彩、意匠の多様さを紹介。あわせて、近代の数寄者による旧蔵品や、荒川豊蔵・加藤唐九郎の代表作を収録し、近代以降における美濃焼の再評価の流れをたどる。造形の魅力と受容の変遷を通して、美濃焼の広がりを読み解く。
澁澤龍彦 ドラコニアの地平
世田谷文学館で2017年に開催された、澁澤龍彦没後30周年大回顧展の図録。フランス文学者・翻訳者・小説家として幅広く活躍した澁澤龍彦の表現活動を、草稿・創作メモ・自作装幀・ゆかりの作家による美術品・身の周りの品々など多彩な資料から辿る。「精神のスタイル」「創作のスタイル」「生きることのスタイル」「高丘親王航海記」の4章に分け、創作ノートの抜粋やフォトアルバムも収録。博物誌的な想像力と独自の美意識が入り混じる、澁澤龍彦の世界を伝える。
色とかたち | 石元泰博
写真家・石元泰博による作品集。多重露出によって生まれる色彩の揺らぎを捉えたカラー作品と、モノクロームで極限まで精緻に写し取った花の造形、二つの系列を収める。冬の澄んだ光のなかで撮影した植物のシルエットに街中の色を幾重にも重ねることで、予測を超えた像が生まれる。偶然性を取り込みながら響き合う色彩と、細部まで凝視された花のかたちが、それぞれ緊張感のある画面を形づくる。長年にわたる試行の蓄積を通じて、写真表現の可能性を押し広げてきた石元の仕事を概観する。
LIXIL Booklet 秘土巡礼 土はきれい、土は不思議
土の素材性と造形に着目したブックレット。古くから住まいや道具に用いられてきた土を主題に、「焼いた土」「焼かない土」「土壌見本」の三つの視点から紹介する。土の採集と色彩の広がり、各地の土壌を柱状に切り出したモノリス標本、耕地と森林で異なる層の成り立ちなど、足元に広がる土の違いを具体的に伝える。さらに、全国で集めた土を焼成した試みも取り上げ、焼くことで引き出される色や質感の変化を検証している。