世界の民芸 | 浜田庄司、芹沢銈介、外村吉之介
陶芸家・浜田庄司、染色家・芹沢銈介、染織研究家・外村吉之介による写真集。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中近東など世界各地の暮らしの道具や民芸品を収録し、著者らがそれぞれの品について解説する。菅野喜勝の撮影で、器・布・籠・木工品・陶器など日々の用のための品々が丁寧に記録されており、産地や素材・用途にまつわる解説も充実している。なかには著者陣個人の所蔵品も含まれており、民芸運動に深く携わった三者の眼差しが随所ににじむ。装丁は芹沢銈介が担当。
Die Gesamten Plakate 1977-1997 | Martin Kippenberger
ドイツのアーティスト、マーティン・キッペンバーガーのポスター作品を網羅したカタログレゾネ。1998年にスイスのチューリッヒ美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。1977年から1997年までのポスターをカラー図版で収録し、アートとグラフィックデザインの境界を軽やかに往還する独自の表現を見ることができる。
Max Bill
スイス出身のアーティスト、マックス・ビルの活動全体を概観する展覧会図録。絵画、グラフィックアート、彫刻、建築、書籍・雑誌デザイン、プロダクト・家具デザイン、ポスター、展示空間の設計にいたるまで多岐にわたる仕事を年代順・主題別に収録する。コンクリート・アート運動の創始者として、また戦後スイスのグラフィックデザインに決定的な影響を与えた人物として知られるビルの全貌に迫るほか、1951年のサンパウロ近代美術館での回顧展がラテンアメリカの幾何学的芸術に与えた影響や、教育者・社会活動家としての側面にも言及。ビル自身による未発表エッセイも収録している。
Fiberspace: Art, Craft + Design 2015-2020
現代テキスタイルの動向を紹介する作品集。2015年から2020年にかけて制作された、アート、クラフト、デザインを横断する繊維作品を収録。織りや編み、染色といった手仕事の技法に加え、合成素材やデジタルプロセスを取り入れた実践も含まれる。壁面作品にとどまらず、空間に展開するインスタレーションや立体的な構造物の図版も掲載。素材の選択や構造の組み立てに現れる思考をたどりながら、現代におけるテキスタイルの造形言語を読み解く視点となっている。
石岡瑛子風姿花伝 Eiko by Eiko
世界を舞台に活躍したデザイナー、石岡瑛子の創作活動を総覧する作品集。パルコ広告やマイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケット、映画や舞台の衣装、北京オリンピックのビジュアルなど、ジャンルを越境する表現の軌跡を豊富な図版で収録。黒澤明、イサム・ノグチ、三宅一生、坂本龍一、田中一光らによる寄稿も併せて掲載。造形、思想、身体表現が交差する場で、石岡の情熱と独自の美学を鮮烈に伝えている。
ESPRIT’s Graphic Work 1984-1986
1968年に創立されたアメリカのファッションブランド、エスプリのブランディングにおけるグラフィックを収録した資料集。1984年から1986年にかけて展開されたノベルティやパッケージデザインを中心に、ポップな色彩と明快な造形を特徴とする作品を多数掲載。80年代半ばのファッションとグラフィックデザインの関わりを映し出し、ブランドの独自性と時代感覚を浮かび上がらせている。
倉俣史朗の世界 Shiro Kuramata 1934-1991
2000年に原美術館で開催された展覧会「倉俣史朗の世界」にあわせて刊行された図録。空間デザインやプロダクトデザインの分野で国際的に評価を得た倉俣史朗の家具作品を、アートディレクター田中一光の監修により時系列で紹介。透明なアクリルやガラスを用いた斬新な造形や、日常に詩的な感覚を呼び込むデザインを収録し、カラー図版と解説を通じてその独創性と歩みをたどる。
Dieter Krieg: Fritten Und Brillianten
ドイツ出身のアーティスト、ディーター・クリークの作品集。2008年にドイツのシュトゥットガルトの美術館で開催された初の本格的な回顧展に際して刊行されたもの。クリークは植木鉢や十字架、フライドポテトやダイヤモンドといった日常と非日常のモチーフを等価に扱い、巨大なスケールで描くことで、平凡さの中に悲喜劇や官能、美的な緊張感を宿らせた画家として知られている。1960年代以降、「新具象」の最も際立つ存在として評価され、1978年にはウルリッヒ・リュックリームとともにヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ館を飾った。生の実感を大胆にすくい上げるその独自の絵画世界を総合的に辿ることができる一冊。
もの派とポストもの派の展開
1987年に西武美術館で開催された展覧会の図録。1969年以降の日本の現代美術におけるもの派とポストもの派の歩みを扱い、関根伸夫や李禹煥などもの派の主要作家の作品と、山中信夫や田窪恭治らポストもの派の作品群を収録。作品の素材や形態、空間との関係を詳細に伝え、作家の制作プロセスや表現の変化も記録されている。峯村敏明による論考は、もの派からポストもの派への展開や世代間の関係を整理し、日本の美術史における位置づけを理解する手がかりとなっている。
C点 | 吉田直嗣
陶芸家、吉田直嗣による作品集。形が生まれる瞬間の「あわい」を捉えた作品群を収録。白のシンプルな背景を用いた撮影が、作品の輪郭や陰影を際立たせる。吉田の独自の哲学が本書全体に表現されており、創造に宿る思想と美学を描き出している。
Coral Dictionary Vol.1: 2019-2022 | Chang Yuchen
中国出身、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、チャン・ユーチェンによる作品集。「Coral Dictionary」として言語と意味の探究を続けるプロジェクトの一環として制作されたもの。海で採取した珊瑚の破片をもとに、それぞれの形に対応する英語・中国語・マレー語の単語216語を収録。言語と自然の物質を結びつける視点が貫かれ、言葉の選択や翻訳の方法から作者の制作過程が見える。
Mechanism of Meaning | Shusaku Arakawa、Madeline Gins
芸術家、荒川修作とマドリン・ギンズによる作品集。1963年から1971年にかけての制作活動をまとめ、絵画やドローイング、テキストを組み合わせた作品を収録している。言語と視覚表現の関係を探り、観念や認知の仕組みを問いかける内容で、図版には文字や記号が描かれた紙面や実験的な描写が並ぶ。ページをめくるごとに、概念の生成や意味の構造が視覚的に展開され、作品群の間で観察される相互関係も記録されている。荒川とギンズの初期の思想と表現が凝縮されており、彼らの芸術的到達点を読み解く視点となっている。
Story Lines | Robert Frank
「アメリカ人(The Americans)」で写真史に大きな変革をもたらしたロバート・フランクの表現を、多面的にたどる展覧会図録。2004〜2005年にテート・モダンで開催された同名展にあわせて刊行され、1949年から2003年までの作品を年代順に収録している。ポラロイド、コンタクトシート、近年のデジタル作品に加え、映画作品やアーティストブックなども紹介し、写真と映像を横断しながら展開してきた実験的な試みを幅広く紹介している。
Milton Glaser: Graphic Design ハードカバー版
グラフィックデザイナー、ミルトン・グレイサーの代表作を集成した作品集。プッシュピン・スタジオの設立者としても知られるグレイサーの仕事を、サイケデリックな色彩のポスター、印象的なロゴデザイン、環境デザイン、レコードのアートワークなど幅広いジャンルにわたって300点以上の図版で紹介する。20世紀後半の視覚文化に広く影響を与えたグレイサーの造形感覚とデザイン思想を体系的にまとめている。
Charlotte Perriand: The Modern Life
フランスの建築家・デザイナー、シャルロット・ペリアンの仕事を総合的に紹介する研究書。代表的な家具デザインや建築プロジェクトに加え、未公開だったスケッチブックを収録し、創作のプロセスをたどっている。ル・コルビュジエやピエール・ジャンヌレとの協働を経て築かれたキャリアの歩みを振り返りながら、機能性と美しさを融合させた造形思想を再評価。豊富な資料を通じて、20世紀デザイン史におけるペリアンの位置づけに新たな視点を与え、モダンライフをめぐる彼女の実践の広がりを示す内容となっている。
カーサ・バラガン | 齋藤裕
メキシコを代表する建築家、ルイス・バラガンの作品を紹介する写真資料集。ピンクや赤をはじめとする鮮やかな色彩、光と影を強調する彫刻的な壁面、そして水を取り入れた空間構成によって独自の美学を築いたバラガンの建築を豊富な図版で伝えている。自邸であるバラガン邸や、代表作のひとつプリエト邸など、住宅建築を中心に構成されており、近代建築史における彼の位置づけを理解する上で貴重な資料となっている。
松永真のデザイン
昭和後期を代表するグラフィックデザイナー、松永真の仕事を総覧する作品集。1970年代から1992年までに手がけたポスター、パッケージ、ロゴタイプなどを収録する。大胆な造形と緊張感あるレイアウト、鮮やかな色彩設計。商業と文化の領域を横断しながら展開されたデザインを図版でたどる。序文には亀倉雄策、田中一光が寄稿。
Venice | Giacomo Brunelli
写真家、ジャコモ・ブルネリによる作品集。2020年から2022年にかけてヴェネツィアの街を撮影し、運河や橋、路地を行き交う人々やゴンドラの影をモノクロームで収録している。光と影の強いコントラストが、建物の壁面や水面に反射する様子を際立たせ、街の空気や時間の流れを写真を通して伝えている。観光名所の定番イメージではなく、日常の細部や人々の動きも写し込まれ、都市の表情を丁寧にとらえている。ブルネリのまなざしがとらえたヴェネツィアの世界の断片を描き出している。
SUN | Marc Monzo
コンテンポラリージュエリー界を牽引するひとり、マルク・モンゾによる作品集。金属や樹脂など多様な素材を用いた近年のジュエリー作品や過去の代表作を収録。形態のシンプルさと光の反射、素材感の違いが写真に写し込まれ、細部の造形や構造を明瞭に確認できる。形態の秩序や素材の選択、軽さや空間の扱いがジュエリーの表現に反映され、作品集全体を通じてモンゾの創造性と批評性の両面を伝えている。
Fashion in Motion | Esther Haase
ドイツの写真家、エスター・ハーゼによる作品集。クラシックバレエを学んだ元ダンサーでもあるハーゼは、ファッション写真において身体の動きを中心的な要素として用い、官能性と軽やかさが共存するイメージを生み出す。モデルとの対話から引き出されるポーズやしぐさに偶然性と映画的な構成が混在し、独自の空気感が生まれる。ランウェイやスタジオで撮影された作品を収録し、衣装の質感やラインとともに、動きの痕跡をとらえた写真を収録。
Seesaw: This Book is a Seesaw | Hans Knuchel, Jürg Nänni
物理学者、ユルグ・ネンニとハンス・クヌーヘルによる作品集。光学的な現象や錯視をテーマにした図版を収録。赤緑のブロックグラスや特殊なフィルムを使い、図形や光の条件によって視覚体験が変わる様子が確認できる。図版の並びや道具の使い方を通して、作者の造形感覚と精神性が視覚の構造を理解する視点を提供する。光と色の相互作用を体験的に示し、視覚の原理を読み解く手がかりとなっている。
PRASAD | 北村朋子
北村朋子による作品集。約20年間にわたり撮影したインドの街角や日常の風景、人々の表情を収録。光と影の移ろいや空間の奥行きが写真に表れ、現地で流れる時間や空気を感じられる。市場や路地、人々の営みなど、多様なシーンが丁寧に切り取られ、色彩や光の差異が際立っている。写真の世界を通して、インドでの経験や文化の断片を描き出し、北村の創造と精神性が作品の構造的アプローチを読み解く視点として体現されている。
Werke aus der Sammlung Boros
アートコレクター、クリスチャン・ボロスのコレクションから31名の現代アーティストたちによる作品を収録した作品集。ダミアン・ハースト、サラ・ルーカス、エリザベス・ペイトン、ヴォルフガング・ティルマンス、オラファー・エリアソンといったアーティストたちが名を連ね、絵画、写真、インスタレーションなど多彩な表現が並ぶ。作品ごとの構造や素材感、展示空間との関係を通して現代美術の多様な側面を伝えるとともに、作家の創作世界を検証している。
On the Table | 安西水丸
イラストレーター・安西水丸による作品集。2014年に急逝した安西のアトリエから見つかった、1987年から1991年にかけて個展のために制作されたシルクスクリーン30点を書籍化。緊張感ある構図と引っ掻くような細い線、透明感のある色づかいによる初期作品を、高彩度インクでシルクスクリーン独特の発色に近づけて印刷した。テキストは作品タイトルとプロフィールのみに絞り、絵と向き合うための設計になっている。表紙は鮮やかな青のクロスに安西のサインを箔押し。デザインは雑誌『POPEYE』のアートディレクター、前田晃伸が担当。
Artist Work Lisson | Ossian Ward
創立50周年を迎えたロンドンのリッソン・ギャラリーが、その半世紀にわたる活動を体系的にまとめたアーカイブブック。マリーナ・アブラモヴィッチ、アイ・ウェイウェイ、ジョン・アコマフラ、フレッド・サンドバック、ローレンス・ウィナーなど、同ギャラリーで個展を開催した150名以上のアーティストをA〜Z順に収録し、500を超える展覧会の記録を横断的にたどることができる。インスタレーションビューや招待状、書簡、エフェメラ、主要な批評文や記事を1,200ページにわたり集成し、現代美術の重要な潮流を俯瞰する資料性の高さが際立つ。装丁・デザインはイルマ・ボームが担当。
There | Nigel Peake
アーティスト、ナイジェル・ピークによる作品集。パリの都市景観や建物を、3つの窓から見た視点で描いたドローイングを中心に収録している。建物の外観や街路、空間の奥行きなど、細部まで線で描き分けられ、パースペクティブと形態の関係が明瞭に伝わる。紙の余白や線の密度を活かした表現により、都市の構造や日常の風景の観察が可視化されている。
Notochrome | 湯浅啓
写真家・湯浅啓による作品集。2004年から2023年にかけて能登半島で撮影したモノクローム写真136点を収録。漁村、里山、住宅、路地など日常の細部に光と影をとらえた作品が並ぶ。全作品は2024年1月1日の能登半島地震以前に撮影されたもので、震災前の在りし日の風景を記録している。異なる素材の布と紙をつなぎ合わせた表紙には「震災前と震災後の能登をつなぐ」という思いが込められており、造本装幀コンクールで最高賞を受賞し、「世界で最も美しい本コンクール」の日本代表として選出された。
土と光 | 小野田陽一
写真家・小野田陽一と陶芸家・寺村光輔による、益子の土地とものづくりを映し出す作品集。陶器という「土」と、四季折々の風景や光を捉えた写真という「光」が融合し、日常の中に息づく美しさや静かな時間の流れを伝えている。土地と人、制作の営みとの深い結びつきを感じさせるとともに、自然の変化や時間の蓄積を視覚的に記録し、小野田のまなざしがとらえた風景の断片を描き出している。
たまねぎは涙をながさず切れるのだ | 竹中祥平
雑誌や広告写真で活躍する写真家・竹中祥平による作品集。光を追いかけるなかで日常が少しずつ違って見え始めた自身の体験と、ほんの少しの工夫で変わる視点の関係を重ね、「見つめ方を少し変えるだけで世界はこんなにも違って見える」というメッセージを写真で伝える。路地や窓辺、身の回りの光景など日常の断片を、光と影の微細な変化とともにとらえた作品を収録。400部限定発行。
The Discovery of America | Saul Steinberg
アメリカのイラストレーター、ソウル・スタインバーグによる作品集。1942年にアメリカへ移住して以来、ニューヨーカー誌への寄稿や個展を通じて描き続けてきたアメリカの姿を約200点収録。パレード、小さな町の街並み、ニューヨークの摩天楼、ラスベガスの喧騒、銀行や郵便局、カウボーイや文化的アイコン、ニューヨーク視点で描かれた世界地図まで、軽妙かつ鋭い線で切り取ったアメリカの断面が並ぶ。
白の点 農事律 | ten
兵庫県加西市で山田錦を育てる酒米農家「ten」による写真集。「一圃一酒」を掲げ、ひとつの田んぼの米からひとつの日本酒を醸す取り組みを、酒蔵との協働とともに写し出している。日々の作業や季節の移ろいを記録しながら、田んぼが生きものを育み、地域の環境を支える場であることにも目を向ける。農業の現在を見つめ、その風景を次へと手渡そうとする営みを伝えている。
Elizabeth Peyton
アメリカの画家、エリザベス・ペイトンによる作品集。自身が編集を手がけ、約10年にわたる創作活動を記録。友人、歴史上の人物、音楽シーンのアーティストなどを描いたドローイングや絵画を中心に、多様なメディアによる作品と展覧会の記録を収録。小さなキャンバスに丹念に描かれた親密なポートレートは、対象への深い関心と好奇心から生まれ、見る者を引き込む独自の強度がある。絵画における美の回帰と具象表現の復興に影響を与えた作家として知られるペイトンの、10年間の軌跡をたどる。
Frank Films: The Film and Video Work of Robert Frank
写真家、ロバート・フランクの映画・映像作品に焦点を当てた論考集。1950年代末に映画制作へと転じたフランクは、ドキュメンタリー、フィクション、自伝を融合させた独自のスタイルで27本の映画を手がけてきた。アミー・タウビン、ケント・ジョーンズらによる論考、アレン・ギンズバーグとのインタビュー、各作品を詳細に論じるエッセイを収録。図版はフランクの意向により、ビデオテープから新たに作成したスチル写真のみを使用している。
Julian Opie
イギリスのアーティスト、ジュリアン・オピーの作品集。オピーのキャリアを概観し、初期の日用品を模した金属彫刻から都市風景を立体的に再現した作品群、そして近年のビルボード、道路標識、LEDスクリーン、アルバムジャケットへと応用された独自のグラフィックスタイルの展開をたどる。絵画、彫刻、映像など多様なメディアにわたる作品を収録するほか、オピー自身へのインタビューを通じて、制作への動機や着想の源、制作プロセスについても明かされる。
ABZ: More Alphabets and Other Signs | Julian Rothenstein
英国の出版社レッドストーンプレスの創設者、ジュリアン・ローゼンスタインによる、アルファベットや記号をめぐるヴィジュアル・スクラップブック。モダニズムやロシア・アヴァンギャルド、さらには日本のいろは文字まで、多様な文字体系やサインを遊び心あふれる編集で紹介する。タイポグラフィの歴史と文化の断片を軽やかに横断しながら、記号の持つ美しさと不思議な魅力を再発見させてくれる一冊。英語表記。
アイデア No.378 グラフィックの食卓
アイデアNo.378/2017年7月号。グラフィックの食卓特集。近代グラフィックデザインの文脈にある、食についての、あるいは食を足がかりにした批評的グラフィック作品をアラカルト的に紹介する。「F・T・マリネッティと『未来派料理の手引き』」「勝井三雄と『奥様手帖』」「ハーマンミラーのピクニック・ポスター」などを収録。巻末の対談は「鈴木一誌×水野祐 ポストインターネット時代の法とデザイン 知恵蔵裁判からクリエイティブコモンズまで」。
Mona Hatoum
パレスチナ出身のアーティスト、モナ・ハトゥムの作品集。身体、言語、亡命の条件をテーマに、パフォーマンス、映像、彫刻、インスタレーションなど多様なメディアで活動するハトゥムの初期から現在までの仕事を包括的に収録する。1995年のターナー賞ノミネート時にテート・ギャラリーで発表した「Corps Etranger」など代表作をはじめ、オブジェから大規模な環境作品まで全作品を俯瞰。
Play | 菊地敦己
アートディレクター・デザイナー、菊地敦己による作品集。ブルーマーク設立以前の遍歴が窺える初期の仕事から最新作まで、約10年間のデザイン活動から代表的な仕事を網羅。ポスター、書籍、ロゴ、エディトリアルなど、ジャンルをまたいで積み重ねてきたグラフィック表現の軌跡を追いながら、各プロジェクトの背景にある思考も読み解ける。本書のために制作した作り下ろしグラフィック作品も収録。巻末には2万字におよぶロングインタビューを掲載している。
高橋満寿男 パッケージ・デザイン
森永のキャラメル、はごろもフーズの缶詰などのパッケージデザインを手掛けた初代日本パッケージ・デザイン協会理事長、高橋満寿男の作品集。ブランディング/デザイン界において世界最大級の実力を持つランドーアソシエイツ、ウォルター・ランドーによる序文「刊行に寄せて」や、高橋満寿男がパッケージ・デザインの哲学を論じた小文「パッケージ・デザイン」も掲載。
レンピッカ展 美しき挑発
Bunkamura ザ・ミュージアムで2010年に開催された展覧会の図録。アール・デコを代表する画家、タマラ・ド・レンピッカ(1898-1980)の軌跡をたどる。ワルシャワの良家に生まれ、ロシア革命を経てパリへ亡命し、社交界で画家としての地位を確立した波乱の生涯を背景に、日本初公開約30点を含む油彩・素描約90点と関連作品、計134点をカラー・モノクロ図版で収録。女性誌の表紙絵やドローイング、石岡瑛子のインタビューも掲載。
田名網敬一 版画の仕事 1967-1994
1960年代よりポップアートやサイケデリックな感覚を取り入れた表現で知られ、多岐にわたる分野で活動してきた日本の美術家・田名網敬一の展覧会図録。1994年に川崎市市民ミュージアムで開催された「田名網敬一 版画の仕事1967-1994」展にあわせて刊行されたもの。1967年から1994年にかけて制作された多数の版画に加え、組み上げ絵などの立体作品も収録。
Flowers | Robert Mapplethorpe
1983年にギャラリー・ワタリで開催された展覧会の図録。写真家、ロバート・メイプルソープによるバラやユリ、ランなどの花を中心とした作品群を収録。花の細部や質感、曲線の美しさが際立ち、光と影のコントラストによって形の印象が強調されている。花瓶や自然の背景と組み合わせた構図も取り入れ、被写体の存在感を鮮明に描き出している。作品を通して、メイプルソープのまなざしがとらえた世界の断片や時間の流れを感じることができ、写真表現の精緻さと対象への観察力を読み取ることができる。
ファンタジア | ブルーノ・ムナーリ
イタリアのデザイナー・芸術家、ブルーノ・ムナーリによる創造論。人間のもつ創造力、発明、想像力、そしてもうひとつの能力〈ファンタジア〉を独自の視点から分析し、創造のプロセスを解き明かすエッセイ集である。茶目っ気と知性をあわせもつ語り口で、創造の源泉を軽やかに掘り下げながら、日常の中に潜む「新しいものを生み出す力」を喚起する。豊富な図版とともに、ムナーリが生涯を通して追求したクリエイティヴィティの本質を伝える一冊となっている。
伝統と創造 魯山人とゆかりの名陶展
世田谷美術館で1996年に開催された展示の図録。利根ボーリング社長・塩田岩冶による157件の魯山人コレクションを基盤に、古陶磁との関連が明瞭な優品を加えた約200件の魯山人作品を収録。あわせて、魯山人が所蔵していた古陶磁28件を含む、長次郎・光悦・仁清・乾山などゆかりの名陶約60件も掲載する。志野や織部など桃山陶器の古窯発掘にも携わった魯山人が、日本・中国・朝鮮の古陶器から何を学びとり、自らの作陶にどう結びつけたのか。「伝統と創造」という主題のもと、古陶器との繋がりという視点から器の魅力に迫る。