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写真集を通して出会う音楽 5選
書いた人

写真集を通して出会う音楽 5選

ご好評いただいている「本と音楽」ブログ、僭越ながら今回は山田が書かせていただきます。

本の中では、特に写真集が好きです。写真の見方・読み方は人や気分によっておおきく変わるもの。友人と「自分はこんな風に見える!」なんて話すのも楽しくて。

ところで、有名でもちゃんと聞いたことのない音楽って割とありませんか?私の場合、アーティストの名前を知っているだけで聴いた気になって、改めて聴くことを後回しにしがちでして。「いつか聴こう……」のまま、スペッと忘れてしまうんです。

そんな音楽たちに再会したのは、なんと本屋で出会った写真集。ということで、テーマは「写真から入る音楽」でいきたいと思います。音楽にビジュアルはつきもの。素晴らしいポートレートを目の当たりにし、即座に漁った動画も併せてご紹介します。



全裸・網タイツではしゃぐピエール瀧にズキュン

MOTOR DRIVE

MOTOR DRIVE

著者
平間至
出版社
光琳社出版
発行年
1995年
こちらの作品は店頭のみでお買い求めいただけます。
お問い合わせはこちら
以前、「DENKI GROOVE THE MOVIE?」を観に行ったとブログにも書きましたが、一番最初に私の電気グルーヴ熱が急上昇したのは「MOTOR DRIVE」でこの写真を見た瞬間でした。解説には「別の撮影だったけど、ピエール瀧が『網タイツを持ってきたから写真を撮ってほしい』とお願いしてきた」とあります。

MOTOR DRIVE テーマは「JALで行く沖縄!」だそう。無邪気なはしゃぎっぷりにズキュンときました。
身を任せる者と任される者、両者のナイスな関係が写った作品でもありますね。平間至の語る、それぞれのモデルとの撮影秘話もおもしろく、当時の現場の空気を感じながら読むことのできるお気に入りの1冊です。

motordrive 最大のヒット曲「シャングリラ」ではなく、敢えてミュージックステーションで水曜日のカンパネラのコムアイさんがオマージュしていた「モノノケダンス」を貼り付けておきます。アニメーションは天久聖一。

これぞスター!なボノに見惚れる

werk

WERK

著者
Anton Corbijn
出版社
Schirmer/Mosel
発行年
2000年
近年は映画監督としても活躍するロック・フォトグラファー/アントン・コービンの写真集。ミュージシャンやハリウッド・スターなど、豪華な顔ぶれのポートレートを掲載。
「WERK」はアントン・コービンによる写真集。ビョークミック・ジャガーなど錚々たるミュージシャンがモデルになっていますが、その中でも特に目を留めたのはU2のボノ。スターの貫禄溢れるポートレートが多数収められています。
もちろん、スターはお風呂でもサングラス付けますよね。

werk 街も、空すらもボノの引き立て役。。

werk 動画はiPodのCM曲から「Vertigo」を。iPodのヘビーユーザーなのに、CMはちゃんと見てなかったな……と反省。
楽器は尺八くらいしかできませんが、印象的なギターリフはついエアーでストロークしてしまいます。そういえば、iTunesにU2の曲がプレゼントされていたような。更なるお気に入りのリフを探してみようっと。

私はシド・ヴィシャス支持派です

sexpistolsfile

SEX PISTOLS FILE

著者
Ray Stevenson
出版社
Omnibus Pr
発行年
1982年
英国パンク・ムーブメントを代表するバンド、セックス・ピストルズの特集本。写真や関連する新聞記事の切り抜きをまとめ、その誕生から終わりまでを追う。
この写真集を見た後に、映画「シド・アンド・ナンシー」を観てみました。すごい生き様だったんだな……と。どこまでノンフィクションかはわかりませんが、自分のスタイルを自分で作り、貫き通す姿にはやっぱり憧れます。ネットを見ていると賛否両論あるようですが、私は支持派です。

シド・ヴィシャス どうやら私は楽しそうにしている男に惚れるらしい。ただし、顔の好みはジョニー・ロットンが一番かな。

SEX PISTOLS FILE 山田のタイプがわかったところで、動画は「Anarchy In The UK」。パンクファッションも見どころです。

ボブ・ディランを見つめるファンの気持ちがわかる

ボブ・ディラン

ボブ・ディラン写真集 時代が変る瞬間

著者
バリー・ファインスタイン
出版社
ブルース・インターアクションズ
発行年
2008年
ロックフォトグラファー、バリー・ファインスタインがボブ・ディランを追い続けた写真集。歌い、歩き、遊ぶボブのモノクロ写真を多数掲載。限定3000部、特典ポスター付。
お恥ずかしながら、1年前の私は、ボブ・ディランの顔を把握しておりませんでした。ちょうどその頃は来日公演で音楽好きたちの話題は持ちきりでしたが、当然チケットを取るわけもなく……。この本でやっとボブ・ディランを知ったんです。

表紙は、アンリ・カルティエ=ブレッソンばりの「決定的瞬間」ですね。ファンの募る想いが写真から溢れ出ています。ページをめくるたび、ディランの姿はどれも画になっていて、この女性の気持ちが痛いほどわかるくらいかっこいい。

ボブ・ディラン サングラスの下からのぞく、鋭くも優しい瞳が素敵です。

ボブ・ディラン 動画は、世界初のMVと言われているこちらを。
若い頃も、年を重ねてもディランはカッコいいですね。

音楽はファッションだ!

T.Rex 1972 Sukita

T.Rex 1972 Sukita

著者
鋤田正義
出版社
カラーフィールドパブリケーションズ
発行年
2007年
写真家/鋤田正義によるT.REXの写真集。膨大な未発表写真約200点を含む約260点の写真を収録。書容設計は羽良多平吉。限定1972部。
番外編。ブログのテーマを決めたときに、中野さんからオススメされた『T.Rex 1972 Sukita』。グラムロックの先駆け的存在で、ファッションアイコンとしても人気を集めていたと教えてもらいました。手前味噌ですが、こうやって世代の違う人と話ができるのも古書店のいいところ。

今となってはロックバンドでも個性的な衣装の方が多いですが、当時にしては華やかな衣装を身に纏うロックミュージシャンは珍しかったそうです。ソバージュの髪、サテンやスパンコールできらびやかな服。メイクもキマっています。

T.Rex 1972 Sukita 鋤田正義がツアーに密着して撮りおろされた数々の写真からはステージを降りた後の普段着もおしゃれだということがわかります。貴重な姿を収めたショットがいいっぱい詰まったうえに、1972部限定のレア本。

T.Rex 1972 Sukita あああ。。。この曲、めっちゃ聞いたことありますわ。。。。。アーティスト名、全然知らなかった!



ちなみに書容設計は羽良多平吉。バンドと同じくスタイリッシュな1冊に仕上がっています。本そのものとして完成度が高く、にわかファンながら垂涎。

読んでくださった方で、「なんだこんな大物バンドも知らないの?」と思われる方も少なくないと思います。若造ゆえ、レジェンドばかり挙げて恐縮ですが、新しい音楽の探し方として捉えていただければ嬉しいです。「とりあえずこの曲聴いてみなよ」ではなく、「とりあえずこの写真見てみなよ」って割といいと思うんですよね。ビジュアルから入る音楽、あると思います!

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1990年4月22日午年、金沢出身。ギリ平成生まれのデジタルネイティブ、nostos booksを拠点にしながらカレーを作り続けるフリーランス編集者。実は理工学系。2019年2月退社。