1990年代のアメリカ西海岸で、スケートボードやヒップホップ、グラフィティの真っ只中で“遊んでいた”若者たちを描いた映画「ビューティフル・ルーザーズ」を見て、生命力にも似たパワフルさを感じたことを覚えています。
同じ時代のヨーロッパで、ヒップホップを愛する少年たちのポージングを集めた写真集『Cause We Got Style!』を見ていると、その時に感じた気持ちが蘇ってきます。80年代のミドルスクールから、90年代のニュースクールへと移り変わる流れの中で青春を過ごした彼ら。
スウェット、もしくはジャージを着て、ナイキやアディダスのスニーカーを履き、カンゴールの帽子をかぶったゆるめなファッション。
ラジカセを前にポーズをとったり、スプレー缶を抱えている背景には、今まさに描き終えたグラフィティ。カメラを向けるとキレキレのポージングをする、そんな姿が眩しいなぁ。
80年代アメリカのヒップホップカルチャー写真集『Back in the Days』や、大型ラジカセ主役にした写真集『The Boombox Project』も合わせてご覧いただくと、より時代の空気を味わっていただけておすすめです。