今回の展示タイトル「風狂の人」は、名作・狂人関係の巻末に寄せた久世光彦氏のエッセイから。久世さんは風狂の人というと上村さんを思い出すと書かれています。
「風狂(ふうきょう)」という言葉には、気が狂うという意味と、もう一つ、風雅に徹するという意味があるそうです。勝手ながらピッタリなイメージだなと思い、こちらを今回の展示タイトルとさせていただきました。
そして今年は同棲時代、修羅雪姫、しなの川、狂人関係などの代表作が連載から50周年ということで、今展示は1972年〜73年に発表された作品を中心に展示します。会期中、原画の入れ替えも予定していますので、何度も楽しんでいただけると嬉しいです。
こちらは原画展示をさせていただくきっかけになったブログ。
・おんなを描くことにこだわった天才絵師・上村一夫の世界
https://nostos.jp/archives/135339
ちなみに過去2回の上村一夫原画展はこちら。
・劇画狂人フラグメント(2017年)
https://nostos.jp/archives/157459
・血とエレジー(2018年)
https://nostos.jp/archives/182308
先日、今回の展示に先立って改めて原画を見せていただいたのですが、艶やかな筆跡が本当に素晴らしく、ため息しかでませんでした。 あの日の感動を、ぜひともみなさまと共有したい。
他にも展示に合わせて準備していることがあるので、そちらは後日またお知らせします。 ご来店お待ちしております。
上村一夫原画展「風狂の人」
期間:
2023/3/10 fri -3/27 mon
プロフィール:
上村一夫(かみむらかずお)
1940年(昭和15年)3月7日、神奈川県横須賀市生まれ。 1962年(昭和37年)、武蔵野美術大学デザイン科卒業。 同年、広告代理店・宣弘社入社。 イラストレーターとして広告制作に携わるが、同社員の阿久悠氏と知り合ったことから、劇画の世界に入る。
1967年(昭和42年)、『月刊タウン』創刊号「カワイコ小百合ちゃんの堕落」でデビュー。翌年、『平凡パンチ』連載の「パラダ』(原作・阿久悠)で本格的に劇画進出。以後、「同棲時代」、「修羅雪姫」(原作・小池一夫)、「しなの川」(原作・岡崎英生)など叙情的な名作を次々と発表。
特に「同棲時代」は"劇画史に一時代を画した"と評されるヒット作品となった。また、その流麗な筆画から"昭和の絵師"と称され、月産400枚の原稿を手掛ける多忙さを極めた。
1985年11月、下咽頭腫瘍で入院。 翌1986年(昭和61年)1月11日、逝去。享年45歳。2017年にはフランスのアングレーム国際漫画祭で遺作賞を受賞。
https://kamimurakazuo.com/
会場:
nostos books
東京都世田谷区砧5-1-18 102号室
OPEN 13:00-19:00 金土日月
03-5429-6969
https://nostos.jp