お香「テリムクリ」の出来るまで(3):お香立てを作る
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お香「テリムクリ」の出来るまで(3):お香立てを作る

はい、3話にもなってしまった開発秘話最終回はお香立て。お香があるならお香立ても欲しい。

ここは最初から辻有希さんに作ってもらうことが自分の中で決定していた。

オーダーは、「お香立てではあるけれど、オブジェとしても存在感があること」と、相変わらず無謀な依頼にも関わらず、「やってみます〜」と軽やかにお受けいただきました。



形を決める

直接話さないと今回のテーマはうまく伝えられないということで、札幌にて打ち合わせ。いくつかお試しでサンプルを拝見させていただく。

こういう形とか。

こういったものも。 奥にある横長も。

ふむふむ。
形状やコスト面、制作における問題点などもお聞きしつつ、2人でうんうん悩む。

お香のテーマに立ち返ると、原料はすべて天然素材であること。そして一期一会の素材であること。このあたりを話しあっていくなかで、新たに辻さんが考えてくれた形は、彫刻のようなこんな形。

ムチャクチャ良い…

さらにブラッシュアップしてくれたのはこんな形。

表と裏で表情が変わる。お香なしでオブジェとしても成立する。欲しい…

このキハダのフシや割れを生かした荒々しさと、表でも裏でも形の美しさを感じるオブジェ感。まさにオーダー通り。

木の顔を見ながら、どこを削るかどこを残すか、そしてどこで手を止めるか。一度削ればもうやり直せない。木工作家・辻さんという人にますます尊敬の念が深まった。

長い道のりのはてにようやく完成までたどり着いたオリジナルお香「テリムクリ」。
たくさんの人に届くと嬉しいです。

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◯制作ブログはこちら
お香「テリムクリ」の出来るまで(1):香りを作る
お香「テリムクリ」の出来るまで(2):パッケージを作る
お香「テリムクリ」の出来るまで(3):お香立てを作る

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ノストスブックス店主。歴史と古いモノ大好き。パンク大好き。羽良多平吉と上村一夫と赤瀬川原平と小村雪岱に憧れている。バンドやりたい。