「読む雑誌であると同時に、眺めても楽しめる雑誌たらしめるべく、視的効果を高める為、紙質印刷等には、実は人知れぬ費用を投じてをるのであります」
この恩地孝四郎と志茂太郎の作った雑誌「書窓」の創刊意図を説明した一文に、納得してしまった。
本書は書窓・六二号の特集「ローマ字印刷研究」と七十号「ローマ字印刷研究図集」を収録した復刻本。まず文章にて歴史を知り、そして大量の図版が掲載されている後半にて、その活字の種類や使われ方を確認していただきたい。
一通り読んでみて、「より良くしたい」という人間の根源欲求というものは、いつの時代においても、何に対しても重要なことだよなと改めて感じた一冊。