人間と文字。
なんという壮大なタイトルか…
この壮大なタイトルとオールドな碑の表紙を見て「なんか難しそう…」と思った方にこそ、ぜひ手にとっていただきたい。
この本は、エジプト文字、メソポタミア文字、アルファベット、漢字、その他(少数民族の文字など)と5つの文字がどのように発生し、消滅し、あるいは変化してきたのかを体系的に理解できる。
そして、文字の歴史は、言い換えれば権力争いの歴史でもあり、社会システムの変換の歴史でもある。物語としても大変に面白い。
例えば第3話、漢字の章。
漫画キングダムの舞台である春秋戦国時代を制した始皇帝による文字統一事業は、なぜ必要だったのか?(ちなみに日本はこのとき弥生時代…)
テーマである対象の興味から入り、ビックピクチャー的視点を得ることができ、そこからまた別の興味へ移る。自分的にベストな本との関わり方ができた一冊。