上村一夫がノストスに再びカムバック!もうね、ただただ嬉しい。上村一夫大好き。
上村一夫原画展「血とエレジー」:阿久悠作・上村一夫画、幻の漫画作品『人喰い』発売記念
https://nostos.jp/archives/182308
前回は、大好きな上村一夫の原画を前に圧倒されまして何も考えられなかったんですが、今回は原画展に合わせてオリジナルアイテムを作ろう!ということで、紆余曲折した結果、活版印刷カードと相成りました。
きっかけは、昨年上村オフィスさまで貴重な原画の数々を拝見させて頂いた際、目に止まった新聞の切り抜き。 ご息女であり上村オフィス代表の汀さんにお話をお聞きしたところ、1977年1月から1980年9月までの期間、スポーツニッポン日曜版に連載されていた「浮世絵」シリーズという挿絵入りコラムとのこと。
上村一夫といえば強い女性を多く描いている印象だったので、連載当時の女性ファッションを軽やかに描かれているのが、とても新鮮でした。
上村一夫=劇画というイメージで今まで敬遠されてきたような方にこそ、この入口からならば上村一夫の魅力を伝えられるのではないか?また、ファンにとっても新鮮な魅力を伝えることができるのではないか?ということで、あえて上村一夫=劇画のイメージから遠いものを厳選させて頂き、活版印刷カード5種+活字を作ります。
なぜ活版印刷カードなのか?という説明に、まずこちらの文章を。
「現代の浮世絵のようなものを描けといわれて週一回この欄をもらっている私だけれど、拙筆のせいか生活の貧弱なためか、今までに一度も浮世絵らしきものを描けたことがない。ただの『職業別おんな絵』になってしまって申し訳ないと思う半面、江戸という街のなかで筆をふるえた当時の浮世絵師達を羨ましく思う。 技術は環境によって作られるものである。反骨なり抵抗の庶民精神が当時の文化を作れたとするなら、今の私のこの無気力ではとても浮世絵なぞ描けない。 写楽が、北斎が、馬琴が、歌麿が、飄として歩いていた街が江戸であり、それをしきっていたところがお奉行で、遠山の金さんなどという粋人もいたと聞く。遠山金四郎という名の都知事候補者が出馬したら一票入れる。」
自身が影響を受けたであろう当時の浮世絵師たちや江戸文化に思いを馳せる上村一夫の文章。これを活版印刷にして絵柄とセットにしたいと思いました。
印刷を依頼したのは、八丁堀にある活版印刷「弘陽」。代表の三木さんは活版印刷界のレジェンドです。
http://www.kappankoyo.com/
今回使う書体は5号明朝体。
横浜の築地活字さんのものなので、正確には岩田細明朝体と呼ばれる活字書体。 5号は和文本文用として広く普及していて、この5号をベースにデジタル化されている書体も多いとのこと。ちなみにワードなどでデフォルトが10.5ptという半端な数字になっているのは、この5号サイズに合わせているかららしい。豆知識。
活字を拾う文選という作業。「最近目が悪いからな〜」と言いながらすごいスピードで拾っていく三木さん。
全部拾った状態。ここから組版へ。
2段組レイアウトを指定しているので、それに沿ってアキをインテルで調整していく。
チョチョイとやってるようで、よく見たらすごいことに。
行間で使っている細長いのがインテルで、今回は木インテルを使用。 金属の込めモノは全角以上のものをクワタ、半角以下のものをスペース。豆知識2。
組版にあわせて金属の罫線を切っています。
実際に目で確認。
シリンダープレス(円筒式)と呼ばれる印刷機にセット。
微調整を繰り返します。いやはや大変だなこれ。
試し刷りを見つつ、さらに再調整。
文字校正。字を間違うのが一番ダメなので念入りにチェック。美川憲一みたいな髪型してるな俺。
「うん、こんな感じでいいんじゃないかな」
これで活字の方はOK。 さて、次は絵柄です。
お隣の印刷会社さんに移動して絵柄の刷り具合をチェック。絵柄は樹脂凸版を使います。
インクを均一に。
微調整を重ね、刷り上がりを確認。インクの具合をチェック。この時点で超良い!左の絵柄なんて歌川広重の描いた雨の現代版にしか見えない。
インクの調整で印象が変わりますね。面白いなぁ。
先程の活字と合わせてみると、なお良い!そしてどの絵柄とも合う!ほしい! これで絵柄もOK。
こちらの絵柄1種+活字組版のテキストの1セットver(5種の絵柄からお選びいただけます。)、絵柄5種+活字組版のテキストのフルセットverの2バージョンで展示期間中限定販売いたします! わたくしはといいますと、どの絵柄も捨てがたいので絵柄5種+活字組版のテキストのフルセットverを購入予定。
さらに三木さんのご厚意で、組版した活字と絵柄の樹脂凸版も合わせて展示いたしますよ!
カード単体でももちろん素敵なのですが、こんなふうにフレームに入れるとなお美しい。うっとり。
明日からスタートする上村一夫原画展「血とエレジー」、ファンの方も初めて知る方も楽しめる展示だと思いますのでぜひ遊びにきてくださいね!
きっかけは、昨年上村オフィスさまで貴重な原画の数々を拝見させて頂いた際、目に止まった新聞の切り抜き。 ご息女であり上村オフィス代表の汀さんにお話をお聞きしたところ、1977年1月から1980年9月までの期間、スポーツニッポン日曜版に連載されていた「浮世絵」シリーズという挿絵入りコラムとのこと。
上村一夫といえば強い女性を多く描いている印象だったので、連載当時の女性ファッションを軽やかに描かれているのが、とても新鮮でした。
上村一夫=劇画というイメージで今まで敬遠されてきたような方にこそ、この入口からならば上村一夫の魅力を伝えられるのではないか?また、ファンにとっても新鮮な魅力を伝えることができるのではないか?ということで、あえて上村一夫=劇画のイメージから遠いものを厳選させて頂き、活版印刷カード5種+活字を作ります。
なぜ活版印刷カードなのか?という説明に、まずこちらの文章を。
「現代の浮世絵のようなものを描けといわれて週一回この欄をもらっている私だけれど、拙筆のせいか生活の貧弱なためか、今までに一度も浮世絵らしきものを描けたことがない。ただの『職業別おんな絵』になってしまって申し訳ないと思う半面、江戸という街のなかで筆をふるえた当時の浮世絵師達を羨ましく思う。 技術は環境によって作られるものである。反骨なり抵抗の庶民精神が当時の文化を作れたとするなら、今の私のこの無気力ではとても浮世絵なぞ描けない。 写楽が、北斎が、馬琴が、歌麿が、飄として歩いていた街が江戸であり、それをしきっていたところがお奉行で、遠山の金さんなどという粋人もいたと聞く。遠山金四郎という名の都知事候補者が出馬したら一票入れる。」
自身が影響を受けたであろう当時の浮世絵師たちや江戸文化に思いを馳せる上村一夫の文章。これを活版印刷にして絵柄とセットにしたいと思いました。
印刷を依頼したのは、八丁堀にある活版印刷「弘陽」。代表の三木さんは活版印刷界のレジェンドです。
http://www.kappankoyo.com/
今回使う書体は5号明朝体。
横浜の築地活字さんのものなので、正確には岩田細明朝体と呼ばれる活字書体。 5号は和文本文用として広く普及していて、この5号をベースにデジタル化されている書体も多いとのこと。ちなみにワードなどでデフォルトが10.5ptという半端な数字になっているのは、この5号サイズに合わせているかららしい。豆知識。
活字を拾う文選という作業。「最近目が悪いからな〜」と言いながらすごいスピードで拾っていく三木さん。
全部拾った状態。ここから組版へ。
2段組レイアウトを指定しているので、それに沿ってアキをインテルで調整していく。
チョチョイとやってるようで、よく見たらすごいことに。
行間で使っている細長いのがインテルで、今回は木インテルを使用。 金属の込めモノは全角以上のものをクワタ、半角以下のものをスペース。豆知識2。
組版にあわせて金属の罫線を切っています。
実際に目で確認。
シリンダープレス(円筒式)と呼ばれる印刷機にセット。
微調整を繰り返します。いやはや大変だなこれ。
試し刷りを見つつ、さらに再調整。
文字校正。字を間違うのが一番ダメなので念入りにチェック。美川憲一みたいな髪型してるな俺。
「うん、こんな感じでいいんじゃないかな」
これで活字の方はOK。 さて、次は絵柄です。
お隣の印刷会社さんに移動して絵柄の刷り具合をチェック。絵柄は樹脂凸版を使います。
インクを均一に。
微調整を重ね、刷り上がりを確認。インクの具合をチェック。この時点で超良い!左の絵柄なんて歌川広重の描いた雨の現代版にしか見えない。
インクの調整で印象が変わりますね。面白いなぁ。
先程の活字と合わせてみると、なお良い!そしてどの絵柄とも合う!ほしい! これで絵柄もOK。
こちらの絵柄1種+活字組版のテキストの1セットver(5種の絵柄からお選びいただけます。)、絵柄5種+活字組版のテキストのフルセットverの2バージョンで展示期間中限定販売いたします! わたくしはといいますと、どの絵柄も捨てがたいので絵柄5種+活字組版のテキストのフルセットverを購入予定。
さらに三木さんのご厚意で、組版した活字と絵柄の樹脂凸版も合わせて展示いたしますよ!
カード単体でももちろん素敵なのですが、こんなふうにフレームに入れるとなお美しい。うっとり。
明日からスタートする上村一夫原画展「血とエレジー」、ファンの方も初めて知る方も楽しめる展示だと思いますのでぜひ遊びにきてくださいね!