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さらば青春の光。60年代に輝いたモッズとロッカーズ
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さらば青春の光。60年代に輝いたモッズとロッカーズ

こんにちは、中野です。
イギリスユースカルチャー大好き人間な私めが、以前パンク好きにはたまらない本5選 で書いた時代より、もう少し前、イギリスではモッズとロッカーズ という若者に支持された二大スタイルが生まれました。

細身のスーツにランブレッタやベスパ、M-51といったアイテムを身につけたモッズ。なぜスクーターかというとスーツが汚れるから。 かたやロッカーズはリーゼントに革ジャンに革パン、単気筒バイクにワッペン。カフェレーサーとも呼ばれました。

本日はそんなモッズとロッカーズを写真で比較してご紹介してみます。



モダニストたちが生みだしたモッズ・カルチャー

blog_0825_07 blog_0825_06 Mods(モッズ) とは、1950年代後半〜60年代中頃にかけて、ファッションと音楽をこよなく愛したイギリス・ロンドン近郊の若者たちのスタイルの総称のこと。深夜になるとクラブに集まっていた若者たちは、レアな黒人音楽やR&Bを好み、ファッションもオリジナリティを追求することで独自の世界観を生み出しました。そんな彼らをモダニスト モダーンズ と呼び、最終的にモッズと呼ばれるようになったと言われています。


blog_0825_09 blog_0825_10 blog_0825_12 思い思いにデコレーションしたスクーター。ペスパ、ランブレッタが主流。ちなみに日本だとラビットが渋くておすすめです。

blog_0825_11 正しい踊り方講座。

blog_0825_05 ヘアスタイルの指南とデザートブーツ。モッズには必須アイテムが多いのです。

blog_0825_04 モッズ代表バンドといえば西のザ・フーと、東のスモール・ファイセス。左からスティーヴ・マリオット(スモール・ファイセス)、ロジャー・ダルトリー(ザ・フー)、ロッド・スチュワート、ロニー・レーン(スモール・ファイセス)

blog_0825_13 こちらはモッズvsロッカーズで有名な「ブライトンの暴動 」の新聞記事。スタイルの違いによる小競り合いがエスカレートして、暴動にまで発展したこの事件は、スタイルウォー と呼ばれました。

ロッカーズとエ一スカフェ

blog_0825_20 blog_0825_21 モッズが生まれたのと同時期に、単気筒バイクとスピードを愛する若者たちによって、Rockers(ロッカーズ) というスタイルが生まれました。リーゼントに革ジャンという男くさいアイテムを身につけ、カフェに集まり、バイクレースを繰り返す彼らのスタイルは、モッズスタイルとは対極にありました。

彼らが影響を受けたのは、「The Wild One」のマーロン・ブランド。反抗の象徴としてこのスタイルを取り入れていきます。モッズが洗練されたスタイルならばロッカーズは男臭さ全開です。

このモッズvsロッカーズの図式は、日本で70年代にブームを巻き起こした丘サーファーvs暴走族みたいなことなんでしょうか?違うか。

blog_0825_15 右腕にThe59Clubのワッペンが見えます。
このクラブの創始者は神父ファーザー・ビル・シャーゴールド。自らもバイク愛好者であったビルは、当時不良のレッテルを貼られていた彼らに、バイクを通して青少年の教育、更生に尽力します。彼の活動は新聞や雑誌などで取り上げられたことで、世界一のクラブとなり、ロッカーズ達にとって59のワッペンをつけることは最高のステータスとなりました。

blog_0825_17 blog_0825_16 ワッペンペタペタ。肩にトライアンフのバックルが付いてる。

blog_0825_18 blog_0825_19 こういうことしたくなりますよね。

blog_0825_22 この子の表情と服装がなんだかぐっとくる。

blog_0825_23 モッズが主流となっていく中、ロッカーズスタイルは徐々に廃れていきます。そして1969年、彼らの聖地だったエース・カフェは営葉を停止し、ここにひとつの時代が幕を下ろします。 しかしバイクを愛する若者たちが生み出したスタイルは、世界中の若者に影響を与え続けました。
同じ格好をすることは、仲間意識を強める効果があります。そんな視点で世の中のカルチャーの移り変わりを見てみるというのも面白いのではないでしょうか?

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ノストスブックス店主。歴史と古いモノ大好き。パンク大好き。羽良多平吉と上村一夫と赤瀬川原平と小村雪岱に憧れている。バンドやりたい。