レコードといえばジャケット。
LP12インチだと約30cmもあります。中身がわからなくてもジャケットデザインだけで選ぶ楽しみがあるのもレコードの魅力です。 ポスターのようにお気に入りの一枚を飾ったりするのも良いですよね。
今となっては時代的になかなか難しいかもしれませんが、デザイナーなら一度は手掛けたいという方も多いのではないでしょうか? レコード復活の兆しもあるようですし、もしかしたら可能性があるかもしれません。
というわけで、今回はデザインのアイデアソースとして「ジャズのレコードジャケット」を集めた書籍をご紹介します。
ブルーノート アルバム・カヴァー・アート
ブルーノート アルバム・カヴァー・アート
- 著者
- グラハム・マーシュ他
- 出版社
- 美術出版社
- 発行年
- 1991年
1939年の創立から、変わらず最良のジャズを世に送り続けてきたレーベル、ブルーノートのアートワークを中心にカラーで多数掲載。
本書は、ブルーノートのレコードジャケットデザインを10年に渡り手掛けたリード・マイルスの作品を集めた一冊。ブルーノートは、タイポグラフィと写真の扱い方の参考になるものが非常に多いです。トリミングや字体に趣向を凝らし、収められた音楽が聴こえてくるようなジャケットの数々を生み出しました。
モノクロ写真に単色をのせてシンプルなタイトルと組み合わせるデザインはジャズっぽさを感じせます。当時お金がなかったという事情から生まれましたが今となっては王道のスタイルになりました。
こちらはタイポグラフィを全面に使ったデザイン。アーティスト写真を文字や図形の中に小さく収めるこの手法は多くのジャケットで見ることが出来ます。
鍵盤に見立てたラインもリズムカルな雰囲気を伝えています。実際に真似してみると良くわかりますが、書体の大きさと違いを上手く利用した絶妙なバランスのレイアウト。
シリーズ物を色を変えることで表現。版を変えずにバリエーションを作るのはデザイナーとして重要。色の組み合わせ方を知っていれば可能ですよね。
図形を使ったデザイン。これだけで成り立つのはリード・マイルスの力量ゆえ。
トリミングと余白の取り方が絶妙です。上や下を大きく空けるレイアウトはリード・マイルスの作風として確立したもの。この余白の取り具合って難しいんですよね。
まだまだたくさんあって紹介しきれませんが、タイポグラフィ、トリミングの見事さ、余白の使い方、色の組み合わせなど、デザインに必要な要素を全て網羅していることがわかります。
単なる顔写真が載っているにすぎなかったレコードジャケットをアートといえるレベルまで引き上げ、後世にも多大な影響を与えたリード・マイルスのデザイン、ぜひ参考にしてみてください。
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まだまだたくさんあって紹介しきれませんが、タイポグラフィ、トリミングの見事さ、余白の使い方、色の組み合わせなど、デザインに必要な要素を全て網羅していることがわかります。
単なる顔写真が載っているにすぎなかったレコードジャケットをアートといえるレベルまで引き上げ、後世にも多大な影響を与えたリード・マイルスのデザイン、ぜひ参考にしてみてください。