Things and Seen | 若木信吾
写真家・映画監督の若木信吾による作品集。理髪店の窓、ライフル、窓際に咲く花、収穫したトウモロコシ…2002年から2019年の間に世界各地で撮影された写真を収録した一冊。800部限定刊行。見開きに署名あり。
家族 2号 | HYOTA
家族と一年誌『家族』第2号では、千葉県大多喜町で薬草園兼ボタニカルブランド「mitosaya 薬草園蒸留所」を営む江口宏志・祐布子夫妻と娘の美糸(みと)ちゃん、紗也(さや)ちゃんの一家を3年間にわたって追う。ブックショップ「ユトレヒト」や「TOKYO ART BOOK FAIR」を手がけた江口宏志が、蒸留家として新たな道を歩み始めた日々を、奥山由之と吉楽洋平の写真で四季を通じて記録。植物とともに育つ家族の暮らしと、日々の発見、挑戦の過程を丁寧に描き出す。
Mの辞典 | 望月通陽
美術家・染織家として活動する望月通陽による詩画集。「MAGICIAN(魔法使い)」「MONOLOGUE(独白)」「MOVEMENT(発芽)」など、24の“M”で始まる言葉を主題に、版画と詩的なテキストによって構成されている。紙版画の手触りと静謐な言葉が響き合い、寓話のような世界観を織り上げる一冊。宗教的象徴や日常の断片、内的な思索が交錯し、望月の造形的想像力が詩として、また絵として展開される。装丁は望月克都葉によるもの。文字とかたちが共鳴する、詩と美術のあわいに立つ作品集。
カンディンスキー展
2002年に開催された「カンディンスキー展」の公式図録。ミュンヘンとモスクワを主な舞台とした1896年から1921年までの活動期に焦点を当て、具象から抽象へと向かうカンディンスキーの表現の転換をたどる内容となっている。初期の民俗的モチーフや神秘主義的傾向を持つ作品から、色彩と形態が解き放たれる《コンポジション》へ至る過程を豊富な図版で紹介し、当時の思想的背景や芸術運動との関係性も丁寧に整理。ロシア前衛芸術や青騎士との交流を視野に入れながら、内的必然性を追求したカンディンスキーの造形理念と、その変貌の核心を読み取ることができる構成になっている。
開校100年 きたれ、バウハウス展
2019年から2020年にかけて東京ステーションギャラリー等で開催された「開校100年 きたれ、バウハウス展」の公式図録。バウハウス創立100周年を記念し、その教育体系に焦点を当てながら、20世紀を代表する造形学校の全貌を多面的に紹介している。ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレーら名だたる教師が担った基礎課程の授業内容を起点に、学生が進んだ家具・織物・金属・舞台など各工房での実習と成果物を豊富な図版で提示。バウハウスが現代の造形教育とデザインの基層をいかに形づくったかを読み解いている。また「総合の位相」や、日本人留学生4名の活動に光を当てた章も設けられ、国際的広がりの中で育まれた創造のダイナミズムを丁寧に示している。
Magnificent Obsessions: The Artist as Collector | Lydia Yee
現代アーティストたちの個人的なコレクションを通して、創作の源泉と美学的・心理的側面を探る資料集。アンディ・ウォーホル、ダミアン・ハースト、杉本博司、マーティン・パー、ソル・ルウィットらの蒐集品を紹介し、量産された日用品から希少なアートピースまで、彼らが惹かれた「モノ」とその眼差しを可視化する。作品と併せて展示されるコレクションは、それぞれの作家の思想や衝動を映し出し、創造行為と蒐集行為の密接な関係を浮かび上がらせている。
Virgil Abloh. Nike. ICONS
2016年にナイキとファッションデザイナー、ヴァージル・アブローが協働し、スニーカーカルチャーに革新をもたらした伝説的コレクション〈The Ten〉の創作過程を記録した一冊。エア ジョーダン1、エア フォース1、エア マックス90など、10足の名作を再構築し、解体と再構成を通して新たな意味を与えたデザインの舞台裏を、プロトタイプの資料やナイキのデザイナーとのメッセージ、アーカイブ写真などとともに紹介する。構造をあらわにした装丁も含め、アブローの思考と制作の全貌を可視化する。序文は藤原ヒロシ。
Horse | Jitka Hanzlova
チェコ出身の写真家、イトカ・ハンズロヴァによる作品集。人と環境の関係性を見つめてきたこれまでのシリーズに続き、本作では被写体を「馬」に定め、その身体性に迫る。毛並みやまつ毛、耳の産毛、尾に絡む草の一本に至るまで、細部を丁寧にとらえた親密なカラー写真からは、動物としての馬の存在感と気配が静かに立ち上がる。図版構成に加え、作家ジョン・バーガーによる序文を収録し、見る者の感覚を呼び覚ますような詩的な視覚体験を提示している。
An Incomplete Dictionary of Show Birds Vol.2 | Luke Stephenson
イギリスの写真家ルーク・スティーヴンソンが15年にわたり撮影を続ける「ショーバード」シリーズの第2巻。英国で行われる鳥の品評会に出品されるインコやフィンチ、カナリアなど、鮮やかな羽色をもつ小鳥たちを、単色の背景と緻密な構図で捉えている。セキセイインコから始まったこのプロジェクトは、愛玩と鑑賞、分類と審美の狭間にある人間と鳥の関係を静かに映し出すもの。華やかさとユーモアを併せもつポートレート群は、自然の造形と人工的な美意識の交錯を鮮やかに示している。
Art School | Paul Winstanley
英国のアーティスト、ポール・ウィンスタンリーが、全英50以上の美術大学の学部スタジオを撮影したシリーズを収録。学年の合間に訪れ、無人のまま記録されたスタジオは、白い仮設壁やペンキ跡、無機質な床が抽象的な空間性を生み出す。創造性を育む場でありながら、静かで中立的な室内が持つ二面性を浮かび上がらせる。200点以上のカラー写真に加え、美術批評家ジョン・トンプソンのテキストと、マリア・フスコによる作家インタビューを収録。英語表記。
Tokyo Style ソフトカバー版 | 都築響一
写真家・編集者の都築響一による代表的写真集。東京で暮らす人々のリアルな生活空間を撮影し、整然とした理想の部屋ではなく、「好きなものに囲まれた」個性的な住まいのあり方を捉えている。六畳一間のワンルームからアトリエ兼自宅まで、ジャンルも世代も異なる住人たちが、自らの感性で作り上げた空間に息づく「生活の美学」を可視化。インテリアやデザインの文脈を超え、都市の片隅にある無数の“生の現場”を照射する。生活のリアリティと創造性を併せもつ、東京の暮らしの記録。
Scandinavian Style: Classic and Modern Scandinavian Design and Its Influence on the World
北欧デザインの精神とその世界的影響を多角的に紹介するビジュアルブック。アルヴァ・アアルト、エーロ・サーリネン、アルネ・ヤコブセンらの建築や家具デザインをはじめ、iittala、Volvo、Hackmanなどのプロダクトやブランドまで、機能性と美しさを両立させた造形理念を豊富な写真で解説している。木やガラス、金属など自然素材への敬意と、「形は機能に従う」というモダニズムの理想を背景に、北欧の暮らしに根づいたデザイン文化の系譜をたどる構成。シンプルで洗練された造形が、いかに日常生活と結びつき、世界のデザイン思想を変えてきたかを明らかにしている。
沖縄の陶器 | 濱田庄司
陶芸家・濱田庄司の監修により、沖縄の陶器を体系的に紹介する資料集。17世紀の古我知焼、18世紀の知花焼、19世紀の壺屋焼など、各時代を代表する皿や花器を中心に、多彩な陶器をカラー写真で収録している。地域の土や釉薬、文様に宿る独自の造形感覚を通して、沖縄の陶芸史と美意識を読み解く構成。装丁は染色家・芹沢銈介によるもので、民藝運動と深く結びついた美の系譜を視覚的に伝えている。
むかし渡更紗 全3冊揃 | 芸艸堂
インドを起源とする染織文化・更紗を収めた全3冊構成の木版画集。草花や樹木、鳥獣、人など、自然と人間の営みをモチーフに描いた彩色木版72点を収録している。木綿布に多彩な文様を染め上げた更紗の豊かな表現を通じて、異文化の交流と装飾美の歴史を伝える貴重な資料。伝統的な手法によって再現された図柄からは、東西の美意識が融合する染織デザインの源流を読み取ることができる。
Another America: A Testimonial to the Amish | Robert Weingarten
写真家ロバート・ワインガーテンが、アメリカ中西部を中心に暮らすアーミッシュの共同体を4年間にわたり撮影した作品集。インディアナ、アイオワ、オハイオ、ペンシルベニア、テネシー、ウィスコンシンに点在する彼らの生活を記録し、信仰とともに営まれる日常の美しさと静けさを捉えている。農作業に励む姿や霧に包まれた風景、子どもたちの遊び、家族の集いなどを通して、300年以上にわたり守られてきた質素で自立した生活の哲学を視覚化。近代化を拒みながら信仰に根ざした共同体を維持する人々の姿を、詩的な光の中に描き出している。
赤瀬川原平の芸術原論展
2014年に千葉市美術館、大分市美術館、広島市現代美術館を巡回した「赤瀬川原平の芸術原論展」の図録。1960年代から現在に至るまでの赤瀬川原平の活動を総覧し、絵画、インスタレーション、彫刻、漫画、写真など多彩な表現を包括的に紹介。巻末には荒俣宏、南伸坊、藤森照信、山口晃ら17名による寄稿を収録し、幅広い視点から赤瀬川の創作を振り返る構成となっている。日本の前衛芸術における赤瀬川原平の軌跡を浮かび上がらせている。
Phenomena | Sara Galbiati, Peter Helles Eriksen, Tobias Selnaes Markussen
コペンハーゲンを拠点とする3人の写真家、サラ・ガルビアーティ、ピーター・ヘレス・エリクセン、トビアス・セルナエス・マークセンによる共同作品集。UFOや宇宙人といった現代の神話に着目し、ネバダ、ニューメキシコ、アリゾナ各州を巡る調査旅行を通じて撮影された写真を収録している。研究者や信奉者たちのポートレート、収集された資料や記録を交えながら、人間が未知の存在に抱く信仰や想像力の在りかを探る一冊。英語表記。
VOU: Visual Poetry, Tokio, 1958-1978
写真家・詩人・デザイナーとして活動した北園克衛が主宰した前衛詩誌『VOU』に掲載されたビジュアル・ポエトリーを再構成した作品集。1958年から1978年にかけて展開された北園晩年の創作活動を中心に、9名の主要詩人による代表作を収録している。活字と図像、構成と余白を駆使して言葉の造形性を探求した実験的な詩表現を、当時の文化的・社会的背景とともに再考。モノクロ図版とともに詩人たちの軌跡をたどり、日本における視覚詩運動の到達点とその国際的意義を明らかにしている。
海市 もうひとつのユートピア
1997年にNTTインターコミュニケーション・センターで開催された、建築家・磯崎新監修による都市実験プロジェクトの公式ドキュメント。インターネットの黎明期に構想された「もうひとつのユートピア」として、現実の建築空間と仮想都市が交錯する新しい都市像を提示している。日本をはじめ世界各地の建築家・デザイナー・アーティストが参加し、デジタルネットワークを介した共同制作や通信環境を活用した都市モデルを展開。従来の都市計画や建築理論を超え、情報社会における「都市」と「身体」のあり方を問い直した、メディア・アーキテクチャの先駆的記録となっている。
Great British Editorial | Javier Fernandez
イギリスのエディトリアルデザインを総覧する資料集。ロンドンを拠点とする出版社・デザインスタジオ46社による、ブックデザイン、新聞、雑誌などの仕事を紹介。Alexander Boxill、David Pearson、Marcus Piper、Matt Willeyらによる作品を、オールカラー646ページにわたり収録している。分析や批評をあえて排し、英国デザインの多様なアプローチと洗練された表現をフラットに提示。90年代『Sleazenation』誌などの象徴的な誌面も含め、ブリティッシュ・デザインの創造力を視覚的に堪能できる一冊。
100+3 Swiss Posters: Selected by Siegfried Odermatt
スイスのグラフィックデザイナー、ジークフリート・オデルマッツが精選したポスターを紹介する作品集。マックス・ビル、カール・ゲルストナー、エミール・ルーダー、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンら、スイス・デザインを代表する巨匠たちによるポスターを多数収録。スイス・モダンデザインの精髄を示す貴重な記録。英語、ドイツ語、フランス語表記。
M.I.A. | Mathangi "Maya" Arulpragasam
イギリス出身のミュージシャン、M.I.A.のアートワーク集。アルバムやミックステープのジャケットから、ライブパフォーマンス、展覧会、インスタレーション、ミュージックビデオに至るまで、多彩なビジュアル表現を収録。独自のグラフィックセンスと政治的・社会的メッセージを融合させた彼女の活動を網羅的にたどることができる一冊。歌詞や独占インタビューの抜粋もあわせて掲載。
象形文字遊行 文字始源 | 粟津潔
グラフィックデザイナー・粟津潔が、古代文字の造形に潜む美と思想を探った書体研究書。文字の始源とされる甲骨文字や金文を中心に、「象形」「会意」によって生まれた約900字を収録し、それぞれの成り立ちと造形的意味を独自の観点から考察している。デザインや現代美術にも通じる象形のリズムと構成に注目し、人類の思考が形を獲得する瞬間を鮮やかに読み解く一冊となっている。
アルヴァー・アールト 1898-1975 20世紀モダニズム人間主義
1998年から1999年にかけてセゾン美術館で開催された、フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトの回顧展公式図録。人間の感性と自然との調和を重視したアアルトの建築哲学を、住宅から公共建築、家具デザインに至る代表作を通して紹介している。平面図やスケッチ、写真資料に加え、建築史家や研究者による論考を多数収録し、モダニズムの中に息づくアアルトの人間主義的アプローチを多角的に検証。設計競技による実践的な創造の姿勢をもとに、20世紀建築におけるアアルトの思想的遺産を深く掘り下げている。
アイノとアルヴァ 二人のアアルト | 国書刊行会
2021年に開催された巡回展にあわせて刊行された図録。フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトの軌跡を、互いに与え合った影響とともにたどる。Artek(アルテック)製品のアーカイブをはじめ、建築、ガラス製品、インテリアなど多彩な作品を紹介。カラー・モノクロを含む豊富な図版と解説で、その創作の広がりを伝えている。
SANAA/Sejima and Nishizawa: Novartis Campus Fabrikstrasse 4
妹島和世と西沢立衛による建築ユニット・SANAAが2006年に設計した、スイス・バーゼルのノバルティス・キャンパス内の施設「Fabrikstrasse 4」を詳細に紹介する資料集。コンクリートとガラスという2つの素材のみで構成されたこの建築は、階層性を排し、架構がそのまま空間を形づくるという設計思想のもとに生まれた。ウォルター・ニーダーマイヤーによる写真、アーロン・ベッツキーとヴァレリオ・オルジアーティによる論考、さらに詳細な図面資料も収録し、この建築の魅力を多角的に読み解く構成となっている。ドイツ語、英語表記。
黄金の鳥 | 荒俣宏
作家・博物学研究家の荒俣宏が、フランス博物学の黄金期を象徴する二つの鳥類図鑑「黄金の鳥あるいは金属の光沢」と「北米鳥類図譜」を細密に覆刻した作品集。両書から美術的価値の高い56葉を精選し、さらに参考図版5葉と付録図版2葉を加えた全61葉を収録。直接製版によって原図の色彩や質感を忠実に再現し、19世紀の博物画がもつ華麗さと科学的精緻さを現代に甦らせた。造本は鈴木一誌によるもので、装丁の美しさにも高い完成度を示している。
天文学と印刷 新たな世界像を求めて
2018年に開催された企画展「天文学と印刷―新たな世界像を求めて」の図録。15〜16世紀ヨーロッパ、ルネサンス期において発展した天文学と印刷術という二つの営みを軸に、知の転換がもたらした世界像の変化を探る。コペルニクス『天球の回転について』をはじめとする貴重な書物や図版資料を通じ、学者と印刷者の協働がいかに科学思想の普及と進化を支えたかを明らかにする。知の歴史と技術革新が交錯する時代の息吹を伝える内容となっている。
縄文の夜神楽 | 滋澤雅人
写真家・滋澤雅人による写真集『縄文の夜神楽』。全国の博物館・考古館を巡り、12年の歳月をかけて撮影された縄文土器・土偶27点を収録する。暗室で一点ずつ光を調整しながら長時間露光で写し出されたモノクロームの像は、縄文造形の緻密な文様と造形美を鮮やかに浮かび上がらせる。原始の祈りと美が宿る器に、写真家の静謐な眼差しが交錯し、時を超えた生命の気配を伝えている。
イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる
2014年に国立新美術館と国立民族学博物館で開催された展覧会「イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる」の図録。世界各地の伝統的な民芸品や造形物を通して、人・神・時間といった根源的テーマに対するイメージの普遍性を探る内容となっている。博物館と美術館という異なる視点から、造形と信仰、記憶と象徴の関係を多角的に提示。人類の創造行為に内在する「イメージの力」を改めて問う構成となっている。
Freunde von Freunden: Berlin
ベルリンで活躍する28人のクリエイターたちの仕事場や住まいを紹介するビジュアルブック。2009年にデザインスタジオ、NoMoreSleepによって設立されたwebマガジン「Freunde von Freunden」を書籍化したもので、ギャラリスト、アーティスト、写真家、イラストレーター、建築家、起業家など、ベルリンのトレンドセッターたちの暮らしをユニークかつ独自の視点で紹介する一冊。ドイツ語、英語表記。
倉俣史朗とエットレ・ソットサス
2010年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された展覧会「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」の公式図録。日本のデザイナー・倉俣史朗とイタリアの巨匠エットレ・ソットサス、20世紀デザインを象徴する二人の交流と創作の軌跡を豊富な図版とテキストでたどる。安藤忠雄、伊東豊雄らによる論考をはじめ、倉俣の素材への探究や空間設計、ソットサスの思想を対比的に紹介。デザインとは何かを根源から問い直す、二人の精神を伝える一冊。
C International Photo Magazine 創刊号
スペイン・マドリードを拠点とするIvory Pressが創刊した国際写真誌の第1号。世界各国の現代写真家による作品を豊富な図版とともに特集し、写真表現の多様性と現在性を多角的に紹介している。未公開資料として、彫刻家イサム・ノグチが第二次世界大戦後に撮影・収集した写真アーカイブを初掲載。さらに、ウィリアム・エグルストン、トマス・ストルート、森山大道、オラファー・エリアソンら著名作家の作品を収録し、写真の芸術的地位とその社会的影響を検証する内容となっている。
PETER DOIG ピーター・ドイグ展
2020年に東京国立近代美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された公式図録。現代を代表する画家のひとりピーター・ドイグの初期作から最新作までを網羅的に収録している。写真や記憶、映画や美術史など多様なイメージを重ね合わせて描き出された作品は、懐かしさと新鮮さが共存する独自の世界観を形づくっている。豊富な図版とテキストを通じて、ドイグ絵画の多面的な魅力を提示している。
石内都 マザーズ 2000-2005 未来の刻印
写真家・石内都による作品集で、第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館(2005)での展示にあわせて刊行されたもの。母の遺品を撮影したシリーズ〈マザーズ 2000-2005 未来の刻印〉を中心に構成され、衣服や化粧品、皮膚のような質感をもつ日用品のクローズアップを通して、母の不在と記憶の痕跡を静かに見つめている。確執と愛情のあわいにある「母」という存在を、身体とモノの関係から描き出したプライベート・ドキュメンタリー。併せて初期三部作〈絶唱・横須賀ストーリー〉〈アパート〉〈連夜の街〉も収録し、石内の表現の原点と到達点を往還する構成となっている。
小さな画面に無限の世界 熊谷守一展
2011年から2012年にかけて開催された巡回展「小さな画面に無限の世界 熊谷守一展」の図録。油彩画約160点、日本画や書33点を収録し、代表作から新たに発見された作品までを網羅する。草花や虫、猫、鳥といった身近な生命を明快な線と色彩で描き出した独自の画風“モリカズ様式”を多面的に紹介。簡素で静謐な造形の奥に、自然と生命へのまなざし、そして人としての自由を貫いた熊谷の精神を伝える内容となっている。
藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画
2016年に開催された藤田嗣治の回顧展公式カタログ。1909年から1968年までの創作活動を網羅し、「模索の時代」「パリ画壇の寵児」「さまよう画家」「戦争と国家」「フランスとの再会」「平和への祈り」の6章で構成されている。白い下地と繊細な線描で知られる代表作をはじめ、戦争画や宗教画、晩年の作品までをカラー図版で収録。日本とフランス、東洋と西洋という二つの文化の間で揺れ動いた藤田の人生と芸術を多角的に検証し、画家が追い求めた「調和」と「祈り」のかたちを静かに照らし出している。
アイデア No.373 ポスト・インディペンデント・マガジン
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.373(2016年4月号)。特集「ポスト・インディペンデント・マガジン」では、国内外18の雑誌に依頼し、それぞれが自由に制作した4ページを合綴した実験的構成を試みる。『Agapornis Magazine』『BLINK』『疾駆/chic』など、多様な独立系媒体が参加。デジタル時代における「紙のメディア」を再考し、雑誌をつくる行為そのものの意義と表現の可能性を探る。インディペンデント出版の現在地を可視化した特集号。
アイデア No.240 世界のグラフィックデザイナー100
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.240(1993年9月号)。巻頭特集は世界のグラフィックデザイナー100人。ソール・バス、ミルトン・グレイザー、ヤン・レニツァ、ピエール・ベルナール、田中一光、永井一正など、世界を代表するデザイナーの作品と思想を紹介する。さらに、創刊40周年を記念して、亀倉雄策、福田繁雄が寄稿。1990年代初頭の国際的デザイン潮流を記録した、資料的価値の高い一冊。表紙デザインは亀倉雄策。
アイデア No.235 福田繁雄
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.235(1992年11月号)。巻頭特集は「福田繁雄」。ピエール・ベルナールによる論考とともに、ポスター、壁画、オブジェなど、多面的な活動を豊富な図版で紹介する。そのほか、「第38回ニューヨーク・タイプディレクターズクラブ展+日本タイポグラフィ年鑑1992」、「巻末特集:オランダのタイポグラフィック・デザイン」などを収録。
アイデア No.233 亀倉雄策
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.233(1992年7月号)。巻頭特集は日本を代表するグラフィックデザイナー、亀倉雄策。オリンピックポスターなどで知られる亀倉の造形思想と仕事の軌跡を多面的に紹介する。そのほか「ミサワホーム・バウハウスコレクション 芸術と技術―新しき統一」「風刺のきいたイラストレーター、ロブ・デイ」「世界エイズポスター展」など、デザインと社会の関わりを探る記事を収録。
Zufaellige Begegnungen. Photographien | Sarah Moon
ロンドンやパリでのモデル業のかたわら写真を撮り始め、1970年より写真家へとキャリアを転向したフランス出身の写真家、サラ・ムーンの作品集。1980年代から2000年代にかけて撮影された作品をまとめたもの。ランドスケープ、ポートレート、ファッションなど、様々なテーマで捉えられた作品図版とテキストを収録。現実と幻想の中を行き来する揺れ動く心情、その世界が映し出される。
写真と絵画 セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
2022年にアーティゾン美術館で開催された展覧会の公式カタログ。写真家・柴田敏雄と鈴木理策が、それぞれの創作において影響を受け続けてきたポール・セザンヌを起点に、写真と絵画の関係性を探る構成となっている。セザンヌや雪舟をはじめとする石橋財団コレクションの名品と、両作家による新作・未発表作を対話的に配置し、見ること・描くこと・写すことのあいだにある思考の共鳴を可視化。時代や技法を超えて、表現の根底にある「視覚の構築」を問い直す内容となっている。
What’s Wrong with Redistribution? | Wolfgang Tillmans
ドイツ出身の写真家ヴォルフガング・ティルマンスが、2015年のハッセルブラッド国際写真賞受賞を機に発表した作品集。2005年以降、彼の展覧会で中核をなすインスタレーション《Truth Study Centre》を中心に構成されている。英国製ドアパネルを用いた木製テーブル上に、写真、新聞記事、印刷物、メモなどを固定せずに並置し、現代社会の情報や視覚的断片を再構成する試みを高精細に再現。多様な視点や矛盾する主張が同一平面上で共存する構成は、写真を超えたコラージュとして、現代の複雑な現実を照射する。全320ページにわたって展開される図版と、トム・マクドノウによる論考が、ティルマンスの思索的かつ批評的な創作姿勢を浮かび上がらせている。