世界のグラフィックデザイン 7 環境のグラフィック
シリーズ「世界のグラフィックデザイン」第7巻は〈環境のグラフィック〉をテーマに、建築やインダストリアルデザインと密接に結びつくグラフィック表現を特集。サイン計画や展示空間、都市景観のデザインなど、環境と視覚情報の関係を探る約300点の事例を掲載する。編集は粟津潔、磯崎新、福田繁雄。グラフィックが空間や社会とどのように呼応しうるか、その可能性を多角的に示している。装丁は細谷巖。
ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト
20世紀アメリカを代表する画家ベン・シャーンの企画展にあわせて刊行された図録。社会派リアリズムの画家として知られる一方で、写真やグラフィックアートなど多様な表現を横断したシャーンの活動を包括的に紹介。絵画の背景にある写真資料や制作プロセス、さらに和田誠やロジャー・パルバースらによるインタビューを収録し、作品が生まれた時代状況や思想の核心に触れることができる。
バウハウス・デッサウ展
2008〜2009年に開催された「バウハウス・デッサウ展」の図録。芸術と工芸、デザイン、建築の統合を掲げ、20世紀の造形史に決定的な影響を与えたバウハウスの中でも、創設者ヴァルター・グロピウスの理念が最も実践されたとされる“デッサウ期(1925–1932)”に焦点を当てたもの。学生作品や工房プロダクト、絵画、写真、建築資料など多彩な図版を通じ、その教育思想と制作現場の実態を立体的に紹介。合理化・工業化へ舵を切り、ワシリーチェアや照明器具など後世に残る機能美の源流が形づくられた時期を多角的に辿る。
建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション
2010年に東京国立近代美術館で開催された展覧会カタログ。アトリエ・ワン、中村竜治、中山英之、鈴木了二、内藤廣、菊地宏、伊東豊雄の7組が参加し、建築という概念をインスタレーションとして再構成した試みを紹介。多面体で構成された空間や、生成と消滅を繰り返す場、スケール感が揺らぐ広場、模型の「一日」を見せる映像空間など、多彩なアプローチで“空間”の在り方を可視化している。作家へのQ&Aを収め、意図や制作背景を読み解きながら、建築がどこに、どのように立ち上がるのかを探る。
グラフィック・デザインのモダニズム
2000年に開催された「グラフィック・デザインのモダニズム」展の図録。1920〜1930年代の「機械時代」に焦点を当て、未来派、ダダ、構成主義、デ・ステイル、バウハウスなどの前衛芸術運動を通して、斬新な造形世界を振り返る。ジョン・ハートフィールド、エル・リシツキーら時代を代表するアーティストの作品を多数収録し、ポスターや書籍デザイン、写真コラージュなど多彩な媒体におけるモダニズムの展開を紹介。詳細な解説も付され、資料性の高い内容となっている。
アイデア別冊 コンテンポラリー・イラストレーション
グラフィックデザイン誌『アイデア』別冊・コンテンポラリー・イラストレーション特集号。アメリカン・イラストレーション美術館主催のイラストレーターズ協会25周年記念展に選出された作品を、書籍、広告、エディトリアル、公共の4部門にまとめて収録し、当時のイラストレーション表現の広がりと勢いを伝える。さらに特集「日本の9人のイラストレーター」では、安野光雅、河村要助、柳原良平、湯村輝彦ら、1980年代の日本のイラストレーションを牽引した作家たちを紹介。
アイデア別冊 第61回ニューヨークADC傑作展
グラフィックデザイン誌『アイデア』別冊 第61回ニューヨークADC傑作展。「アート&イラストレーション部門」「写真部門」「雑誌広告部門」をはじめ、受賞作品の幅広い表現を誌面上で紹介し、当時のクリエイティブシーンを俯瞰する。そのほか、ADC展のこれまでの歩みや展示会場探しなどの「ADC展裏ばなし」を掲載。
日本の玩具 | 堀内令鶴
日本各地に息づく郷土玩具を、親しみやすいイラストでまとめた資料集。張子、土人形、木地玩具など、土地ごとの風土や暮らしと結びついた玩具を、全50枚の図版としてシートに貼り込んで収録している。単純化された造形の面白さ、素朴でユーモラスな表情、地域ごとに異なる色彩感覚など、手仕事の魅力が伝わる構成。民藝的視点から郷土玩具の多様性を辿ることができる一冊。限定500部刊行。
土門拳 愛蔵版 古寺巡礼
昭和を代表する写真家・土門拳が生涯のテーマとして取り組んだ「古寺巡礼」シリーズをまとめた愛蔵版。昭和15年から約40年にわたり撮影した全国の古寺や仏像から、179点の名作をカラー・モノクロで収録する。法隆寺、薬師寺、唐招提寺、東大寺、室生寺、平等院鳳凰堂など、土門が深く愛した寺院建築と仏像彫刻が、力強い眼差しと緊張感あふれる構図で写し取られている。
ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
2024年から2025年にかけて森美術館で開催された、ルイーズ・ブルジョワの国内最大規模となる回顧展の図録。インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など約100点を収録し、70年に及ぶ活動の核心に迫る内容となっている。100点を超える作品群を通して、ブルジョワの芸術が放つ深い人間性と影響力を再考する機会を与えてくれる一冊。
Picturesque | 福田美蘭
現代美術家・福田美蘭が1992年から1998年にかけて制作した作品を収録する作品集。名画の引用や複製画、金モールの額縁、ステンドグラス風のスプレー文字、日用品の大根や醤油など、多様なモチーフを自在に取り込み、絵画の歴史と現代の視覚文化を往還する独自の手法が展開されている。各作品には福田自身の解説が添えられ、モチーフの選択や制作の背景、作品に込めた問いが丁寧に語られている。
Sigmar Polke: Miracle of Siegen, The Lens Paintings
ドイツを代表する現代美術家、ジグマー・ポルケが取り組んだ「レンチキュラー・ピクチャーズ(レンズ絵画)」シリーズを収めた作品集。2007年、ルーベンス賞受賞に合わせて開催されたジーゲンでの展覧会をもとに編集され、光の屈折によって像が揺らぎ、複数のイメージが立ち現れる特異な視覚効果を持つ作品群を紹介。波状のレンズ状表面が、下層の絵画を歪ませたり、見る位置によって異なる表情を生み出すことで、絵画と知覚の境界そのものを問い直す。
養老天命反転地 荒川修作+マドリン・ギンズ 建築的実験
岐阜県養老町に開園した「養老天命反転地」の写真資料集。美術家・荒川修作と詩人マドリン・ギンズが構想した〈生死の境界を問い直す〉実験的プロジェクトを実空間として実現したテーマパークの全貌を、豊富な写真と図版、建築模型やプランとともに紹介する。起伏の激しい地形、知覚の揺らぎを誘う色彩、身体感覚を反転させる構造物など、〈天命反転〉の思想を具体化したランドスケープを多角的に解説している。荒川+ギンズ自身によるテキストをはじめ、建築・哲学・詩・身体論の専門家による寄稿も収録され、理念と空間の関係性を深く探る。
フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展
1979年に西武美術館で開催された展覧会「フランスのユーモアとエスプリ―サヴィニャック ポスター」の公式図録。大判カラー図版34点を収録し、親しみやすく洒脱な作風で知られるレイモン・サヴィニャックの魅力を伝える内容となっている。アラン・ヴェイユ「サヴィニャックのポスター」、亀倉雄策「サヴィニャックはフランスの文化である」、坂根進「い・き・さ・つ」といった論考も掲載。表紙デザインは田中一光が手がけている。
TRUCK WORKS 2: 97 SORTS OF FURNITURE
大阪を拠点とする家具ブランドTRUCKによるビジュアルブック第2弾。97種類の家具を収録し、カタログとしても楽しめる一冊。シンプルでありながら温もりを帯びたデザインは、使い込むほどに生活へ溶け込み、心地よい空間を育む。ページをめくるごとに現れるのは、定番の魅力を備えたロングセラーの家具、そしてTRUCKが提案する暮らしのかたち。時代に左右されない自由で穏やかなライフスタイルを提案している。
森へ行く日 | 舟越桂
彫刻家、舟越桂の作品集。木彫りの人物や、人と動物が混合したかのような異形の姿をした作品に加え、ドローイングを多数収録。その瞳は、人間というものの存在とはなにかという問いかけを鑑賞者に静かに語りかける。
Refusing Fashion: Rei Kawakubo
2008年にMOCAD(デトロイト現代美術館)で開催された展覧会「Refusing Fashion: Rei Kawakubo」にあわせて刊行された図録。川久保玲が手がけたコム デ ギャルソンの衣装作品を中心に、ランウェイの映像資料、マース・カニングハム舞踊団との共同プロジェクト「Scenario」など、多岐にわたる実践を収録している。既存のファッション観を揺さぶり、衣服・身体・空間の関係性を再構築する川久保の創造性を多角的にたどる構成で、前衛的な表現の核心に迫る内容となっている。
Flowers | Irving Penn
ファッション写真の巨匠アーヴィング・ペンが、ケシ、チューリップ、バラ、ユリ、シャクヤク、ラン、シュウカイドウという七種の花を撮り下ろした作品集。つぼみから満開、そして枯れていくまでの姿を精緻に写し取り、花がもつ生命のリズムと造形美を静かに浮かび上がらせる。色彩の深みや質感の再現性に優れた73点の図版が収録され、ペンが追い求めた写真表現の到達点を示す内容となっている。
草木染 型染の色 | 山崎青樹
日本の染色家・山崎青樹による草木染の研究資料集。日本の四季に育まれた植物をもとに生まれる多彩な色彩を、その名称や由来、染料となる草木の解説とともに紹介している。各色に対応する染布が貼り込まれ、草木染特有のやわらかな色調と素材の風合いを実際に感じ取ることができる構成。巻末には型染の技法を図版付きで解説し、自然と人の手が織りなす日本の染色文化の奥深さを伝えている。限定1600部。
李朝の美=民藝 | 岡本太郎、浜口良光、趙子庸
18〜19世紀の李朝期に花開いた朝鮮の民芸をまとめた大型資料集。素朴で温かな民具から、鮮やかな色彩と軽やかな筆致が魅力の民画までを二部構成で収録し、それぞれに岡本太郎、浜口良光、趙子庸が解説を添えている。器物、家具、布、絵画など多岐にわたる造形を大判図版で紹介し、中国や日本とは異なる独自の美意識と生活文化を視覚的に紹介。
Bruno Mathsson: Architect and Designer
スウェーデンを代表する家具デザイナー・建築家、ブルーノ・マットソンの仕事を総覧する作品集。1930年代にモダンデザインの旗手として台頭したマットソンは、身体に自然になじむ優雅な曲線と軽やかな構造を備えた椅子で知られ、その多くが半世紀以上にわたり作り続けられている。本書では代表作に加え、建築分野での実践や未発表写真、図面を豊富に掲載。フランク・ロイド=ライト、チャールズ&レイ・イームズ、ハンス・ノールといったアメリカの建築家・デザイナーとの交流や影響関係も丁寧に紐解く。
Uncommon Places: The Complete Works | Stephen Shore
ウィリアム・エグルストン、ジョエル・マイロウィッツと並び「ニュー・カラー」を代表する写真家、スティーブン・ショアの初期キャリアを総覧する決定版作品集。1970年代から80年代にかけて北米を旅しながら撮影した風景、建造物、インテリア、ポートレートを収め、アメリカの日常を映し出している。広告写真の領域にとどまっていたカラー表現を芸術の領域へと押し広げ、のちの大判カラー写真の潮流に大きな影響を与えたショアの視覚言語の源流を読み解く一冊。
Miro en Zabalaga
20世紀スペインを代表する画家ジョアン・ミロの作品を、彫刻家エドゥアルド・チリーダゆかりのチリーダ=レク美術館で紹介した一冊。二人はフランス・マエグ財団で夏を共に過ごすなかで友情を育み、生涯にわたり互いの創作を支え合った。本書では、彫刻、リトグラフ、タペストリーなど約40点を、美術館の象徴的なザバラガ邸の空間に設置された姿で収録。自然と建築が溶け合うチリーダの場に、ミロの“太陽の女”や“鳥”“幻想的な生き物”が呼応し、両者の造形世界が響き合っている。
The Noguchi Museum: A Portrait, by Tina Barney and Stephen Shore
写真家ティナ・バーニーとスティーブン・ショアが、ニューヨークのイサム・ノグチ美術館を独自の視点でとらえた写真集。カラー写真のパイオニアとして知られるショアは、彫刻を包む光の揺らぎや空間の温度、展示室に漂う静けさを丁寧に写し取り、ポートレートの名手バーニーは来館者の佇まいや視線を通して、作品と人との関係性を描き出す。ノグチ自身が設計した唯一の美術館が持つ独特の空気と、作品・建築・人が織りなすダイナミズムがふたりの写真によって鮮やかに可視化される内容。アーカイブ写真も収録され、美術館の変遷とノグチの創作世界を多角的に見つめることのできる一冊。
Flora ペーパーバック版 | Nick Knight
ヨウジヤマモトやディオールのヴィジュアルワークで知られるファッション写真家、ニック・ナイトによる植物写真集。ロンドン自然史博物館が所蔵する約600万点もの植物標本の中から、視覚的に最も魅力的な48種を3年半かけて選び撮影したもの。押し花となった標本が持つ繊細な線や色彩、時を経た質感をハイレベルな写真表現へと昇華させている。植物学者サンドラ・ナップによる各標本の解説も付され、科学的知見と美的感性が交差する構成。自然がつくる形の不思議さと、写真というメディアの可能性をともに味わえる一冊。
Olafur Eliasson: Take Your Time | オラファー・エリアソン
アイスランド出身のアーティスト、オラファー・エリアソンが光、水、鏡といった自然要素と人工物を組み合わせ、空間そのものを変容させるインスタレーションを展開した展覧会「Take Your Time」の公式図録。屋内に太陽が昇り、室内に虹が立ち上がるような体験を通して、見るものの視覚や知覚の働きを問い直すエリアソンの実践を豊富な図版で紹介する。ミラートンネルや滝、万華鏡の構造を取り入れた作品群に加え、制作背景や思想を読み解く論考も収録し、1990年代からの主要なプロジェクトを包括的にたどっている。
工藝 52号
柳宗悦らによって設立された日本民藝協会の機関誌『工藝』52号。船木道忠と森永重治を特集し、船木による陶器図版6点、森永による織物実物6点を貼り込みで収録している。さらに、バーナード・リーチ「船木と森永とのこと」、河井寛次郎「二人の場合」、濱田庄司「船木森永両君の製作態度」など、民藝運動の中心人物たちによる論考も収められている。限定800部発行。
工藝 76号
柳宗悦らにより設立された日本民藝協会の機関誌『工藝』の第76号。染色工芸家・芹沢銈介が私家版として制作した『絵本どんきほうて』を大きく取り上げ、巻頭には美しい型染のカラー図版4点とモノクロ図版6点を貼り込んで紹介している。物語世界を大胆な造形と色彩で再解釈した芹沢の創作過程をたどりながら、その独自の意匠感覚を伝える内容。加えて「日本のドン・キホーテ」「芹沢の歩み」などの論考も掲載。1000部限定発行。
工藝 102号
柳宗悦らによって設立された日本民藝協会の機関誌『工藝』の第102号。陸中国(=現在の岩手県中部〜北部あたり)の漆器を紹介する特集号として構成され、15点の貼り込み図版が貼り込まれている。吉川保全による「椀の系図」では、地域に息づく器の系譜と造形の特徴を整理し、柳宗悦の「淨法寺のお碗市」では、産地の暮らしや職人の手仕事に寄り添った考察が綴られる。装丁は鈴木繁男。限定1000部発行。
Edges Angles Lines Curves / Works on Paper | Donald Judd, Arnulf Rainer
2018年10月にアルヌルフ・ライナー美術館で開催された展覧会「Sarah Pichlkostner, Saskia Noor Van Imhoff, Donald Judd, Arnulf Rainer: Edges Angles Lines Curves」に伴い刊行された作品集。ドナルド・ジャッドとアルヌルフ・ライナーという二人の作家が、版画という表現形式に挑み続け、自身の芸術を体現する新たな道筋を模索する姿を収めている。抽象と実験の緊張感が交差する構成は、濃密な対話のように響き合う。ジャッドにとっては『Print and Works in Editions』以来となる版画集である点も注目される。
僕の夜 ロベール・クートラス作品集
パリの画家ロベール・クートラスが生涯にわたり描き続けた、小さなカード画〈カルト(carte)〉を収めた作品集。靴箱の切れ端やポスターの裏紙といった身近な素材に、黒や藍を重ねた深い下地を施し、その上に人物や動物、記憶の断片を静かに浮かべた「僕の夜(Mes Nuits)」シリーズから選りすぐりの作例を掲載している。小さな絵画の連なりが、クートラスの内的風景と制作の精神性を静かに映し出している。
Lee Ufan
「もの派」を牽引し、半世紀にわたり国際的に活動を続ける美術家・李禹煥の展示を収めた一冊。2014年にカイカイキキギャラリーで開催された個展を記録した図録で、石、砂、鉄、キャンバスといった素材に最小限の働きかけを行い、空間との関係性によって立ち上がるインスタレーション作品を紹介する。床面に描かれた絵画の周囲に砂利を敷き詰めた新作の構成や、制作プロセスを伝える写真が豊富に掲載され、作品が成立する「場」の在り方に迫る内容となっている。さらに、会期中のアーティストトークを基にしたテキスト「芸術とともに生きる」を収録し、もの派誕生当時の背景や、李が追い続けてきた思考の核心が丁寧に語られる。
Berlin | Jordi Bernado、Ramon Prat
写真家ジョルディ・ベルナドーとラモン・プラットによる1993年の撮影をもとにした写真集。都市改造の途上にあったベルリンの街並みを記録し、変貌のただなかにあった風景を写し出している。一瞬を切り取った写真群は、いまは存在しないが記憶の中で生き続けるベルリンの姿を提示し、都市と時間の関係を静かに浮かび上がらせている。
Alexander Girard Designs for Herman Miller
アメリカを代表するデザイナー、アレクサンダー・ジラードがハーマンミラー社のために手がけたテキスタイルを紹介する作品集。1950〜60年代に展開されたイームズやジョージ・ネルソンの家具を彩る独創的な布地をはじめ、鮮やかな色彩と幾何学的なパターンによる400点以上の図版を収録。家具シリーズ〈Girard Group〉や〈Environmental Enrichment Panels〉なども掲載し、建築・インテリア・グラフィックを横断したジラードのデザイン思想を包括的に伝えている。
The Work of Charles and Ray Eames | Donald Albrecht
アメリカのデザイン史を語るうえで欠かせないチャールズ&レイ・イームズ夫妻の活動を紹介する展覧会図録。代表作であるイームズチェアを中心に、家具、プロトタイプ、実験的な造形、企業との共同プロジェクトなど、多岐にわたる実践を丹念に収録している。夫妻が暮らしたイームズ邸の写真や、これまでの展覧会資料、関連書籍に加え、科学への関心や映像・教育プログラムなど、ジャンル横断的な活動を読み解くエッセイも収録され、20世紀アメリカの文化的背景とともにイームズの仕事を捉え直す内容。
Steel & Style: The Story of Alessi Household Ware
1921年に金属加工の工房として創業したイタリアの〈アレッシィ〉が、いかにして工業製品に詩と遊び心を吹き込むデザインブランドへと変貌したかを多面的に読み解く一冊。ステンレスを中心とした金属製ウェアをはじめ、機能性と造形性を併せ持つ家庭用品の数々が、豊富な図版とともに紹介されている。デザイナーとの対話や試作段階のスケッチ、開発過程の記録を通じて、同社が目指した「中産階級のための新しい工業デザイン」の思想が浮かび上がる。プロダクトと哲学の双方からアレッシィの本質に迫る資料集。英語表記。
The Graphic Language of Neville Brody ペーパーバック版
1980〜90年代のグラフィックデザイン史に大きな転換をもたらした、ネヴィル・ブロディ初期のタイポグラフィを体系的にまとめた作品集。レコードジャケットのデザインからキャリアをスタートし、英国インディペンデント音楽シーンに影響を与えたブロディは、その後『The Face』や『Arena』のアートディレクションを通して雑誌というメディアの表現を刷新した。本書には450点以上の図版が収録され、アナログからデジタルへと移行する時代における表現の可能性と、独自の書体設計へと発展するブロディの思考の軌跡が読み取れる。
Altars | Robert Mapplethorpe
アメリカの写真家ロバート・メイプルソープによる大判作品集。初期のコラージュやポラロイド、カラー写真から晩年の額装作品までを通して、彼のもうひとつの創作軸を掘り下げる内容となっている。複数のカラーパネルの上に写真を配置した構成は、題名のとおり“祭壇”を思わせ、モノクロ写真のイメージが強いメイプルソープ像に新たな視点をもたらしている。
Japan’s Modern Divide: The Photographs of Hiroshi Hamaya and Kansuke Yamamoto
ドキュメンタリー写真の濱谷浩と、シュルレアリスムの影響を受けた前衛写真家・山本悍右という、まったく異なる軌跡を歩んだ二人を対照的に取り上げた一冊。濱谷は戦前から戦後にかけて、日本各地の伝統的な暮らしや文化、政治運動、さらには海外の風景まで幅広く記録し、社会の変化を丹念に捉えた。一方の山本は、マン・レイやマグリットに刺激を受け、コラージュや絵画的手法を取り入れた独自の超現実主義的世界を展開している。1930年代以降、日本写真がドキュメントと実験の両方向へ大きく分岐した動きを、二人の代表作を通して明解に示し、モダン・フォトグラフィーの多様な発展を読み解く視点を与えてくれる。
Robert Frank: Moving Out | ロバート・フランク
アメリカを代表する現代写真家、ロバート・フランクの回顧展「Moving Out」に合わせて刊行されたカタログ。初期作から1990年代前半までの作品を年代順に収録し、彼の代表作であるストリートフォトを通して、時代の空気や社会の断片を生々しく伝える。『The Americans』以降も続いた鋭い視線と詩的感性が、都市の風景や人々の表情に刻まれている。巻末には展覧会歴や年譜を掲載し、その活動の軌跡を包括的に辿る内容となっている。英語表記。
Small Works | Simon Conder
イギリスの建築家サイモン・コンドルが過去20年間に手がけたプロジェクトを、時系列に沿って写真のみで構成した作品集。住宅から公共施設まで幅広い建築を収録しつつ、テキストや解説をあえて排することで、素材の質感や光の移ろい、周囲の自然との関係性がダイレクトに伝わる構成になっている。小さな規模の建築を大切にし、家具製作の経験や職人との密な協働から生まれる丁寧な造形が随所に表れる。限られた予算や特定の敷地条件に真摯に向き合いながら、それぞれの場所にふさわしい建築を生み出してきたコンドルの思考と実践を映し出す一冊。
坪庭 | 谷口吉郎、梶浦逸外
京都の町家や数寄屋建築に見られる、小さな空間に自然の気配を凝縮した「坪庭」を体系的に紹介する写真資料集。東海庵、吉兆、重盛邸など、住宅・料亭・寺院に設けられた名庭を幅広く取り上げ、石組、苔、灯籠、植栽といった要素が、限られた奥行きの中でどのように配置されているのかを丁寧に記録している。図面や関連資料も充実しており、建築空間における光の扱いから視線の誘導まで、坪庭が織りなす設計思想を読み解くことができる一冊。
深澤直人のアトリエ
プロダクトデザイナー深澤直人が、自身のアトリエ兼住居について語った一冊。建築の構想や空間づくりの背景、日々の暮らしの様子を交え、丁寧な言葉で綴られたエッセイと豊富な写真で構成。デザインと生活が自然に溶け合う環境を通して、深澤の創作の源泉に迫る。
アイデア No.368 日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン
デザイン誌『アイデア』第368号(2014年12月号)。巻頭特集「日本オルタナ精神譜 1970–1994 否定形のブックデザイン」は、『日本オルタナ出版史』三部作の完結篇として、戦後日本の出版における精神史を「社内装丁・編集装丁」を通して辿っている。詩と翻訳という領域に焦点を当て、印刷・活字・編集の下部構造に潜む思想的運動を検証。書物が物質性を失い、データ化していく時代のなかで、「文学」がいかにして形を保ち得るのかという根源的な問いを投げかけている。