Cardboard Landscapes | Luigi Ghirri
イタリアの写真家、ルイジ・ギッリによる作品集。1970年代にヨーロッパを旅しながら制作されたシリーズで、印刷物のイメージそのものを被写体とし、写真や広告を組み合わせて構成している。日常的でありふれた風景や図像を「感傷的な地理」として捉え直す視点は、地域性や個人的記憶、大衆文化を重ね合わせた詩的な物語へと展開。ギッリの写真表現の幅と、メディアそのものへの省察を示す内容となっている。
Duffy: In His Own Words | Chris Duffy
1960〜70年代のイギリスを代表するファッション写真家、ブライアン・ダフィの言葉と作品を通して、その軌跡をたどる一冊。『Vogue』や『ELLE』をはじめとする主要誌で活躍し、ジーン・シュリンプトン、マイケル・ケイン、ニーナ・シモン、ジョン・レノン、ポール・マッカートニーなど、時代を象徴する人物を数多く撮影。なかでもデヴィッド・ボウイ『Aladdin Sane』のアルバムカバーは、写真史に残る代表作として知られる。伝説的写真家ダフィの創作と人生を、本人の言葉で振り返る貴重な記録。
LONDON: Chasing the Dream | ハービー・山口
写真家、ハービー・山口が長年にわたり撮りためたロンドンの写真をまとめた作品集。1970〜80年代のパンクやニュー・ウェーブの音楽シーン、街角の風景、日常を生きる人々の素顔を、温かみのあるスナップ写真で捉えている。ジョー・ストラマーやボーイ・ジョージ、U2の若きメンバー、ヴィヴィアン・ウエストウッドなども登場し、ロンドンという都市の文化と息づかいをリアルに伝える。写真とテキストを通じて、夢を追い求めた若き日の体験や都市の魅力を映し出してくれる一冊。
LONDON: After the Dream | ハービー山口
写真家、ハービー・山口の作品集。1970年代から80年代にかけて主にイギリス、ロンドンで撮影された作品群を収録。老若男女様々な人々のポートレートのほか、ボーイ・ジョージ、デビット・シルビアン、ジョニー・ライドン、バナナラマらミュージシャンたちの飾らない姿をとらえた写真の数々を収録。
New York Beat: Jean-Michel Basquiat in Downtown 81
当時まだ無名だった若きジャン=ミシェル・バスキアが主演した映画『Downtown 81』の制作現場と、当時のアート/音楽/ストリート文化を記録した貴重なビジュアルブック。1980年台初頭のニューヨーク・ダウンタウンを舞台に、エド・ベルトグリオやマリポールによる写真が、バスキアの素顔や街の空気感を生き生きと切り取る。グレン・オブライエンのテキストとともに、80年代初頭のアンダーグラウンド・シーンの熱気と創造性を伝える、記録性と美術的価値を兼ね備えた一冊。
Ailleurs 1969-1992 | 稲越功一
写真家・稲越功一の1969年から1992年までの作品を収めた大判写真集。フランスの出版社Contrejourより刊行された本書は、風景や人物、街角の一瞬など、多様なモチーフを通して「別の場所」を巡るかのような記憶と感覚の断片をモノクロ図版で写し出す。旅や日常の視点を独自の美学で捉え、写真の静謐な世界を体感できる。作家・村上春樹と評論家・ガブリエル・ボーレによるテキストも収録され、単なる作品集を超えて稲越の作家性を深く理解できる内容。
Neverland Lost: Une Portrait de Michael Jackson | Henry Leutwyler
スイスの写真家、ヘンリー・ルートワイラーによる写真集。マイケル・ジャクソンが築いた夢の施設「ネバーランド」に残された品々を撮影している。ステージ衣装や靴、ハット、グローブなど象徴的な遺品コレクションを多数収録。写真はポップスターとしての華やかな表舞台を想起させると同時に、私生活の痕跡を伝えている。遺品を通じて浮かび上がるのは、ジャクソンの栄光と影を併せ持つ人生像であり、20世紀ポップカルチャーに刻まれた存在の一端を示している。
Martin Parr | Sandra S. Phillips
アートとドキュメンタリー写真のあいだを行き来する独自の表現で知られているイギリスの写真家、マーティン・パーの活動を紹介するモノグラフ。初期のモノクロ作品から、『The Last Resort』『Think of England』といった代表作までを収録し、その仕事の広がりを見渡すことができる。世界各地の大衆文化に目を向けた鋭くユーモラスな観察眼と鮮烈な色彩表現によって、現代社会の姿を浮き彫りにしたパーの活動を知るための入門的な一冊。
ヴィンセント・ギャロ レトロスペクティヴ 1977-2002
2002年に原美術館で開催された展覧会に際して刊行された作品集。映画監督や俳優だけでなく、画家・写真家としても活動する多才なアーティスト、ヴィンセント・ギャロの1977年から2002年までのペインティング、ドローイング、写真作品をカード14枚で収録。江國香織によるテキストも添えられ、単なるカタログを超えて、アート・オブジェとしての魅力を持つ構成となっている。ギャロの多面的な創作世界を視覚的に体験できる貴重な一冊。
In Almost Every Picture #7 | Erik Kessels、Joep Eijkens
キュレーターのエリック・ケッセルスとヨープ・エイケンスによる写真集。オランダの女性、リア・ファン・ダイクが、1936年から80年以上にわたり縁日の射的に挑戦し、そのたびに撮影された記念写真をまとめている。射的に成功した瞬間を写した写真を、リアは一枚残らず保管してきた。本書はその膨大な写真群を通して、個人の習慣が時間の蓄積によって物語へと変わっていく様子をあらわしている。
アール・ヴィヴァン 14号 ボイス 1984.5.29―6.5
アール・ヴィヴァン14号ボイス特集。1984年ヨーゼフ・ボイスの来日から滞在一週間を追ったドキュメント。記者会見から講演、パフォーマンス、対談、そして帰国までを記録。ADは戸田ツトム、表紙デザインは田中一光と木下勝弘が手がけたもの。ボイスとナムジュン・パイクによるコンサート・パフォーマンスを完全収録したカセットテープも付属。
sleep | ホンマタカシ
1996年にタカ・イシイギャラリーで開催された展覧会に際して刊行された作品集。写真家・ホンマタカシによる日常の何気ない瞬間を切り取った作品群を収録。公園や街角、店舗や夏の空など、多様な風景を通して、タイトル「sleep」が示すような、静かでぼんやりとした休息や静寂の感覚を表現。全13ページの小冊子ながら、ホンマ独自の観察眼と日常への視線が凝縮され、都市や日常の視覚的面白さを提示する初期作品の重要な一冊となっている。
Jean-Michel Basquiat
1997年に開催された、アメリカの画家・ジャン=ミシェル・バスキアの展覧会の図録。1992年にホイットニー美術館で開催されたバスキア回顧展のキュレーター、リチャード・D・マーシャルの監修によって集められた代表的な作品群をカラーで多数掲載。美術家、日比野克彦によるテキストも合わせて収録。
Mexican Blackletter
ブラックレター書体が12世紀末頃にヨーロッパで誕生し、新大陸メキシコへと渡ったのち、土着の文化や生活と結びつきながら独自の表情を獲得していく過程を記録した資料集。靴屋や診療所、商店の看板をはじめ、タトゥーや車両装飾にいたるまで、街角に息づく手描き文字を豊富なカラー図版で紹介する。書体の歴史的背景と視覚的魅力を丁寧に読み解き、単なるタイポグラフィの枠を超えて、現代メキシコの文化や人々の感性に迫る一冊。
International Signal Code Alphabet | Corita Kent
アメリカの芸術家であり教育者、カトリック修道女でもあったコリータ・ケントによるシルクスクリーン作品集。1968年に制作された「International Signal Code Alphabet」は、聖書の言葉やタイポグラフィ、イメージ、宗教的アイコン、国際信号旗を組み合わせた全26点から構成されている。鮮烈な色彩と大胆なレタリングは、社会や信仰への問いを視覚的に投げかけるもの。教育と芸術、精神性が交差するケント独自の表現を通して、メッセージとしてのグラフィックの力をあらためて感じさせる内容となっている。
万祝 黒潮が育てた漁民芸術の華 | 仁科又亮
房総を中心に受け継がれてきた漁民の晴着「万祝(まいわい)」を紹介する写真資料集。藍の地に極彩色の図柄を染め上げた意匠や、制作背景にある風俗・歴史を豊富な写真とともに収録する。漁の成功や大漁を祝う晴れ着として発展した万祝の造形美を通して、日本の海と人の営みが育んだ独自の美意識を伝える内容となっている。限定1480部発行。
裏千家今日庵 重要文化財
重要文化財に指定された裏千家今日庵の茶室群を網羅的に紹介する一冊。茶室内部や廊下、坪庭、檜の間などを詳細な図版とともに収録し、建築空間の構成や意匠を丁寧に伝えている。光と影が織りなす静けさや、四季の移ろいに重ねられた日本文化の美意識が写し出され、茶の湯の精神を支える空間の特質を理解する手がかりとなる。豊富なカラー・モノクロ図版と解説を通じて、その美学を照らし出している。
更紗の時代 Ages of Sarasa
2014年に福岡市美術館で開催された展覧会の図録。木綿布「更紗」が、インドで生まれてから世界各地へ広まり、約500年にわたって受け継がれてきた歴史をたどる。インド更紗を起点に、ヨーロッパのプリント更紗、日本の和更紗など、地域ごとに発展した多様な表現を豊富なカラー図版とともに紹介。更紗が交易を通じて人々を結び、新たな美意識を生み出してきた過程をわかりやすく解説している。
柚木沙弥郎 life·LIFE(アルファベット柄)
2021年に開催された染色家・柚木沙弥郎の展覧会にあわせて刊行された作品集。1969年から2020年に制作された作品を、写真家・平野太呂が撮り下ろし、全図と断ち落とし原寸大の布を12の片観音に大胆にレイアウトする。加えて代表的な染色作品や絵本原画、紙粘土と布で作られたユーモラスな人形を大判で掲載。インタビュー「心を形で残す」も収録。
Modern Alchemy | Viviane Sassen & Emanuele Coccia
オランダの写真家ヴィヴィアン・サッセンと、イタリアの哲学者エマヌエーレ・コッチャによる共同制作によって生まれた作品集。サッセンは自然の形態や光の変化をとらえた約80点の写真を収録し、コッチャはあらゆる生命の知覚と連関をめぐる哲学的エッセイを寄せている。写真と言葉のあいだに交わされる静かな対話を通して、アートと自然の関係を新たな感性で探る構成となっている。
Departure | 柳本浩市
デザインディレクター、柳本浩市が収集した世界各国の航空関連アイテムを豊富なカラー図版で紹介するビジュアル・コレクションブック。搭乗券やラゲッジタグ、機内食パッケージ、ステッカーなど、旅にまつわるさまざまなデザインを収録。単なる収集にとどまらず、日常に潜むデザインや文化を再編集し、旅の空気や時間の流れまでも視覚的に表現。文章は最小限に抑え、アイテムそのものの魅力を際立たせる構成で、柳本の独自の視点とコレクション力が光る。
The Fiction of Science | Frank Hulsbomer
写真家フランク・ヒュルスベーマーによる作品集。モホイ=ナジを思わせる抽象写真の系譜に連なる表現で、静止したオブジェクトを幾何学的かつミニマルに捉えている。思考のスケッチのようなイメージから精密に構成された写真まで、その多くはCGのような質感を帯びながら、写真ならではの奥行きと詩的な余韻を湛えている。科学的な正確さと想像力が交差する視覚世界を体感できる1冊。
視覚の裏側展 IRONY BY VISION
1991年にワタリウム美術館で開催された展覧会に際して刊行された図録。「視覚表現とその裏側に潜むアイロニー」をテーマに、ルネ・マグリットやマルセル・ブロータース、パナマレンコ、ヤン・ファーブルらの作品群を解説のテキストとともに紹介。ほとんどの作品図版が貼り込みで収録されており、凝った装丁も特徴的な一冊。
American Mood | Robert Farber
ニューヨークを拠点に活動する写真家ロバート・ファーバーの作品集。輪郭を淡くぼかし、やわらかなタッチで被写体をとらえる独自のスタイルで知られ、人々を魅了してきた。カラーとモノクロで構成された写真には、都市の空気感や人物の表情が繊細に刻まれている。ファーバーが探求してきたアメリカ的な情緒と感覚を視覚化し、写真表現の幅広さを示している。
タマラ・ド・レンピッカ
20世紀アール・デコを代表する画家、タマラ・ド・レンピッカの生涯と作品を紹介する作品集。硬質で洗練された肖像画によって1920〜30年代のパリ社交界を魅了した彼女の画業を、時代背景とともにわかりやすく解説。大胆な構図と官能性を併せ持つ独自の表現、その美術史的意義を豊富な図版とともに読み解いていく。
Reinheit | Anne Morgenstern
ドイツの写真家アンネ・モルゲンステルンによる作品集。ポートレート、静物、風景を交えながら、感情や土地との距離感を示唆的に描いている。本書は途中で天地が反転する造本が特徴で、読者は本をひっくり返しながら読み進める構成となっている。モルゲンステルンが東西ドイツ統一後に移り住んだバイエルンという「第二の故郷」を背景に、純粋さや真正性への欲求と、日常の凡庸さが交差する瞬間を静かにすくい取った一冊。
異色の芸術家兄弟 橋本平八と北園克衛展
2011年に世田谷美術館と三重県立美術館を巡回した展覧会の公式図録。彫刻家・画家として活動した兄・橋本平八と、前衛詩人として国際的にも知られる弟・北園克衛という、対照的な表現を持つ兄弟の創作世界を紹介している。橋本の彫刻・絵画、北園の詩、写真、ブックデザインを多数のカラー図版で収録するとともに、近年発見・整理された資料をもとに、両者の創作の背景や兄弟間の交流にも光を当てている。伝統と前衛という異なる方向性を持ちながら、互いに影響し合い形成された二人の芸術世界をあらためて捉え直す。
知られざる ル・コルビュジエ展
1991年に開催された、「知られざる ル・コルビュジエ展」の図録。建築家として名声を得る前に、画家として活動していたル・コルビュジェのペインティング作品を多数収録。建築作品以上に情熱的で官能的で柔軟な氏の造形を見ることができる。
Absolute Elsewhere | Jun Kawabata
写真家、作曲家、映像制作など多彩な活動で知られる川端潤による作品集。旅と日常の断片を切り取ったスナップを中心に構成され、ヨーロッパの片田舎や地下鉄、通りの人々、バーやジャンクヤード、年明けの花火など、ありふれた光景を独自の視点で捉え、映画を観ているような詩情と記憶の感覚を呼び起こす。写真図版は1枚ずつページに貼り込まれ、フォトアルバムのような1冊に仕上がっている。
Mid-Century Modern: Furniture of The 1950s
1950年代に隆盛を迎えたミッドセンチュリーデザインの家具を紹介する作品集。イームズ夫妻、アルヴァ・アアルト、アルネ・ヤコブセンらが手がけた、流麗な曲線美が特徴のテーブルやチェア、ランプ、時計などをカラー・モノクロ写真で掲載する。当時のデザイン哲学と造形美を通じて、時代を象徴するインテリアの魅力を伝えている。英語表記。
アイデア No.140 第55回アートディレクターズ・クラブ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.140(1977年1月号)。巻頭では、国際的な広告・デザイン賞である「第55回アートディレクターズ・クラブ第15回コピークラブ主催1976年度ザ・ワン・ショー展」を特集。受賞作品や審査員インタビュー、展示解説などを豊富な図版とともに収録。そのほか、「チェコ,ブルノーに於ける第7回グラフィック・デザイン展」や福田繁雄による「シャマイエフのポスター」などを収録。
アイデア No.139 西海岸のユニークな日系デザイナー、ブライアン・ハギワラ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.139(1976年発行)は、西海岸で活動する日系デザイナー、ブライアン・ハギワラを特集。五十嵐威暢による論考をはじめ、アメリカやアジア各地で活躍するデザイナーやイラストレーターの仕事を幅広く掲載。マシュー・フィンチ・アソシエーツ、アラン・チャン・ヨーキン、リック・ランバートらの作品紹介に加え、ポール・ランドを純粋にアメリカが生んだ芸術家として位置づける亀倉雄策のテキストも収録。
アイデア No.138 ハーブ・ルバーリンとアッパ&ロー・ケース誌
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.138(1976年9月号)。タイポグラフィ界の重要人物であるハーブ・ルバリンと、彼が深く関わったタブロイド紙『U&lc(Upper & Lower Case)』を特集。ルバリン本人へのインタビューを中心に、実験的で自由なタイポグラフィ表現や編集思想を紹介している。そのほか、日本パッケージデザイン協会展のレポートや、九州のグラフィックデザイン特集、海外デザイナーの仕事紹介なども収録。
Tokyo Fiber’07 Senseware
2007年に東京とパリで開催された「TOKYO FIBER」展の記録集。参加クリエイターには祖父江慎、深澤直人、佐藤卓、隈研吾らが名を連ねる。繊維を単なる素材としてではなく、感性や思考を刺激する「メディア」として捉え直し、ファッションにとどまらない新しいデザインの可能性を提示。展示風景や作品図版を豊富に収録し、日本のテクノロジーと創造性が交差する現場を伝えている。
倉俣史朗 SHIRO KURAMATA 1967-1987
日本を代表するインテリアデザイナー、倉俣史朗の活動を総覧する作品集。1967年から1987年までの約20年間に制作された家具、空間デザイン、インスタレーションを中心に、写真、図面、スケッチなどの豊富な資料を通して紹介している。磯崎新とエットレ・ソットサスによるテキストも収録。日本のデザイン史のみならず、20世紀後半の国際的デザイン潮流の中で倉俣史朗の仕事を捉え直すための重要な一冊。
Intermission 1 | Hedi Slimane
ファッションデザイナーであり写真家であるエディ・スリマンの作品集。ホテルのカーテンを主な被写体とし、場所や部屋が変わりながらも同じモチーフが繰り返され、光や布の質感、色のわずかな違いが静かに浮かび上がる。また、本書は造本そのものが体験の一部となっている。ページにはビニール加工が施され、めくるたびに貼り付いた紙を剥がす必要があり、読む速度が自然と遅くなる。その手触りが「一時的な滞在」や「間(インターミッション)」というテーマを身体的に感じさせる構成となっている。
The Art of Letters | Kris Sowersby
世界的な書体デザイナー、クリス・ソワーズビーの仕事を、文字そのものに焦点を当てて紹介する大判作品集。約800ページにわたり、アルファベット一文字一文字を「読むための機能」ではなく、独立した造形として捉えている。Calibre、Domaine、Founders Grotesk、Signifierなど、Klim Type Foundryの書体から選ばれた750点以上の文字を、1ページに1字ずつ収録。微細な形の違いや構造の工夫から、書体設計における理論と感覚の積み重ねが浮かび上がる。
文字の祝祭 | 杉浦康平
写真植字機研究所設立70年を記念して刊行されたビジュアルブック。1986年から1995年にかけて制作された「文字の生態圏」カレンダーのうち、アジアの文字をテーマにした8年分を再構成し、アジアの伝統文化において、文字がどのような意味や役割を担ってきたのかを読み解いている。企画・構成はグラフィックデザイナーの杉浦康平。漢字の成り立ちや変遷、人々が文字に託してきた祈りや思想について、松岡正剛、武田雅哉がそれぞれの視点から解説している。
New Utilitarian: Systematic Approaches to Aesthetics and Design
流行に左右されない普遍的な美意識や技法が、現代のテクノロジーによってどのように更新されているのかを探るデザイン資料集。過去の表現や思想を参照しながら、データ時代にふさわしい実用性と美しさを併せ持つビジュアルを生み出す、世界各地のクリエイターの取り組みを紹介。ノスタルジーと革新が交差する表現を通して、「未来のクラシック」となりうるデザインの可能性を模索している。
The Graphic Language of Neville Brody 3
グラフィックデザイナー、ネヴィル・ブロディのアートワーク集。資生堂やコカ・コーラ、ナイキなどの世界各国のクライアントとともに、大胆かつ洗練されたデザインを数多く発表してきたブロディの各プロジェクトを詳しく紹介。主要ブランドから雑誌の特集まで、6つの章にわたってブロディの最近の活動を特徴づける作品を掲載。彼の約30年間に及ぶ活気あるデザインプロジェクトを集めた貴重な資料となっている。 英語表記。
Exquisite Errors: DMCO-I | Barry van der Rijt
デジタル映像に起こる「コーデック・エラー」に焦点を当てた作品集。圧縮や再生の過程で生じるノイズやズレ、画面の崩れといった一瞬の異常を、あえて切り取って収集し、「Codec Order」という独自の視点で分類。極端にピクセル化された画面や、色が破綻したイメージが並び、デジタル技術の裏側に潜む不完全さを可視化している。制御されたシステムの中に現れる偶然性や美しさを、冷静な観察眼で捉えた一冊。
photocopy | 伊丹豪
写真家・伊丹豪による実験的な作品集。写真の並びが物語や意図を生まないよう、全1000部それぞれで写真の順序を変えて制作されており、同じ表紙を持ちながら一冊ごとに異なる構成となっている。本書では、写真を「読む」対象ではなく、ただ一枚ずつ見ることに集中する体験を重視。見開きではなく単写真で構成され、ページは左上からめくる仕様となっている。写真に意味や文脈を与えるのではなく、目の前にある視覚要素そのものと向き合うための写真集。
SONAR No.1
リソグラフ印刷をアート表現の技法として体系化した実用性と実験性を兼ね備えた資料集。全ページをリソグラフ印刷で構成し、全11色のドラムによるリソグラフのカラーチャート、重なりによる発色、版ズレやムラといった特性を視覚的に確認できる。株式会社竹尾協力のもと、用紙との相性検証や多彩な紙サンプルも収録。様々な業界のアーティストや学生の実験的作品、制作データ、技法解説を収録し、創作の指針となる内容にまとめられている。限定500部刊行。
Latent Figures | Jannis Maroscheck
AIを用いた造形表現を探る、ヤニス・マロシェックの作品集。古代の記号や紋章、クリップアート、ロゴなど、人類が生み出してきた視覚要素をもとに、意味を持たない「形そのもの」として再構成されたイメージを収録している。どこか見覚えがありながら、はっきりとは意味をなさないイメージ群が並び、見る者の想像力を静かに刺激する。グラフィックデザインと抽象表現のあいだを行き来する、視覚辞典のような作品集。