Alvar Aalto: COSMIT ’98
1998年にCOSMIT(イタリア・ミラノで開催される世界的家具見本市「サローネ・デル・モービレ」を運営する公式組織)主催の展覧会にあわせて刊行されたカタログ。フィンランドが生んだ巨匠、アルヴァ・アアルトによるプロダクトや建築作品を、モノクロ図版で豊富に収録。スケッチや図面などの貴重な資料も掲載され、アアルトの創作の軌跡を丁寧に辿ることができる一冊。
Dominique Perrault
フランスの建築家、ドミニク・ペローによる作品集。代表作であるフランス国立図書館をはじめ、オリンピック自転車競技場やオリンピックプールなど、主要プロジェクトを豊富な図版とともに収録している。建築を都市や自然との関係の中でとらえ、素材や光を用いて環境と呼応する空間を生み出すペローの理念を体系的に紹介。
花 | 楠目ちづ、大倉舜二
華道家・楠目ちづと写真家・大倉舜二による作品集。楠目の生け花は、季節ごとの花の美しさや姿、生命の力を繊細に表現し、大倉の写真がその魅力を視覚的に豊かに捉えている。大型判型の紙面には精緻な写真が並び、花の造形美や色彩の豊かさを余すところなく伝えている。巻末には草森紳一による寄稿も収録。
茶室 | 林忠彦
写真家・林忠彦が日本の茶室を撮影した写真集。国宝に指定された「待庵」「如庵」をはじめ、重要文化財の茶室や三千家の名席、美術館に設けられた茶室までを5章に分けて紹介している。侘び寂びの美意識が調和した静謐な空間を大判カラー図版で収録し、併せて解説も掲載。さらに写真付録や撮影データをまとめた小冊子が付属し、茶室建築と日本文化の精髄を視覚的に伝えている。
Textiles of India | Helmut Neumann、Heidi Neumann
世界有数のインド・テキスタイルコレクションをもとに、インド各地で何世紀にもわたり受け継がれてきた芸術的な布の生産を紹介するビジュアル資料集。地域ごとの織物の伝統、パターン、技法を解説し、グジャラート州のパトラ・シルク、チベット寺院に伝わる錦織のランパ、インドネシアの媒染レジスト染めコットン、ベンガル地方の刺繍、ムルシダーバードのシルクサリーなど、多彩な作品を細部まで掲載している。英語表記。
茶裂 | 山野政雄
茶道具に用いられる裂地を体系的にまとめた資料集。袱紗、茶入仕覆、表具裂を軸に構成し、各裂地の名称や由来、文様、技法についての解説を添えている。茶の湯の実践の中で培われてきた織物の役割に着目し、歴史的背景と美意識の関係を丁寧に紐解いている。
50 TABLES: Innovations in Design and Materials
テーブルデザインの多様な試みを集成したビジュアルブック。高度に設計された複雑なモデルから、実用的で簡素なものまで幅広く収録し、伸長・折りたたみ・分解など独自の機能を備えた例も紹介している。数百点のカラー写真を中心に、文章は最小限に抑えた構成で、北米、南米、ヨーロッパ、オーストラリア、日本の作品をグラフィックコードで整理。
50 LIGHTS: Innovations in Design and Materials
電気照明デザインの発想と素材の可能性に焦点を当てたビジュアルブック。紙、プラスチック、金属、木材、フォーム、海藻など多様な素材を用いた50点の照明器具を取り上げ、構想から製品化までの過程を追っている。裸電球や配線といった最小限の要素から生まれる斬新な造形を、豊富な写真と分解図で解説し、文章は必要最小限に抑えられている。
101 Things to Learn in Art School | Kit White
アーティストで教育者のキット・ホワイトが、アートスクールで身につけるべき基礎的な考え方を101の短文で示したガイドブック。「アートは何でもありうる」「まず描くことを学ぶ」といった端的な言葉から、制作や批評との向き合い方までを簡潔に整理。各テキストには対応するドローイングが添えられ、歴史的・現代的な作品への参照を通じて内容を視覚的に補完している。
オラファー・エリアソン展 相互に繋がりあう瞬間が協和する周期
2023年から2024年にかけて麻布台ヒルズギャラリーで開催された展覧会のカタログ。現代アーティスト、オラファー・エリアソンが麻布台ヒルズの開業にあわせて制作したパブリックアートを中心に、水彩、ドローイング、立体、インスタレーションなど多様な作品を紹介している。自然現象の観察や環境への関心を基盤に、光や水、空気の変化を通して知覚と感情の関係を探るエリアソンの創作を包括的に収録。
シュテファン・バルケンホール 木の彫刻とレリーフ
ドイツの彫刻家シュテファン・バルケンホールの展示図録。2005年に国立国際美術館と東京オペラシティアートギャラリーを巡回した展覧会にあわせて刊行され、人物や動物を主題とする木彫とレリーフ約50点を収録している。一本の木から台座ごと彫り出され、素材の存在感と現代的な造形感覚が拮抗する作品群を通して、具象彫刻の新たなあり方と、木という素材との関係を問い直している。
無声時代ソビエト映画ポスター
2009年に東京国立近代美術館などで開催された「無声時代ソビエト映画ポスター」展の図録。映画とデザインという2つの前衛がタッグを組み、20世紀の新芸術の原動力となったソビエト映画ポスターで、ステンベルク兄弟、アレクサンドル・ロトチェンコらが手掛けた作品をカラーで多数収録。ロシア・ソビエト文化研究家で翻訳家の、袋一平らがもたらしたコレクションの数々を見ることができる。
宮脇愛子版画集 Aiko Miyawaki Prints 1975-1990
日本の美術家・宮脇愛子が1975年から1990年までに制作した版画作品を集めた作品集。16点の版画作品を収録し、作品ごとにタイトル、制作年、サイズなどの解説が付され、彼女の版画表現の多様性と創造の軌跡を視覚的にたどることができる。巻末には対談記事と全86点の作品リストを収録。
Joseph Beuys: The Multiples
20世紀を代表するドイツのアーティスト、ヨーゼフ・ボイスの「マルチプル」作品を網羅した決定版カタログ。1965年から1986年にかけて制作された版画や立体、ドローイングなどの作品群を、詳細な図版とテキストで紹介。作品番号1から557までを収録し、制作背景や思想、関連資料も併せて解説。ボイス自身が理念や社会的メッセージの伝達手段として重視したマルチプルの全貌を把握できる一冊。
Vergleichende Konzeptionen | August Sander, Karl Blossfeldt, Albert Renger-Patzsch, Bernd, Hilla Becher
20世紀ドイツ写真を代表するアウグスト・ザンダー、カール・ブロスフェルト、アルベルト・レンガー=パッチュ、ベルント/ヒラ・ベッヒャー夫妻の作品を並べて検証した展覧会図録。1997年にケルンで開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。人物、植物、工業構造物など異なる被写体を通して、写真における客観性や形の捉え方がどのように受け継がれてきたのかを紹介。新即物主義からコンセプト写真へと続く流れを理解する手がかりとなる、ドイツ写真史をたどるための貴重な資料となっている。
プロジェクト・ジャパン メタボリズムは語る... | レム・コールハース、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト
日本で生まれた建築運動「メタボリズム」を、建築家のレム・コールハースとキュレーターのハンス=ウルリッヒ・オブリストが膨大なインタビューをもとに再検証したドキュメンタリー。2005年から2011年にかけて、現存するメタボリズム建築家をはじめ、その師や同時代の関係者、批評家、家族に至るまで幅広い証言を収集し、運動の内側から実像に迫っている。磯崎新、菊竹清訓、槇文彦、黒川紀章、丹下憲孝らの言葉を通じて、世界的にも稀有な前衛運動としてのメタボリズムを、多声的に描き出した記録。
Braun+Design Collection: 40 Years of Braun Design 1955-1995
ドイツの電気機器メーカー・Braunのプロダクトデザインを体系的にまとめた資料集。1955年から1995年までのドイツ国内向け製品を対象に、ディーター・ラムスを中心とするデザインチームの仕事を網羅している。家電、オーディオ機器、日用品など1000点を超える製品を収録し、造形、機能、グラフィックがどのように統合されてきたかを時系列でたどる。
Ronan and Erwan Bouroullec ハードカバー版
パリを拠点に活躍する兄弟デザインユニット、ロナン&エルワン・ブルレックの初期の活動をまとめた作品集。家具、照明、ジュエリー、インテリアなど幅広い分野で展開してきた仕事を、兄弟自身の構成とデザインによって紹介している。制作風景やプロダクトの図版に加え、ロルフ・フェールバウム、ジュリオ・カッペリーニ、三宅一生らによるテキストも収録。
Sakhalin | 新田樹
写真家・新田樹が長年にわたり、ロシア・サハリン州で暮らす人々を撮影してきた初の写真集。日本統治時代に樺太と呼ばれたこの地で、祖国へ戻ることが叶わず島に生きてきた残留朝鮮・日本人の日常と風景を見つめている。2015年の個展「サハリン」、2022年の「続サハリン」を併録し、写真110点を収録。歴史の痕跡と現在の生活が折り重なる光景を通して、島に刻まれた時間と人々の記憶に向き合う視線を伝えている。
ORIGIN | 三好耕三
写真家・三好耕三の初期作品集。1972年から1982年の間に撮影された、未発表作も含む31点のモノクロ図版で構成され、三好が大型フォーマットのカメラを用いる前の「原点」となる時期の表現を収めている。素朴でありながら緻密な観察眼により、日常や風景を静謐に捉えた作品群は、後の作風の基盤を示す。700部限定刊行。
Marc Newson
2007年にガゴシアンギャラリーで開催された展覧会の公式図録。椅子やテーブル、棚など25点の限定制作作品を通して、素材と技法を大胆に横断するニューソンの革新的なデザインアプローチを紹介する。大理石やニッケルといった多様な素材を用い、継ぎ目のない単一構造で生み出される作品は、極めて高度な技術と造形美を備えている。さらに、ガゴシアンのディレクター、ルイーズ・ネリとの対談を収録し、デザインにおける芸術性と限定生産についての思考にも迫る。
Chair Anatomy: Design and Construction
椅子という身近な家具を、構造やつくり方の視点から読み解くデザイン資料集。50点以上の名作を取り上げ、部材を分解することで、パーツがどのように設計され、組み合わされているのかを紹介している。素材の違いが使い心地や印象にどう影響するのか、強度と美しさをどう両立させているのかといった点にも目を向ける。完成した姿だけでは見えにくい、構造や工夫を具体的に伝えている。
BIG: Bjarke Ingels Group Projects 2001-2010
デンマーク・コペンハーゲンを拠点とする建築集団、BIG(Bjarke Ingels Group)による作品集。「想像力を解放する建築」を理念に掲げ、住宅、オフィス、商業施設、レジャー空間など多様な要素を横断しながら、新しい都市と建築の関係を構築している。2001年から2010年にかけて手がけた40件を超えるプロジェクトを収録し、「8 House」「Expo 2010 デンマーク館」など代表作を豊富な図版とともに紹介。
Banana Republic Guide to Travel & Safari Clothing
旅や冒険を着想源とした服作りで知られるブランド、バナナ・リパブリックの創業者メル&パトリシア・ジーグラーによる、旅行とサファリ服の魅力を詰め込んだガイドブック。サファリジャケットやピスヘルメット、ブッシュベスト、カリブシャツやフィッシャーマンセーターなど、耐久性とクラシックなデザインを誇る服の歴史や着こなしを、300点以上のイラストや写真とともに紹介する。
煙と水蒸気 | 公文健太郎
写真家・公文健太郎が父から譲り受けた古いカメラを手に、2023年の1年間に撮影した写真を収めた作品集。思い通りに扱えないカメラと向き合いながら写し取られた日常や旅の風景は、時間や記憶、父との関係性を静かに映し出す。捉えどころのないイメージが連なり、見る者を個人的でありながら普遍的な感覚へと導く一冊。限定700部刊行。
Martin Parr: Kleingaertner
写真家マーティン・パーによる作品集。ドイツに根づくクラインガルテン(市民農園)文化を主題に、デュッセルドルフとクレーフェルトの複数の農園で出会った人々を撮影している。十代で家族の畑を切り盛りする少年、共同で区画を使う若い家族、サボテン栽培に情熱を注ぐ人物やトマト作りに没頭する女性など、個性豊かな姿が並ぶ。
Damien Hirst
2012年にテート・モダンで開催されたダミアン・ハーストの回顧展にあわせて刊行された図録。1960年代後半に英国美術界に登場して以来、インスタレーション、絵画、彫刻など多彩な表現を通じて、芸術と科学、大衆文化の境界に挑み続けてきたハーストの約25年にわたる制作活動を包括的に紹介する。アン・ギャラガーによる序文、ニコラス・セロタのインタビューをはじめ、複数のキュレーターや批評家による論考を収録。
A Book of Things | Jasper Morrison
プロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンが手がけてきた家具や日用品、キッチンツール、家電、公共プロダクトまで、多岐にわたるデザインをまとめた作品集。各プロジェクトには制作の背景やスケッチ、協働したメーカーや職人との関係性が添えられ、いかにして「スーパーノーマル」と称される独自の造形思想が形成されてきたかを丁寧に追っている。過度な装飾を排し、使い手の生活に静かに馴染む形を探り続けてきたモリソンの姿勢をうかがい知ることができる一冊。
Minimum | John Pawson
ミニマルな美学で知られる建築家、ジョン・ポーソンの作品集。コンパクトサイズ版。要素や細部を本質まで削ぎ落とすことで生まれる簡潔さを軸に、建築、美術、デザインの領域を横断して思考が展開される。先史時代の建築から、ル・コルビュジエ や ミース・ファン・デル・ローエ、ドナルド・ジャッド、ロバート・メイプルソープ、ビル・ブラント まで、時代と地域を超えた事例を収録。
The Absence of Two | 吉田亮人
写真家・吉田亮人が、祖母と従兄弟の日常を長年にわたり記録した写真集。宮崎県の田舎町で共に暮らす2人のささやかな時間は、互いの支えとなりながら静かに流れていく。しかし従兄弟の突然の不在が訪れ、その存在のかけがえのなさと喪失感が写真を通して浮かび上がる。日常の細部に宿る温もりと、失われた時間への思いを繊細に写し取った作品群は、観る者に深い余韻を残す。
夕張 | 風間健介
写真家・風間健介による作品集。北海道・夕張市の炭鉱町とその周辺を、モノクロ写真で継続的に記録したもの。炭鉱施設の遺構や、時間の経過が刻まれた町並みを丹念に追い、日常と歴史が折り重なる風景をとらえている。栄華と衰退を経た土地に残る人々の気配や痕跡に向き合いながら、地方都市が抱える記憶と現在の姿を静かに見つめている。
雪の刻 | 中井菜央
写真家・中井菜央が2015年から撮影を続けてきた、新潟県津南町と周辺の豪雪地帯を写した作品集。毎冬長期にわたり現地に滞在し、重く湿度を含んだ雪が形づくる風景や、雪とともに暮らす人々の姿をカラーで収録している。雪の落下や水の気配、森や地層に残る記憶など、土地が内包する時間の層に目を向けながら、現在の光景と積み重ねられてきた営みを重ね合わせていく。
Olafur Eliasson | Modern Artists Series
テート・パブリッシングによる「Modern Artists」シリーズの一冊。光、鏡、水といった素材を用い、建築や風景と結びついた空間表現を展開してきたオラファー・エリアソンの仕事を紹介している。テート・モダンのタービン・ホールで発表された「The Weather Project」をはじめ、写真、インスタレーション、屋外プロジェクト、映像、建築やデザインとの協働まで、幅広い活動を100点以上のカラー図版で収録。
Japanese Design
日本各地で活動する約20の建築・デザインスタジオによる、50以上のプロジェクトを収録したデザインブック。店舗やレストラン、住宅、オフィス、博物館などをカテゴリー別に整理し、写真と図版を中心に空間づくりの考え方を紹介。日本の社会と生活様式を映し出すプロジェクト群を通じ、伝統と現代性が融合する日本デザインの魅力を俯瞰できる一冊。
西洋美術書誌考 | 西野嘉章
美術史学者・西野嘉章による評論集。16世紀初頭からフランス革命前までの西洋美術書を対象に、著者や内容、印刷技術、造本の実態を丹念に検証している。芸術家や批評家、作家たちがどのような書物に触れ、その知がいかに流通してきたのかをたどりながら、芸術と技術の継承のあり方を読み解く。カラー図版107点を交え、「美術書」という媒体が果たしてきた役割と、書物と美術の関係を明らかにしている。
話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソア
2010年に開催された展覧会にあわせて刊行された図録。ユーリー・ノルシュテインが監督を務めた8本のアニメーション作品を軸に、妻である美術監督フランチェスカ・ヤールブソワとの共同制作の過程を紹介している。「話の話」「霧の中のハリネズミ」をはじめ、絵コンテ、原画、エスキース、マルチプレーン技法を再現したマケットなどを多数収録。切り絵と多層構造によって生み出される独自の映像空間と、記憶や経験に根ざした詩的な表現を通じて、夫妻の創作思想とアニメーション史における位置づけに迫っている。
フラーニャと私 | ユーリー・ノルシュテイン
「キツネとウサギ」「霧の中のハリネズミ」「話の話」などで知られるロシアのアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテインによる画文集。素描や油彩、写真を織り交ぜながら、作品制作にまつわる記憶や思考、叔父フラーニャとの思い出が綴られている。アニメーション表現の背後にある個人的な感情や経験に触れ、作家の内面と創作の源泉を読み解いている。
William Eggleston Portraits
アメリカの写真家、ウィリアム・エグルストンによるポートレート作品集。日常の中で出会った人々を撮影した写真を中心に構成されている。初期の「ロス・アラモス」シリーズに含まれる初のカラーフォトグラフをはじめ、長年にわたる活動から選ばれた代表作と未発表作を収録。故郷テネシーでの人物像、1970年代メンフィスの音楽シーン、アーティストや友人、家族、名の知られた人物まで、被写体は多岐にわたる。
Redheads ペーパーバック版 | Joel Meyerowitz
写真家ジョエル・マイヤーウィッツによる作品集。1978年からケープコッドで撮影された、赤毛の人物たちのポートレートをまとめている。青い背景と赤毛の色の対比が印象的で、カラー写真に向き合ってきた作家の視点が自然に伝わってくる。被写体に呼びかけながら集められた写真には、外見の共通点を超えて、それぞれの経験や時間がにじみ出ている。
東松照明と沖縄 太陽へのラブレター
2011年に沖縄県立博物館・美術館で開催された展覧会の図録。戦後日本を代表する写真家、東松照明が40年以上にわたり沖縄に向け続けた眼差しをたどる内容となっている。初期の代表的シリーズから、沖縄の風土や人々を捉えた作品群、そして2011年に撮影された最新作まで、カラー・モノクロを交えた240点を収録。沖縄の写真家たちに多大な影響を与えた東松の軌跡を展観するとともに、変わりゆく沖縄の姿を記録した貴重な記録集。
NAGA | 津田直
写真家・津田直による作品集。ミャンマー北部ザガイン管区の山岳地帯に暮らすナガ族の人々と、その土地の風土を撮影したシリーズを収録している。前作『SAMELAND』に続くフィールドワークから生まれた第二作で、密林の山道、竹で編まれた住居、入れ墨や民族衣装、儀式の場面など、生活と信仰が密接に結びついた光景が写し取られている。狩猟採集を基盤とした暮らしや、近代化とキリスト教文化の流入による変化にも目を向けながら、個と集団、過去と現在が交差する土地の記憶をたどる。
Views | Andrea Garuti
イタリア出身の写真家アンドレア・ガルーティによる作品集。ファッションや広告の分野で活動する一方、作家としては現代都市の風景に強く惹かれ、世界各地の大都市を撮影してきた。建築、看板、人の流れ、群衆と孤立した個人といった要素が重なり合う都市の表情を、粒子の荒さを残した控えめな色調でとらえている。モスクワ、香港、パリ、上海などで切り取られた場面は風景写真の枠を越え、現代都市の空気と人間の営みを鋭く映し出している。
ROMANTICO | 伊藤大輔
写真家・伊藤大輔がリオデジャネイロやメキシコシティ、キューバなどラテンアメリカの都市で撮影した作品を収めた作品集。都市の住人やボクサー、娼婦などの日常を鮮やかに切り取り、劇的で情熱的な光景をカメラに収めている。タイトルの示す「ロマンチック」な瞬間と、現実の生活のリアルな息遣いが共存する写真群は単なる記録を超え、人々の生きざまや地域の空気を伝える。
The Englishman who Posted Himself and Other Curious Objects
20世紀初頭のイギリスで活動した、風変わりな郵便愛好家W・レジナルド・ブレイの生涯を紹介する一冊。会計士として暮らすかたわら、郵便規則を読み込み、包まずに物を送る実験を重ねた。野菜や帽子、道具類から犬、さらには自分自身までを郵送した逸話を通じ、制度の枠内で遊ぶ発想と行為が描かれている。やがて彼の関心は珍品から署名収集へと移り、数千点の署名を郵送で集めた。3万件以上の郵便を通じて残した作品と収集の記録を、豊富なイラストとともに紹介。