今回はそんなYMOにまつわる書籍から、ビジュアルブックをメインにセレクトしてご紹介。
動画とともにどうぞ!
時を超えて、ここにいるよ | YMO Sealed
まずは「YMO Sealed」から。散開ライブの光景をメインに、メンバーのポートレート、バックステージ写真のほか、それぞれの幼少期のスナップ写真、未来へのメッセージなどが収録されたタイムカプセル的な写真集です。
アートディレクションはYMO関連の出版全般を手がけてきた奥村靫正。奥村氏はYMOのほか、細野晴臣のソロアルバム、はっぴいえんど、サディスティック・ミカ・バンド、ムーンライダーズなど多くのレコードジャケットも担当しています。鋤田正義とイエロー・マジック・オーケストラ
デビュー以来幾度となくフォトセッションをくり返し、深い親交をもつ写真家・鋤田正義とYMOの作品集「Yellow Magic Orchestra × SUKITA」。ライブ写真やスチールカット、貴重なオフショットのほか、巻末には鋤田氏とYMOメンバーへのインタビュー、後藤繁雄・横尾忠則・羽良多平吉らのコメントも掲載されており、見ごたえ・読みごたえのある1冊です。
近年のお三方の姿もあるのが嬉しいところ。Yellow Magic Orchestra × SUKITA
- 著者
- 鋤田正義、YMO
- 出版社
- TOKYO FM 出版
- 発行年
- 2010年
デヴィット・ボウイら名だたるミュージシャンを撮影した鋤田正義とYellow Magic Orchestraによるフォト・アーカイブ。
20世紀の音楽史のなかでももっとも劇的だったといえる、日本電子音楽の発展。シーンが成熟していく過程におけるYMOの存在とは、そして彼らが果たした役割とはどんなものだったのでしょうか。YMOを主軸としながら、電子音楽の歴史、ハードウェアや技術の変遷、同時代の音楽家の動向を追いかけるなら「電子音楽イン・ジャパン 1955~1981」と「YMOコンプレックス」をどうぞ。
YMOの時代を綴るノンフィクション。真空管、テープレコーダー、シンセサイザーと激変するハードウェアに翻弄される「20世紀の音楽芸術家」を取材した電子音楽物語。
君に、胸キュン。 | YMO BOOK:YOUNG MUZAK OZISAN
電子音楽の先駆者であると同時に、おじさんアイドルとしての顔も持つYMOの魅力が最大限に引き出されているのがこちらのムック。個人的にもお気に入りの1冊です。おじさんなのにかわいい、あざといけどかわいい、ヤング・ミュージック・おじさん=YMO。タキシードあり、パジャマありの巻頭グラビアは必見です。各アルバムのライナーノーツ、イベントレポート、YMOサウンドの作り方、3人の悩み相談室と化した座談会、高橋幸宏氏の釣りガイドなど非常にバラエティに富んだ内容。YMO BOOK: YOUNG MUZAK OZISAN
- 出版社
- 学習研究社
- 発行年
- 1983年
YMO散開の直前に発行されたムック。音楽雑誌サウンドールに掲載された記事を編纂した1冊。
どうにも胸にキュンときます。
高橋幸宏 | YUKIHIRO BOOK
現在はMETAFIVEとしても活動中の高橋幸宏氏。こちらは彼が1983年に行なったコンサートツアーにともなって発行されたパンフレット。パンフレットといっても、どうしてなのかハードカバー装です。気になる内容はフォトエッセイ、サディスティック・ミカ・バンド時代からのディスコグラフィ、ツアーメンバーからのコメント、国木田あこのロマンティックな短編小説と、盛りだくさん。ユキヒロファンのみなさまは本棚に常備したほうが良いと思います。
うーむ、男前かつお洒落!YENレーベル、始動 | YEN MAGAZINE
最後の1冊は、細野晴臣と高橋幸宏によって立ち上げられた「YENレーベル」の会報です。「YENレーベル」は立花ハジメ、ゲルニカ、テスト・パターン、インテリアをはじめとする個性的な所属アーティストたちが次々と作品を発表し、80年代テクノポップの時代を築きました。レーベル発足当時の勢いが印刷物にも反映されたのか、冊子なのに大盤振る舞いの12インチレコードサイズ。スリーブはしっかり厚紙。そしてリゾート感あふれるジャケットの写真は鋤田正義撮影(!)。内容も「名代YEN音盤本舗縁起物語」「胃炎(YEN)について」「出張ビックリハウス細微シリーズ」など、リラックスした軽快なもの。大人の遊び心が散りばめられた、この時代のプロダクトがとても好きです。
裏表紙には遠(YEN)足日記。道中も到着後もひたすら眠っている細野さん。YEN MAGAZINE
- 出版社
- YENレーベル
- 発行年
- 1982年
細野晴臣と高橋幸宏によって設立され、YMOやそのメンバーソロ作品などが発表されたYENレーベルの限定パンフレット。
世間のこと、世界のこと、老いること、祈ること、そしてよりよく生きること―。還暦を迎えた音楽家・細野晴臣が、20年来の仲間・鈴木惣一朗を聞き手に、大事なことを小声で語った人生問答。
リアルタイムに経験していなくとも、時を超えて胸にひびくなにか。きっと、真剣さと遊び心の中間地点から生まれ出るものに、いつだって心惹かれるのです。
今回の「本と音楽」は石井がお届けしました。それでは、また。











