【本と音楽】シリーズ第3弾、今回はミュージシャンの思考に触れるエッセイを中心にご紹介します。
好きなミュージシャンのエッセイを読むと、音楽とどう向き合ってきたのか?売れるまで、そして売れた後、といった姿が垣間見れて 余計好きになったりしませんか?
逆もしかり。
個人的にはエッセイを読んでから興味が湧いて曲を聴く、という流れがわりと好き。ミュージシャンのその時の心境や葛藤、さらには時代背景などを知ることで より深く入り込める気がしています。
というわけで今回は、ファンでなくても読みものとして楽しめるエッセイを7冊ご紹介したいと思います。
実録・矢沢永吉の生き様
成りあがり
- 著者
- 矢沢永吉
- 出版社
- 角川書店
- 発行年
- 1980年
”【おれは音楽をやる、スターになる!】広島から夜汽車に乗って上京した少年。--くやしさも、みじめさも、すべて吐き出し、泣いている、笑っている、叫んでいる。この一冊は矢沢永吉の歌!(糸井重里)
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ミュージシャンのエッセイといえばこの本は外せません。熱い、とにかく熱い。小気味のよい矢沢節に知らずしらずにのめり込んでしまいます。「成りあがり」という言葉に真正面から自分の欲求を素直にぶつけ、それを成し得た男の実録は、誰もが心を揺さぶられてしまうでしょう。
「自分がまず、やんなよ。色々とノーガキをたれる前に」くぅー。
「いつの時代でもやるやつはやるのよ、やらないやつはやらない。」
お時間のある方はこの昔のインタビューと現在の矢沢永吉の動画をぜひ見比べてほしいです。話している内容がまったくブレていない。若さゆえのギラつきは好き嫌いの分かれるところだと思いますが、食わず嫌いという方にこそ見てみてほしい。
「自分がまず、やんなよ。色々とノーガキをたれる前に」くぅー。
「いつの時代でもやるやつはやるのよ、やらないやつはやらない。」
お時間のある方はこの昔のインタビューと現在の矢沢永吉の動画をぜひ見比べてほしいです。話している内容がまったくブレていない。若さゆえのギラつきは好き嫌いの分かれるところだと思いますが、食わず嫌いという方にこそ見てみてほしい。
深読みしてしまう井上陽水の世界観
25才前後の若い井上陽水を知れる一冊。アフロにサングラス写真の井上陽水が抜群にカッコ良いです。
「音楽がすべてというふうにはできない」「怠惰でいたい」など、素直な気持ちで音楽と向き合う井上陽水を知ることができる一冊。 上で紹介した矢沢永吉とほぼ同時代ですが、対比した考えの違いが面白いです。詩や対談でも素直な気持ちが表現されていているのですが、そのまま受けとるべきか、裏があってのことなのか?歌詞の世界と同じような深読みができてしまう不思議な本です。
ECDの視点
ジャパニーズヒップホップの黎明期から活躍するラッパーECDの3ヶ月日記。1996年に開催された日本の伝説的ヒップホップイベント「さんぴんCAMP」主催者としても有名ですね。
彼の淡々とした日常は、読み進めていくにつれ、[もしかしてこれは自分の話なのか?」という錯覚に襲われます。ECDを通して追体験することで、自らの生活を省みるループに知らず知らずにはまってしまう一冊。生々しい日常にハッとさせられます。
旅のお供に
昨日・今日・明日
- 著者
- 曽我部恵一
- 出版社
- 筑摩書房
- 発行年
- 2009年
サニーデイ・サービス、曽我部恵一BANDなどで活躍し続けるミュージシャンの代表的エッセイ集。
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サニーデイ・サービス、曽我部恵一BANDの曽我部恵一によるエッセイ。日常のこと、旅のこと、映画のこと。徒然なるままに書かれた文章はすんなりとリラックスして読めます。特に興味を惹かれたのは、後半に収録されているライナーノーツ。紹介されているレコードは色々なジャンルをまたいでいて、わくわくします。掘り下げてみると、新しい発見がありそう。
たまというバンドの不思議
イカ天で初めて「さよなら人類」を見た時の衝撃を覚えている方も多いと思いますが、著者である竹中労もその一人。何にも属さないオリジナル「たま」の凄さを言葉で感じることのできる一冊。メンバー4人へのロングインタビューを軸に構成され、非常に興味深く読めました。夢野久作や萩原朔太郎の作品を髣髴とさせる陰鬱で幻想的な歌詞と、対照的にごく普通の若者である彼らのインタビューでの言葉。リーダーシップは誰が握っているのか?不思議なバンドです。
スターリンの思想的パンク
嫌ダッと言っても愛してやるさ!
- 著者
- 遠藤ミチロウ
- マガジンファイブ
- 発行年
- 2003年
デビュー以来、ハードな「肉声」を放ち続ける、トラベリングパンク歌手・遠藤ミチロウの「勇気と元気」でお腹いっぱいのごっつぁんです風雑炊版「超豪華愛蔵エッセイ集」。
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THE STALINのボーカルとして伝説のパフォーマンスの数々を残した遠藤ミチロウのエッセイ集。豚の臓物をぶちまけるなどの激しいパフォーマンスに目を奪われがちでしたが、その実、非常に論理的思考のもと活動していることがわかりました。単なるスタイルではなく、一貫性のある思想がパンク。
酔いどれ人生記
バーボン・ストリート・ブルース
- 著者
- 高田渡
- 筑摩書房
- 発行年
- 2008年
いぶし銀のような輝きを放ちつつ逝った、フォークシンガー高田渡の酔いどれ人生記。
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「自衛隊に入ろう」でデビューしてから40年あまり。頑固なまでに自分のスタイルを貫き続けた高田渡の生き様を味わえる一冊。仕事に疲れた夜などにゆっくりと読みすすめることをおすすめします。