サイズ、素材、造形、色彩。これほどまでに自由で、作り手の個性が現れる家具というのも珍しいかもしれません。人の身体を最もコンパクトに受け止める身近な存在という点で、使う側の嗜好も現れやすいかもしれませんね。
今回ご紹介するのは、家具のなかでもとにかく椅子が好きで好きで...そんな方におすすめしたい3冊。
まずはイタリアのデザイナー/マルティノ・ガンパーによる、100日で100脚の椅子を制作するプロジェクト『100 Chairs in 100 Days and its 100 Ways』の作品集。使い古され、寄付された椅子を使用して手がけた椅子が、1ページに1脚掲載されています。
49頁から52頁は1枚の用紙が挟み込まれている仕様になっており、こちらは展示のインビテーションを兼ねていたそうです。要注目。
そして『Piccolo Volume II』は「100 Chairs in 100 Days and its 100 Ways」の続編とも言える一冊。こちらは椅子だけでなく、様々な素材や既存の家具を組み合わせてつくられた、ユニークな家具作品が多数収められています。2冊併せてぜひ。
そして家具好きの方にぜひおすすめしたいのが、今週新入荷した『In a Cloud, in a Wall, in a Chair: Six Modernists in Mexico at Midcentury』。メキシコの芸術文化をたどる本書には、家具のデザインだけでなく、ジュエリー、写真、フォトミュラル、版画、彫刻、テキスタイルデザインなどといった作品が幅広く紹介されています。
クララ・ポルセット、ローラ・アルバレジ・ブラボー、アニ・アルバース、ルース・アサワ、シンシア・サルジェント、シーラ・ヒックスらの作品を通して、近代アートとデザインの物語におけるメキシコの重要な役割が見えてきますよ。
◯『100 Chairs in 100 Days and its 100 Ways』
◯『Piccolo Volume II』
◯『In a Cloud, in a Wall, in a Chair: Six Modernists in Mexico at Midcentury』
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