2019年に創立100周年を迎えたバウハウス。今年7月に開催予定の巡回展「きたれ、バウハウス」を心待ちにしているという方も多いかと思います。
ロンドンのバービカン・アート・ギャラリーで「Bauhaus Art as Life」が開催されたのは2012年のこと。本書はその展示に際して発行された図録です。
ちなみに表紙はリス・バイヤーかイセ・グロピウスがマルセル・ブロイヤーの〈クラブチェアB3〉に座り、オスカー・シュレンマーによるマスクを付けた作品。何度見てもすごいインパクトだな。
内容はとにかく豪華です。
ヨゼフ・アルバース、アニ・アルバース、ヴァルター・グロピウス、ヨハネス・イッテン、ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレー、モホリ=ナギ・ラースロー、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエなど、バウハウスの巨匠たちの作品が惜しみなく掲載されています。
絵画、彫刻、デザイン、建築、映像、写真、テキスタイル、陶芸、演劇、そしてインスタレーション...
バウハウスの表現主義の始まりから、第一次世界大戦後の社会を変えるために芸術と技術を融合させた作品に至るまでを網羅した本書は、まさに「バウハウスとはなんであったのか?」という問に対する解を私たちに与えてくれる一冊。
本書に使用されているFFBauという書体は、バウハウスで使用されていた活版印刷の書体・Breite Groteskを現代的にリバイバルしたものだそうですよ。バウハウスの哲学が現代にも脈々と受け継がれているという、制作陣からのメッセージのようにも感じるのです。