モダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエ。建築家、都市設計家、芸術家として多彩な才能を発揮したことで広く知られていますが、実は本の出版とブックデザインにも心血をそそいでいたことはあまり知られていません。本書「Le Corbusier, Architect of Books」はル・コルビュジエがその生涯で企画・デザインした40冊強の書籍を紹介しています。
ル・コルビュジエは1887年にスイスに生まれ、アール・ヌーヴォー影響下で建築を学び、パリに移住したことでキュビズムをはじめとする新しい芸術の潮流に触れます。様々な芸術運動が誕生し、はげしく移り変わる時代ですね。そして自身もピュリスム(純粋主義)を主張し、20世紀のデザインと芸術のために強く訴えかけるように。そんな時代背景を反映するように、ブックデザインも時を追うごとに変化します。
初期はダダイスムの影響をほのかに感じる、タイポ使いやレイアウト。
そして徐々に、「ル・コルビュジエ・スタイル」ともいえる、書き文字や抽象的なモチーフ、カラフルな配色を取り入れた伸びやかなデザインに。うーむ、素敵。
カラーで大判の書影とともに、ラフスケッチや手書きの構成案などの未公開資料も収録しています。ぜひご覧ください。