ノストスで働き始めてもうすぐ1年になるのですが、東京に引っ越してきて最初に行った展覧会が「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」でした。見応え十分の素晴らしい内容だったので「図録買っとけばよかったな〜」と後悔している、わたしと同じような思いを抱えたみなさまに朗報です。
今回ご紹介するのは、前述した展覧会の図録。
アアルトが手がけた、「パイミオのサナトリウム」「国民年金局」「ルイ・カレ邸」「アアルト夏の家」などの図面やスケッチ、写真を豊富に収録。「ヴィープリ私立図書館の、照明や採光、音響の広がり方までをも考え抜かれたスケッチは本当に興味深かったな〜」と展覧会を振り返りながら、あらためて堪能することができます。
建築のほかにも、スツール60やアームチェアをはじめとする椅子や照明、サヴォイ・ベースを含むガラス製品に加え、ドイツ写真家のアルミン・リンケが撮影したアアルト建築の美しい写真や、氏が影響を受けたジャン・アルプの作品、2人展を開催するほど交流の深かったフェルナン・レジェの絵画も。
本書にはそのすべてが掲載されている上に、読み応えのある論文をはじめ、坂茂や藤本壮介によるインタビューも収録されており、資料として手元に置いておきたい一冊です。
アルヴァ・アアルトの生涯にわたっての仕事を網羅する内容なので、展覧会を見逃した!という方や、アアルトについてもっと知りたい、という方にも全力でおすすめします。