株式会社竹尾の活動は本当におもしろい。多種多様な紙の紹介から、展覧会の開催、歴史の解説や対談まで、まさに紙をめぐる知の冒険。
本を読むといえば今だに紙だったり、お手紙や包装紙、DMといったあれこれがどうしても捨てられないのも、こうした瞬間に紙の底知れない魅力を痛感するからだなぁと思うのです。
さて、紙のおもしろさを再発見さてくれるといえば、竹尾が発行している紙見本。いつも入荷を楽しみにしているのですが、今回入荷したのは日本タイポグラフィ協会の月刊情報誌「タイポグラフィックス・ティ」に掲載されていた竹尾の広告作品の合本です。
「Season's Greeting」と「Original Letterheads」がセットになっていて、著名デザイナーやイラストレーターらが手掛けたグリーティングカードとレターヘッドが収録されています。もちろん、実際に使用可能。
岡本太郎、松永真、葛西薫、矢萩喜従郎らの作品が一挙に楽しめるなんて、なんとも豪華ではありませんか。
そして本書は紙見本でもありますから、それぞれの作品には様々な紙が使用されており、用紙の名称や、印刷方法、特徴、さらにインクの種類なども記載されています。デザイナーやクリエイターの方も、実際に使用するときのイメージが湧きやすいですね。
作家の個性が存分に発揮された作品を純粋に楽しみつつ、それを可能にしたファインペーパーの可能性と魅力をじっくり堪能してみてはいかがでしょう。