毎日何気なく使っているお金。じっくり眺めてみたことがありますか?実はとても凝ったデザインの上に、それぞれの国の特性や、偽造防止技術の緻密な模様や、印刷技術が詰め込まれた興味深いものなのです。ああ、もっといろんな国のお金をみてみたい。
オランダのグラフィックデザイナー、Ootje Oxenaarがデザインした紙幣も、まるで絵画のような美しさです。氏は1976年から94年まで、オランダ中央銀行で2種類の紙幣をデザインしました。
1種類は自国の有名な人物の肖像を含むもので、その後、肖像のない紙幣をデザイン。日本と同じく紙幣には肖像を使うのが一般的だったオランダで、それはとても革新的なものでした。
本書には、世界で最も美しい貨幣と国際的に評価された、ヒマワリや灯台をモチーフとした紙幣や、オランダの建築家、ヘリット・リートフェルトのシュレーダー邸の紙幣のアイデアスケッチなどを掲載。
さらに多数手がけた切手やブックデザインなどもあわせてご覧いただくことができ、氏の仕事の全貌を堪能することができます。
2000年に米国に移住した後はロードアイランド・スクール・オブ・デザインで教鞭をとるなど活躍し、オランダデザイン史において重要な役割を果たしたOotje Oxenaar。その活躍とともに、オランダグラフィックデザインの軌跡を辿ってみてください。