ピカソと同時代に生き、ともにキュビズムを生み出した画家、ジョルジュ・ブラック。天才で代表作も多いピカソと比べられることも多いブラックですが、どこか職人のような一面をもち、最後まで自身の美を追求し続けたこの画家が、わたしはとても好きです。
『Georges Braque: Life and Work』は、1900年から1963年の亡くなる年に描いた作品までを包括した作品集。
アンリ・マティスに影響を受けフォービスムによった初期の作品をはじめ、ピカソと共同で生み出したキュビズムの時代、コラージュの発端となったパピエ・コレ、第一次世界大戦後で変化した作風、晩年の鳥をモチーフとしたリトグラフ…年代順に掲載されているおかげで、ページをめくりながら画風の移り変わりを感じることができます。
さらに注目したいのは、方眼ノートに鉛筆で描かれたドローイングの数々。完成した油彩と比べながら見ていくと、画家が作品を完成させるまでの思考や、手の動きを感じられるよう。ところで絵の中に走り書きされているメモはなんて書いてあるのでしょう。フランス語の読める方、ぜひ教えてください。