ジャンルや時を超えて、ひとを惹きつける引力を発する書籍。
これが幾度目の入荷か。本日あらためてご紹介する「世界のグラフィックデザイン1 ヴィジュアルコミュニケーション」はそんな稀有な力を有する書籍のひとつです。
文字、絵ことば、曼荼羅、地図、系統樹、楽譜、天体図、統計図、護符...。杉浦康平と松岡正剛が10数年の歳月を費やして収集した、膨大な図像をもって構成した「図像の宇宙誌」。
各章は「痕跡の現象学」「樹木イメージの系譜」「内観宇宙から外在宇宙へ」「絵から文字へ・文字から絵へ」「構文化された記号世界」「イメージの年代記」と銘打たれ、人類の視覚伝達の源流にせまります。 古今東西の図像が一堂に介し、まさに圧巻の様相。今後これだけの範囲が体系化されることはほぼないかもしれません。
ついでながら「世界のグラフィックデザインシリーズ」は全7巻が発行されましたが、1巻以外の内容もほかに類のない大変充実した内容となっています。というのも、各巻の編集を百戦錬磨のデザイナーたち自身が担当しているから。
第1巻 ヴィジュアルコミュニケーション ... 杉浦康平+松岡正剛編著
第2巻 ポスター・歴史編 ... 原弘編
第3巻 ポスター・現代編 ... 田中一光、横尾忠則編
第4巻 アドバタイズメント ... 向秀夫、永井一正、梶祐輔編
第5巻 パッケージ ... 岡秀行編
第6巻 エディトリアルデザイン ... 勝井三雄、大渕武美編
第7巻 環境のグラフィック ... 粟津潔、磯崎新、福田繁雄編
いつ見ても豪華な編集陣。ピンポイントに絞られたテーマもうれしいポイントです。さらに巻ごとにエディトリアルデザインも異なります。アイデアの宝庫として、自信を持っておすすめ。