アイヴァン・チャマイエフの引き出しには、彼が発見したものが詰まっていた。届いた手紙の封筒、航空会社の使用済みカーボン紙、つぶしたソーダ缶、はがき、ポスター…。願うことならその引き出しを覗いてみたいし、そんな素敵な引き出しを持っていたことが羨ましいなぁ。
そうやって集めた素材を自由自在に組み合わせてつくった、個性的で魅力的な232の人物像。切手は目や洋服のブローチになり、糸の色見本はカラフルな髪の毛になり、アルファベットのQは口になり、木の板は鼻になる。
ニューヨークデザイン界の第一人者として名高いアイヴァン・チャマイエフ。ファインアーティスト、デザイナー、イラストレーターと様々な顔をもつ氏ですが、55年間にわたるコラージュ制作は、きっと創造性を自由に活かす場だったのではないでしょうか。
引き出しから素材を取り出して机に向かう氏の姿を思い浮かべながら、ページをめくってみてください。