新聞や雑誌の紙面、企業ポスター、演劇協会のための封筒の中に混ざって掲載された、小さな切手に心奪われました。ピート・スヴァルトやヘラルト・キリヤンが手掛けた切手。2〜3センチの小さな中にも、ポスター顔負けのデザインが凝縮されていて驚きます。こんな切手で手紙が届いたら、封筒まで永久保存してしまいますね。
さて、本書に掲載されているのは、1920年代から40年代オランダの、アヴァンギャルドなグラフィックデザイン。
ピート・スヴァルト、ディック・エルフェルス、ウィレム・サンドバーグら9名のデザイナーが手掛けた、ポスターやエディトリアルデザインの数々を、デザイナー別で掲載しています。
タイポグラフィに注目しているのですが、幾何学模様で構成された紙面、2〜3色のみのシンプルな色使い、写真との組み合わせは、ロシア構成主義からの多大な影響を感じるとともに、1917年に発足したデ・ステイルからの流れが読み取れます。
グラフィックデザインに関わるお仕事をされている方の資料としてもおすすめです。