三宅一生は、ロンドン旅の途中に一冊の本に出会い、ある陶芸家に魅了されました。今日おすすめする『LUCIE RIE』こそが、その本だそう。
美しいなめらかな曲線、貝殻を彷彿とさせる色合い。その作品のひとつひとつに衝撃を受けた氏は、1984年ルーシー・リーの工房を探し出し本人に対面。そして1989年に草月会館にてルーシー・リー展を開催し、日本にその名が広まるきっかけをつくりました。
その後もロンドンを訪れる度に工房を訪れ、贈られた600を超える陶器のボタンと鋳型を今も大切に持っているそうです。
本書に掲載されている作品は1936年〜1980年代のもの。年代は違えど、どの作品からも一貫したスタイルを感じ取ることができ、多くの波乱の中でも自身の方向性を持ち続けたルーシー・リーの強さが伝わってきます。