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雑誌広告からみる 70年代の日本
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雑誌広告からみる 70年代の日本

70s 日本の雑誌広告

広告は時代を映す鏡と言いますが、『70s 日本の雑誌広告』をパラパラ眺めていると、当時の空気感が手に取るように伝わってきます。

1970年代は、大阪万博が開催され、高度経済成長の勢いが高まっていました。また、三島由紀夫の割腹自殺、第一次・第二次オイルショック、ベトナム戦争の終結など、ひとつの時代が変わる象徴のような出来事が起こります。 

そんな時代に勢いをつけていたのが、「anan」「nonno」「POPEYE」など、今もなお愛され続けている雑誌たち。本書はそこに掲載された広告を、化粧品、ファッション、食品・飲料・嗜好品、電化製品などのカテゴリー別で紹介する、資料性の高い一冊です。

細谷巌とコピーライター・秋山晶の名コンビによる、マヨネーズが登場しない「キューピーマヨネーズ」の広告や、ブレている写真を起用した国鉄のキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」なども登場。デザイナーの自由でのびやかな表現と、それに対してGOを出した企業の度量を感じます。良い時代だったんだなぁ。

  ちなみに『80s 日本の雑誌広告』も合わせて入荷しておりますので、比較をしながらご覧いただくのも面白いかと。また機会があれば、こちらもご紹介しますね。

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故郷・広島県で雑貨のお店をしていた影響で、器に目がない。盛り付ける料理は修行中。ノストスブックスの雑貨担当として奮闘します。暮らしにまつわる本、民藝本、画集が好きです。