ノストス談話室vol.3 「2人が本屋になったわけ」の巻
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ノストス談話室vol.3 「2人が本屋になったわけ」の巻

スタッフ同士がざっくばらんに語り合うノストス談話室。第3回は入社4年目のなつきと今年4月入社の小見がお届けします。

今回のテーマは、本屋で働くことになったきっかけについて。いわゆる本の虫でも、古本屋に通うのが趣味というわけでもなかった2人はなぜ古本屋で働くことになったのか、そしてなぜノストスだったのか。今のタイミングだから聞きたいことを、お互いに聞いてみることにしました。


ノストスブックス店長。前職では某テーマパークのお姉さんや、不動産会社の営業をしていました。小説とクラシックなものが好き。一緒に、好きだと思えるものを沢山見つけましょう。
故郷・広島県で雑貨のお店をしていた影響で、器に目がない。盛り付ける料理は修行中。ノストスブックスの雑貨担当として奮闘します。暮らしにまつわる本、民藝本、画集が好きです。
小見
では最初に…なつきさんはなんでノストスで働くことになったんですか?
なつき
ノストスについては、前職のリノベーション会社で松陰神社前の街を紹介する記事を書こうと思って調べているときに知ったの。

転職を考えてたときにノストスの採用募集を見つけて、「私も店頭に立ちながら、こんな風にブログが書きたい!」って思って、その日の深夜にすぐ応募したのを覚えてる。就職したあとの自分を想像したときに、不思議と自分らしく働けている様子がすごくリアルにイメージできたんだよね。
小見
アートとかデザインの本も好きだし…っていうのもあったんですか?
なつき
いや、その時点ではノストスで取り扱ってる本はあまり見てなかったの。ブログだけをめちゃくちゃ読んでた。
小見
えっ、ブログだけ!?(笑)
なつき
そう。本もそうなんだけど、基本的に読み物が好きだったんだよね。
でも休みの日に展示会に行ったり、アートに興味はあったんだよ。ノストスが本について書いているブログを読んで、気になる作家さんについて調べたりとかもしてた。
読み物がすきで、ずっとブログばかり読んでいた
小見
本はずっと好きだったんだですね。
なつき
うん。なんていうか、本は唯一誰の目も気にせず、自由に好きでいられるものだったから。周りに急かされることも、他の人に合わせる必要もなく、自分だけの世界に没頭できた。本を読んでるときの自分が、一番好きなんだよね。
小見ちゃんは?
小見
わたしは…ノストスじゃなかったら古本屋をやってなかったと思います。
なつき
確かにそんな気がする。これまでに本屋で働いたことがあるわけじゃないし、雑貨についての方が詳しいから、古本屋っぽさはなかったかも。
広島の雑貨屋から、東京の古本屋へ
小見
前は広島の実家がやってるお店で働いてたんですけど、休日に仕入れのために作家さんに会いに行ったりして、プライベートとの境があまりない感じだったんですね。その働き方がすごく好きで。
そんな風に働ける場所を東京で探そうと思って転職活動をしてました。
なつき
いい意味で仕事と感じないような?
小見
そうですそうです。だから自分が興味がある、自分の生活の一部にできるくらいに好きなものでを仕事にしたい思っていて。それがアートとデザインだったんです。あと自分のスキルを上げたいとか、自分ができることを増やしたいってすごく思ってました。
なつき
なるほど。ノストスの他にはどんなところを受けたの?
小見
最初は舞台美術とか、カメラマンのアシスタントとか…。あとはネームタグの会社とか。
なつき
ん?ネームタグ??
小見
アパレルのネームタグをつくる会社です。本当に自分でも変な受け方をしてたなって思うんですけど、すごくジャンルレスだったんですよね。
なつき
色々受けた中で、さっき言ってた「向上させたいスキル」は共通してたってことだよね。それはどんなスキルだったの?
小見
えっと、個人でなにかできるようになれるスキルです。実際自分のお店をしてたけど、自分が思っているところまでスキルを持ち上げられていなかったので、勉強したいという気持ちもありました。
なつき
アートとデザインが好きで、前職での経験を活かしながらその「なにか」を探せる環境...。ぴったりだったんだ。
小見
だから募集のお知らせが出た瞬間に「これだー!!」ってすぐ応募しました。(笑)

実際働いてわかった、ノストスでの仕事と少しの成長

小見
なつきさんはいま4年目でしたよね。実際働いてみて、いまはどういう感じですか?
なつき
入社してからこれまで、朝、「仕事今日いきたくない」って日が1日もない!
小見
それすごいですね!
録音中に本がオンラインストアで売れて喜ぶなつき
なつき
いや、疲れてて「眠い!行きたくない!」とかはあるよ(笑)。でも仕事がつらい、つまらないから行きたくないとかは、ほんとに1日もない。
小見
入社前に想像してた仕事内容は、実際にはどうでした?
なつき
イメージ通りだった。この街でする接客の仕事は本当に楽しいし、自分でブログやコンテンツをつくる機会を最初の頃から沢山をもらえたりとか。
文章書くのもさ、最初は本当にひどかったんだよ。(笑)
小見
そうなんですか??
一番最初に書いたブログは「ファーストブックについて」
なつき
一番最初にファーストブックについてのブログを書いたときのダメ出し、すごく覚えてるもん。書いた記事とかを、「これで…どうですか...」って見せに行くんだけど、「はいダメ〜」って。
小見
あはは(笑)
なつき
で、「くぅ〜(泣)」って悔しがりながら席に戻るというのの繰り返し。知識も今よりなかったし、何をどう書けばいいか分からなくて、毎日なにがなんだか…って思ってた。
小見ちゃんはいま、入社から5ヶ月目だよね。 実際に本屋の仕事してみてどう?
小見
「自分のスキルを上げたい!」って入ってきたけど、私はいま、自分のできなさ具合に打ちひしがれてますね...。
なつき
あはは。打ちひしがれてるの?
小見
はぁい....
なつき
はぁい...って。(笑)
小見
文章書くたび、写真を撮るたびにすごい落ち込んで。でもなつきさんも最初はそうだったって話を聞いて、ちょっと元気が出ました。
なつき
大丈夫だよ。わたし写真は特にひどくて、最初のころは全然載せさせてもらえなかったよ。
小見
特にひどかったんですか。(笑)
なつき
ほんとほんと。石井さんに「....今日はわたしが代わりに撮ろうかな」って優しく却下されることが多くて。粘って粘って、「うわぁ!もう開店のじかんだぁ!」みたいのを繰り返してた。

でも最近は「伸び率は大きいよ。小見ちゃんが入ってからは特にね。」って言ってもらえた。ひとに教えるのって難しいし勉強になるから、小見ちゃんのおかげだよ。

これからの仕事の仕方

小見
じゃあ…これからはどうですか?仕事の仕方とか、こうしていきたいとかありますか?
なつき
私は「自分が思っていることを言語化して伝えたい」って気持ちが入社したときからずっとある。だから発信できる場と、そのための時間をもっとつくっていきたい。でもいまコンテンツを増やしつつあるので、少しずつ叶えられてきてはいるのかな。

あとはもっと力をつけて、もう一度店頭に帰ってきたい。(いまはデスクワークがメイン)
小見
あ、やっぱ店頭がいいんですね。
なつき
うん、やっぱり接客が好きなんだよね。大学を卒業して、接客、営業とやってみて、やっぱり接客がやりたくて店というかたちを選んだから。小見ちゃんはやっぱりデザインとかアートに関わりたいのかな?
小見
デザインは...実は、自分でつくりたいって気持ちはあまりなくて...。
なつき
え?!すごい意外!
小見
できるようになりたいし必要だとは思っています。でも一からつくることだけではないなと思い始めていて。
この前中野さんに「デザインが必要な理由さえわかっていれば技術はいい。納得いくようにするためにはなにが足りないのか、どうしたらいいのか、その考え方を知るのは必要だよ。」ってアドバイスをもらったんです。
なつき
うんうん。
小見
あとは「POPにしても、実際につくるのはあとからうまくなるでもいいし、得意な人に頼んでもいい。
でもどうしてそれを置く必要があるのか、それを置くことでどう変わるのか、絶対にそのプロセスを伝えて欲しい。」って。
なつき
「お店はデザイン」って、よく会話にでるもんね。実際のヴィジュアルをつくる仕事だけがデザインというわけじゃなくて。たぶん今の段階で求められてるのは作る技術より考える力の方かも。
小見
そうですよね。仮に誰かにつくってもらったPOPを置いたときに、「全然見てもらえない。じゃあ変えるべきは配置なのか、内容なのか」みたいなところもいわばデザインなわけで。
なつき
自分で納得できるとか、そこに至るまでの考え方は、お店の方でも必要になってくるかもね。できあがったあと、目的を果たしているかのジャッジはできるようになった方がいいよね。
小見
そうですね...頑張らなくては!


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