個性ってこういうことなんだろうな、と思わせてくれるイラストレーターが好きです。安西水丸、和田誠、ポール・コックス…そして、大橋歩。
大橋歩の描く人はシャープで、格好良さと可愛さが同居してる感じ。着ている洋服の配色、背景の色や模様との組み合わせセンスも感動してしまうほど絶妙です。
わたしが驚いたのは、詩人・長田弘さんの『深呼吸の必要』の表紙を見た時。色彩で表現された抽象的な絵なのに、「あ、大橋さんだ」と分かってしまったんです。
なにを描いてもその人になるというのは、ものすごい個性だと思います。ちなみにそういう人って、字も良いんですよ。この見解、間違ってないはず。
本書は三重県立美術館での展示をまとめた図録。1962年から2009年の仕事を一挙に見れるオススメの一冊です。