本というものに何を求めるかは1人1人違いますが、僕にとって本は生きるヒントをもらうためのもの。他人の考え方や物事の見方を知ることにとても興味があります。⠀
1970年代後半から活動を始め、過激かつ異質な表現で国内外で注目を浴びたサイトウ・マコト。本書は、そんなサイトウ・マコトが1982年から1990年までに手がけた広告グラフィック作品を104点一挙に掲載。
特に85年以降のコラージュ手法を駆使したグラフィックは、表現としての圧倒的な強さを感じます。⠀
巻末の対談がまた面白い。
永井一正、森田芳光、磯崎新、崔在銀、村上龍、田中一光の6名の表現者たちとそれぞれに対談していますが、一貫して言葉が強い。周りを蹴散らす言葉の強さとそれを裏付ける表現の強さが両立していなければ、こうはいきません。
「頭の悪いクライアントは時間のムダ、労力のムダ、自分の一生がムダになる。」
「デザインの目的性とかはやりたくない。あくまで表現にこだわりたい。作っていて、自分のモノを作っているなってメチャクチャ体で感じていたいんですよ。」⠀
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本書は、サイトウ・マコトのビジュアルと言葉による突っ張りっぷりを浴びまくって、我が身を奮い立たせる本である、というところでブックレビューを終わります。