ザ・デザイナーズ・リパブリックのグラフィックデザインに憧れて、ヘルベチカの文字間をぎゅうぎゅう詰めにしたり、極小ビットマップフォントを多用してみたり、建築物の写真をバラバラにして再構築してみたり。
そんな自主練を夜な夜な繰り広げていたデザイナーが、世界中にいったいどれくらいいるのでしょうか。きっとたくさんいるはず。わたしもそのうちの一人です。

数多のフォロワーを生み出し、90年代から00年代初頭におけるシーンの最先端を走り続け、その存在が「歴史」と化しているデザイン集団、ザ・デザイナーズ・リパブリック(TDR)。数百点に及ぶ厳選された作品群を圧倒的な品質で完全収録した本書はまさにファン待望の一冊。

初期のロゴマーク的作品から、パーティーの告知ポスター、エイフェックス・ツインやオウテカをはじめとするワープ・レコードの名盤ジャケットの数々が掲載されています。ディスプレイごしには伝えられない、蛍光インクや箔を使用した特殊印刷の使い方も見事。

さて、その後のTDRですが、イギリスの工業都市シェフィールドから旗揚げし、強烈な個性と反体制的美学、そして他を圧倒するデザイン力で世界にその名を轟かせましたが、2009年にあっけなく倒産してしまいます。大規模な商業プロジェクトに少人数で対応しきれなくなった、キャッシュフローがうまくいかなかったなど複数の原因があると言われています。せつない。
現在は業務も人員もスリム化し、マイペースに活動を続けているご様子。代表のイアン・アンダーソン氏のSNSを覗いてみたら、あら、たのしそう。
そんなTDRの栄枯盛衰をみつめながら、過去と90年代リバイバルの現在の結び目をデザイナー視点で探ってみてはいかがでしょうか。