今年は写真家・荒木経惟の展覧会が国内外で多数開催されていますね。アラーキーイヤーと呼ぶにふさわしい。
特に大規模なものは、2017年7月8日(土)から9月3日(日)まで東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「写経老人A」、そして7月25日(火)から9月24日(日)にかけて、東京都写真美術館で開催中の「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」の2つ。
出版も盛んで、今年に入り展覧会公式カタログやエッセイの新刊が相次いで発売。77歳となった今でもその活躍から目が離せません。そこでノストスブックスでは、作品集を軸にその生き様と2017年現在を追うべく、店頭・Webにて特集を行います!
写真家・荒木経惟について
まずはアラーキーについておさらい。
1940年5月25日、東京都台東区に荒木経惟は生まれました。父親は下町の下駄屋さん。趣味で写真も撮っていたそうで、幼い頃から写真に触れる環境にあったことがうかがえます。
1959年に千葉大学工学部写真印刷工学科写真映画専攻へ進学。在学中、雑誌『太陽』が主催する第1回太陽賞に『さっちん』でエントリー。見事に受賞します。
1963年には電通に就職。お抱えのカメラマンとして、広告写真を撮っていました。社内報のために社員の撮影をしていたところ出会ったのが、後の妻となる青木陽子。出会った頃の彼女について、アラーキーはこのように語っています。
広告仕事の傍ら、同僚の八重幡浩司郎、池田福男らと「ゲリバラ三銃士」を結成したり、銀座の「キッチンラーメン」でゲリラ的に写真展を開催したりするなど、その活動は破天荒。でも、陽子もこうして応えてのけるあたり、相当な度胸ですよね。
こちらは1965年にスクラップブックとして制作した「ジャンヌ」。一般的なアラーキーの作品のイメージからは意外な、フォトモンタージュの手法で作られています。
1971年に、陽子と結婚。その新婚旅行を収めた作品集が「センチメンタルな旅」(1000部限定の私家版で出版したのち、2016年に新潮社が1000限定で復刻)です。今でこそ、家族や親しい人々を被写体にした写真集は数多くありますが、当時はまだこうした極私的な内容の写真集を出版することは世界的に見ても稀だったそう。その名を広く知らしめるきっかけのひとつになりました。
1990年には愛妻・陽子が子宮肉腫のため死去。計り知れない悲しみに襲われながらも、アラーキーはどんどん新たな作品を発表していきます。
この頃から多くなったのが空のランドスケープ。豪徳寺の自宅(当時)のバルコニーや、引っ越した梅丘の自宅から見える空を記録するように。
女性の緊縛ヌード作品もさらに加速。写真への着色やペインティング、そして書まで、その表現の幅を広げてきました。
アラーキーがこれまでに発表した著作はなんと500冊超(驚)!発言集やエッセイも数え切れないほど書籍化されています。多様で多作なため、今回は粗いダイジェストになってしまいましたが、これから2つのキーワードをもとに、その全貌を少しずつ紐解いていきます。
1940年5月25日、東京都台東区に荒木経惟は生まれました。父親は下町の下駄屋さん。趣味で写真も撮っていたそうで、幼い頃から写真に触れる環境にあったことがうかがえます。
1959年に千葉大学工学部写真印刷工学科写真映画専攻へ進学。在学中、雑誌『太陽』が主催する第1回太陽賞に『さっちん』でエントリー。見事に受賞します。
1963年には電通に就職。お抱えのカメラマンとして、広告写真を撮っていました。社内報のために社員の撮影をしていたところ出会ったのが、後の妻となる青木陽子。出会った頃の彼女について、アラーキーはこのように語っています。
文書部で見つけて拉致してきたのが陽子。なぜか女は眼帯をさせたら美人になるっつーんで、わざと眼帯させて。まあ、いい度胸だよな。こんな(胸が)ぺっちゃんこなのに脱ぐんだから(笑)。(「ARAKI by ARAKI」より)
広告仕事の傍ら、同僚の八重幡浩司郎、池田福男らと「ゲリバラ三銃士」を結成したり、銀座の「キッチンラーメン」でゲリラ的に写真展を開催したりするなど、その活動は破天荒。でも、陽子もこうして応えてのけるあたり、相当な度胸ですよね。
こちらは1965年にスクラップブックとして制作した「ジャンヌ」。一般的なアラーキーの作品のイメージからは意外な、フォトモンタージュの手法で作られています。
1971年に、陽子と結婚。その新婚旅行を収めた作品集が「センチメンタルな旅」(1000部限定の私家版で出版したのち、2016年に新潮社が1000限定で復刻)です。今でこそ、家族や親しい人々を被写体にした写真集は数多くありますが、当時はまだこうした極私的な内容の写真集を出版することは世界的に見ても稀だったそう。その名を広く知らしめるきっかけのひとつになりました。
1990年には愛妻・陽子が子宮肉腫のため死去。計り知れない悲しみに襲われながらも、アラーキーはどんどん新たな作品を発表していきます。
この頃から多くなったのが空のランドスケープ。豪徳寺の自宅(当時)のバルコニーや、引っ越した梅丘の自宅から見える空を記録するように。
女性の緊縛ヌード作品もさらに加速。写真への着色やペインティング、そして書まで、その表現の幅を広げてきました。
アラーキーがこれまでに発表した著作はなんと500冊超(驚)!発言集やエッセイも数え切れないほど書籍化されています。多様で多作なため、今回は粗いダイジェストになってしまいましたが、これから2つのキーワードをもとに、その全貌を少しずつ紐解いていきます。
キーワード その1:愛妻・陽子
アラーキーの「私写真」を確立させた重要人物・陽子。破天荒な夫を生活でも創作でも支え続け、亡くなってからもその存在はアラーキーの創作意欲を掻き立ててきました。陽子を中心に構成された展覧会「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」の公式カタログをキーブックに、陽子が与えた影響を考えます。
キーワード その2:写真日記
日々を記録するように撮り続けてきたストリートフォトは、今年も新作が続々発表されています。最新作を多数収録した「写狂老人A」の公式カタログをキーブックに、荒木経惟の現在地を探ります。
アラーキーの作品集やコンテンツを展開!
8月14日(月)から8月27日(日)までの期間、店頭で関連書籍の特集コーナーを展開します。少しレアなものから、最近の新刊、そして読みものもございますのでぜひご覧ください。オンラインストアでは「写狂人・荒木経惟」と題して特集ページを公開中です。
写真にうつっているものだけでなく、うつっていないけれど読み取れるものがわかってくると、写真の楽しみ方がどんどん広がります。その一例としてアラーキーの作品群を見ていただき、写真を読むおもしろさを知っていただけたら嬉しいです!
写真にうつっているものだけでなく、うつっていないけれど読み取れるものがわかってくると、写真の楽しみ方がどんどん広がります。その一例としてアラーキーの作品群を見ていただき、写真を読むおもしろさを知っていただけたら嬉しいです!
「写狂人・荒木経惟」特集
期間:
2017年8月14日(月)ー8月27日(日)
概要:
展覧会に併せて発売される図録「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」(東京都写真美術館)、「写狂老人A」(東京オペラシティアートギャラリー)のほか、荒木経惟関連書籍を展開いたします。また、荒木経惟の世界をより深く知ることのできるコンテンツも公開いたします。
会場:
nostos books
東京都世田谷区世田谷4-2-12
12:00~20:00 水曜定休
03-5799-7982
http://nostos.jp