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デザイナーも雑誌好きも、今いちど眺めたい。雑誌黄金時代のエディトリアルデザイン

山田
書いた人:
2016.6.13 デザイン
デザイナーも雑誌好きも。今いちど眺めたい、雑誌黄金時代のエディトリアルデザイン
山田です。

雑誌が好きで、本屋に行くとついつい何冊も買ってしまいます。時代のトレンドをキャッチしたり、コラムやレビューから知らない音楽や本に興味を持ったり。数年後に改めて手に取り、懐かしむのも楽しいものです。

ファッション、カルチャー、音楽、映画、アートなどなど、ジャンルを超えて1冊にまとめ上げるエディトリアルデザイン。書籍とは違い、限られたスペースで情報を伝えなければいけない大変さはありますが、「こんなパズルの正解があるのか!」とその切り口や見せ方に魅了されます。

今回は、そんなエディトリアルデザインのなかでも、雑誌黄金時代を築き上げたアートディレクターやデザイナーの仕事をご紹介します。



雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事

女性誌をテキスト中心からヴィジュアル中心に変えた堀内誠一。アン・アンの他にも、ブルータス、ポパイなど人気雑誌を手がけた名アートディレクターです。

雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事 雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事 思わず手に取って、うきうきと眺めてしまう表紙や誌面。今では当たり前ですがが、当時はテキストが大部分を占め、読み「込む」雑誌が多かったそうです。

horiuchiseiichi1 手がけたロゴデザインは、今なお現役。パソコンもない時代、イラストレーターなんて使わずに手描きされたロゴの設計図の緻密さからは、雑誌のトーンやコンセプトをひと目で伝えなければならない役割の重みが伝わってきます。

雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事 ヴィジュアルでは、映画のワンシーンのようなストーリーを匂わせる、立木義浩の写真を採用。

雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事 写真家・植田正治の象徴ともいえる次元を交錯させた構図で、着用アイテムが輝いています。アイテムのクレジットがなければ雑誌であることを忘れそうなくらい、作家のカラーを引き出したエディトリアルワーク。

雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事 氏曰く、「写真が足りなければ、なんとかするのがアートディレクター」。写真に代わってイメージを的確に表現するイラストレーションは、自ら手がけることも多かったそうです。冒頭のオリーブのイラストも、オリーブの創刊に祝福を込めて描き下ろされたもの。

雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事 情報満載のイラストマップは「もはや紀行文のようだ」と、イラストレーターの原田治。確かにこれは写真じゃ伝えられない。

雑誌づくりの決定的瞬間 | 堀内誠一の仕事

雑誌づくりの決定的瞬間 堀内誠一の仕事

編集
木滑良久
出版社
マガジンハウス
発行年
1998年
an・an、BRUTUS、POPEYEなど人気雑誌の黄金時代を築いたアートディレクター、堀内誠一の仕事集。女性誌をテキスト中心からヴィジュアル中心へと変えた革新的なアートディレクションを編纂。
ヨーロッパから澁澤龍彦や谷川俊太郎らに送った絵手紙が、編纂して書籍化されています。味のあるタッチ、単なる手紙とは思えない色使い。自分に送られたものではないけれど、見ていてほっこり。

グラフィックデザイナー、エディトリアルデザイナー、絵本作家など幅広く活躍した堀内誠一の絵手紙集。旅で訪れた、パリをはじめとするヨーロッパの風景が描かれている。
堀内誠一 | パリからの手紙―ヨーロッパスケッチドキュメント
生い立ちや制作エピソードを詳しく知ることのできる、自伝エッセイもおすすめです。

人気雑誌の黄金時代を築いたアートディレクター、堀内誠一の自伝。戦前から1980年代にかけて、雑誌から絵本まで幅広く手がけてきた著者が語る、エディトリアルデザイン史。復刻版。
父の時代・私の時代 復刻版 | 堀内誠一

雑誌をデザインする集団キャップ

復刊も記憶に新しいスタジオボイスやオリーブのデザインを手がけていたのは、藤本やすし率いるデザイン会社CAP(キャップ)。『雑誌をデザインする集団キャップ』には、その膨大な雑誌デザインがアーカイヴされています。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP 堀内誠一のロゴが光るブルータス。特集は都築響一らが企画・編集したものでした。インパクトこそあれど、斬新な企画のフレッシュさをそのまま届ける、シンプルな要素のデザイン。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP キャッチコピーのみに絞ったストレートな表紙デザインに引き寄せられ、中身もろくに見ずにレジへ。濃厚なコンテンツもスッキリと編集されていて毎回大満足です。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP スタジオボイスでは、尖ったコンセプトを具現化するかのようなグラフィカルな誌面。本当に情報を詰め込むだけならテキストだけでよいものの、こうしたデザインが施されることで、たった2ページの見開きなのに内容がぐんぐん入ってくる。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP 雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP このチャートのおかげで、時代の流れはこうなっているのか、と理解が深まったものです。デザインの力を思い知る。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP 1990年代の少女たちのバイブル、オリーブ。ノストスの店頭では、入口正面に置かれています。「懐かしいね!」とお連れ様と話し合いながら、お客様の表情が少女に戻る瞬間を見かけると、古本屋でよかったなとしみじみ思う。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP 年頃の女の子が気になるファッションやライフスタイルは、動きのあるレイアウトで。恋する少女のウキウキした気持ちに寄り添ってくれてますね。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP 女の子が大好きなビビットカラーの洋服。反発し合いそうな色も、少しずつ似た色を隣り合わせて並べていくことで、まとまった印象に。っていうか、自分20代半ばですが、気づいたら持っている服が白・黒・ネイビーだけなのは結構やばいのかもしれない。

雑誌をデザインする集団キャップ | 藤本やすし、CAP

雑誌をデザインする集団キャップ

著者
藤本やすし
出版社
ピエ・ブックス
発行年
2004年
デザイン事務所CAPの雑誌デザインのアーカイヴ。スタジボイス、ブルータス、太陽、ヴォーグ・ニッポン、流行通信などの膨大な表紙・誌面デザインをオールカラーで収録。
雑誌デザイン会社CAPと、その代表藤本やすしが、暮らしの手帖の花森安治、宝島の平野甲賀、花椿の仲條正義など、人気雑誌を手がけてきたデザイナーたちの仕事にせまる。
雑誌をデザインする人と現場とセンスの秘密 | 藤本やすし、CAP

雑誌デザインの潮流を変えた10人

国内外の雑誌デザインのパイオニアを紹介する『雑誌デザインの潮流を変えた10人』。ちなみに、こちらの本も藤本やすしとCAPによるもの。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP フランスのカルチャー雑誌・クラッシュを手掛けるのはヨルゴ・トゥルーパス。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP 見出しの強弱、写真とテキストの対比がなんとも挑発的なレイアウト。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP こちらは、1980年代の出版された伝説の成人向け自販機雑誌『Heaven』。なんとも艶めかしく、美しい表紙デザインは羽良多平吉によるもの。30余年経った今見ても、かっこいいですね。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP 指や足の仕草一つ一つ、フォントの使い方まで色っぽい。曲線美。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP そしてデザイナー、画家としてもレジェンドに君臨し続ける横尾忠則。流行通信のデザインでは、アートの領域に踏み込んだ刺激的な作品が数多く残されています。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP 茄子。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP 貴重な仕事現場の様子も収録。ほとばしるクリエティビティ。

雑誌デザインの潮流を変えた10人 | 藤本やすし、CAP

雑誌デザインの潮流を変えた10人

著者
藤本やすし
出版社
ピエ・ブックス
発行年
2007年
HEAVENの羽良多平吉、流行通信の横尾忠則と服部一成、Raygunのデヴィッド・カーソンなど、雑誌デザインに革新をもたらした10人のデザイナー。それぞれのインタビューと手がけた雑誌デザインを一挙に収録。
日本のファッション雑誌の中でも長い歴史をもつ「流行通信」の1980年合本全2巻揃。80年代感漂うモードなファッションフォトや、横尾忠則のエディトリアルにも注目。
流行通信 1980年合本 全2巻揃
エディトリアルデザインの視点で雑誌の魅力をご紹介してきましたが、やっぱり懐かしい時代に戻れるのが一番の魅力でしょうか?ノストス店頭では、スタジボイス・リラックス・オリーブ の人気3雑誌のバックナンバーを取扱中です。



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コンテンツ編集長として、ブログやイベントなどの企画・編集を行なっています。好きなジャンルは写真と音楽、カルチャー。特にアラーキーが大好きです。アレン・ギンズバーグの「HOWL」キャップを被っている古着女子を見つけたら、それはわたし。
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