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好き好き大好き。戸川純と80年代ポップ・カルチャー
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好き好き大好き。戸川純と80年代ポップ・カルチャー

こんにちは、石井です。
本日は久しぶりに音楽棚に手を伸ばしてみました。

みなさまは戸川純をご存じですか? 戸川純は1981年のライブ・デビュー以来、カルト的な人気をほこる歌手であり、女優でもあります。戦前歌謡曲と電子音楽を融合させたゲルニカや、ニューウェーヴとロックを行き来したヤプーズなどのバンド活動。ソロ活動では巫女・ランドセルの小学生・パンクファッションなどの七変化をみせたり、右腕からレーザー光線を放射したりと、その活動は枚挙にいとまがありません。そんな彼女の楽曲やパフォーマンスから受けた衝撃は数知れず。ひと言でいえば、大好きなのです。

よって今回は、可愛さと真面目さと狂気の集合体・戸川純の魅力をさらに掘り下げられる書籍を、動画をまじえながらご紹介したいと思います。



戸川純の気持ち

戸川純の気持ち

戸川純の気持ち

著者
戸川純
出版社
宝島社
発行年
1984年
80年代の戸川純といえば、音楽、TVドラマ、映画、CMなど、メディアをまたいで跳びまわるハイパー・アイドル。不思議な魅力電波を発信しつつも、こころの内側ではいったい何を思っていたのでしょうか。本書では、ゲルニカ、ヤプーズなどのバンド活動を経て、ソロ・デビューへ向かう当時の気持ち、等身大の自分自身を語り尽くしています。

togawa_05 ロングインタビューでは、メディアの誤解、ゲルニカの活動、全共闘への負い目、アカデミズム・ブームへの警鈴など、さまざまなトピックについての本音が語られています。貴重な内容。

戸川純の気持ち 戸川純の気持ち 戸川純の気持ち グラビアページが多くてうれしい。

戸川純の気持ち 戸川純の気持ち 宝島に連載していた「戸川純の人生相談」。ファンの悩みに対して、ときおり脱線しつつも親切かつ真面目に回答しています。親近感!

ゲルニカも大好きですが、ここはヤプーズ「パンク蛹化の女」を。こぶしの効いたスタイルがたまらなく好きです。

戸川純のユートピア

戸川純のユートピア

戸川純のユートピア

著者
戸川純
出版社
廣済堂
発行年
1987年
「探偵ごっこ」「音を聴く」「おもちゃをめぐる対話」「未来都市」「本のある場所」など、各テーマに沿って戸川純が好きなものについて思いのままに書き連ねたエッセイを収録しています。楳図かずお、水木しげる、丸尾末広らのイラストレーションが随所に差し込まれていているのもおすすめポイント。

戸川純のユートピア ロブスターの衣装がこんなに似合う女性は、日本広しといえども戸川純しか思いつきません。

戸川純のユートピア 戸川純のユートピア 「音を聴く」「映画館」より。丸尾末広×戸川純。

戸川純のユートピア 「始まりと終わり」より。イラストレーションは水木しげる。

戸川純「好き好き大好き」。このPVをはじめて観た時の衝撃はすごかった…。

樹液すする、私は虫の女

樹液すする、私は虫の女

樹液すする、私は虫の女

著者
戸川純
出版社
勁文社
発行年
1984年

そして又、帰ってくるのはわかっているけれど、
私はその人の後ろ姿を見つめて、涙を流して思うだろう。
「また100年待つ覚悟をしなくちゃ」と。
100年は長い。
― 「再会の日の、空は晴天」より


自らのルーツに触れたエッセイ、映画へのコメント、短編小説、詩などを編纂した1冊。メディアで取り上げられたエキセントリックなイメージとは異なり、非常に真摯で真面目にものごとと向かい合っている姿が伝わってきます。

名曲「蛹化の女」「諦念プシガンガ」の制作背景なども掲載。

NYLON100%に集ったひとびと

NYLON100%

NYLON100%

著者
ばるぼら
出版社
アスペクト
発行年
2008年
1980年代のカルチャーにもう一歩踏み込みたいかたに、おすすめしたいのがこちら。
渋谷センター街にかつてあった喫茶店「NYLON100%」に集ったひとびとの証言と詳細な資料を軸に、当時のエピソードやその感性の源を訪ね、移りゆく日本のサブカルチャーの起源を辿るエンサイクロペディア。大槻ケンヂ、KERA、高木完、戸川純、常盤響、平沢進らが証言者として登場します。

NYLON100% 膨大な数のディスクガイドや、証言者のプロフィール、初期パンク・ニューウェーヴ年表など、当時を振り返るうえで貴重な資料にもなる1冊です。
さて、今日はお店の定休日なので事務所でデスクワークに勤しんでおります。BGMは今年リリースされた非常階段と戸川純のコラボアルバム「戸川階段」。とても良いです。ヤプーズのカバーやソロ音源がノイズにまみれて大変素敵なことになっているので、波長が合う方はぜひ聴いてみてください。
さあ、痙攣+ヘッドバンギングで「好き好き大好き」!



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ブックディレクター。古本の仕入れ、選書、デザイン、コーディング、コラージュ、裏側でいろいろやるひと。体力がない。最近はキュー◯ーコーワゴールドによって生かされている。ヒップホップ、電子音楽、SF映画、杉浦康平のデザイン、モダニズム建築、歌川国芳の絵など、古さと新しさが混ざりあったものが好き。