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好きなことを仕事にしたいあなたへ。「就職しないで生きるには」シリーズ
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好きなことを仕事にしたいあなたへ。「就職しないで生きるには」シリーズ

こんにちは。中野です。
春ですね。新入社員の方や転職の方もこの時期多いと思います。

ところで就職するってどういうことでしょう?
僕の就職は、20代前半に美容室に務めたことが唯一の就職経験でした。25才で辞めたので、それ以来就職にはご縁がありません。 カリスマ美容師になっているはずだったのに。

今回は、やりたくないことを我慢しながら生きていくのはつまらない、そう感じている全ての方へ送る、晶文社「就職しないで生きるには 」シリーズを紹介します。



根源的利益を追い求めて

就職しないで生きるには

就職しないで生きるには

著者
レイモンド・マンゴー
出版社
晶文社
発行年
1986年
社会の体制に取り込まれることなく、自由な仕事で生計を建てる職業人たちが職や生き方について語る人気シリーズ「就職しないで生きるには」のもとになったエッセイ。
シアトルに小さな本屋をオープンするところから物語は始まります。 失業率の高いシアトルでましてや本屋を始めた彼らに回りは冷ややか。

わたしたちのことを友人は狂ってるとおもっていた。

僕もノストスブックスの実店舗を作ると決めたとき、同じように狂ってると思われていたと思います。「古本屋?なんで?」とほぼ全員に言われたのを思い出します。

レイモンド・マンゴーの悪戦苦闘はひたすら続きます。嫌な仕事をしないと決めた対価に支払ったものは、「自分で考えて、試して、ダメでも諦めないで次に進む」ということ。


財布のなかみが、どこへいけるかを決めるが、あんたの時間はあんたの生活そのものだ。自分の時間をうまくやりくりできるようになったら、あなたが成長した証拠だ。

このセリフはなかなか言えないものだと思います。

人の気持ちは風に似ている

アウトドアショップ風まかせ(就職しないで生きるには 10)

アウトドアショップ風まかせ(就職しないで生きるには 10)

著者
油井昌由樹
出版社
晶文社
発行年
1985年
日本初のアウトドアショップ「スポーツトレイン」を立ち上げた油井昌由樹の風まかせストーリー
2冊目は、日本初のアウトドアショップ「スポーツトレイン」をオープンし、アウトドアブランドを根付かせた油井昌由樹の波乱万丈ストーリー。合間に挟まれたGoods Catalogには、レッドウイングやLLビーンのブーツ、ランタン、双眼鏡、ナイフといったアウトドアグッズが盛りだくさんに紹介されていて、Mさんとか好きそうだなーと思いながら読みました。スポーツトレインができるまでの話しも面白いんだけど、作ってからももうずっと面白い。一貫して「まぁどうにかなるだろう。」という楽天的な著者のマインドを感じます。

お店も安定しだした7年目、「あーなんかつまんないなー。映画が一番好きだなー」と言って、たまたま目についた影武者のオーディションに参加、なんと徳川家康役に抜擢されるという、タイトルどおりの風まかせ。

おもしろくて、ためになる

輸入レコード商売往来(就職しないで生きるには 4)

輸入レコード商売往来(就職しないで生きるには 4)

著者
岩永正敏
出版社
晶文社
発行年
1982年
南青山にレコード店「パイド・パイパー・ハウス」を開いた岩永正敏のやり方。
お次は、今や伝説となった輸入レコード屋「パイド・パイパー・ハウス」を作った男のストーリー。こちらも共同経営。ない知恵を集めて一人前というスタイルは、レイモンド・マンゴーも油井昌由樹も同じやり方をしてますね。 こちらはかなり具体的な数字や構想が書かれていて、これからお店をやりたい人はかなり参考になるんじゃないでしょうか?

「採算が取れないかわりに、お店はだんだん面白くなってきた」という一文が胸に刺さりました。理想と現実。。

こちらに面白い記事がありました。
「パイド・パイパー・ハウス」はなぜ伝説のレコード・ショップとなったのか?

3冊の著者とも共通キーワードは「どうにかなる」「やってみる」です。ほとんど同じ内容だと言ってもいいぐらい。

「わたしがまだ20代のころ、〈仕事〉というのは憎悪すべき単語だった。いま三十路になり、〈仕事〉は美しい言葉になり、最高の〈あそび〉になった。」 というレイモンド・マンゴーの言葉のように、仕事が遊びになるように生きていきたいですよね。

このシリーズ、「就職しないで生きるには21」として復活しています。森岡書店さんや夏葉社さんも出していますので、興味のある方はぜひそちらもチェックしてみてください。

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ノストスブックス店主。歴史と古いモノ大好き。パンク大好き。羽良多平吉と上村一夫と赤瀬川原平と小村雪岱に憧れている。バンドやりたい。