Colors: A Book about a Magazine about the Rest of the World | Tibor Kalman
1991年にティボール・カルマンとリヴィエロ・トスカーニの手で創刊され、ベネトンがスポンサーを務めた雑誌『Colors』を紹介する書籍。人種差別やエイズといった社会問題から人々の興味関心に至るまでをテーマに、ビジュアル表現を駆使して社会に変革を促そうとした誌面を取り上げている。各号の内容を紙面で振り返るとともに、言葉を一切使わずに構成された最終号第13号をファクシミリとして全ページ収録し、雑誌の革新的な試みを伝えている。
Appearances: Fashion Photography Since 1945 | Martin Harrison
1945年以降のファッション写真を大衆文化の文脈に位置づけ、その歴史と影響を探る研究書。リチャード・アヴェドン、アーヴィング・ペン、ブルース・ウェーバーといった巨匠の代表作から、シンディ・シャーマンやロバート・メイプルソープの周縁的ながら影響力を持つ作品までを紹介している。ウォーカー・エヴァンスやロバート・フランクとの関連性も論じ、戦後の雑誌文化やアートディレクター、編集者の役割を検証。
Animal Books for Jaap Zeno Anna Julian Luca | Lous Martens
グラフィックデザイナー、カレル・マルテンスの妻ルース・マルテンスが、5人の孫のために長年つくり続けてきた動物スクラップブックをまとめた作品集。雑誌や広告、パッケージから切り抜いた動物の写真・イラストを種類ごとに分類し、図鑑のような構成で並べている。本来は家族だけのために制作された私的なスクラップが一冊に集約され、愛情と手仕事の積み重ねがそのまま視覚化されたユニークな記録となっている。2017年刊の絶版書を再編集した新装版。
ミニマリズム ソフトカバー版 | ジェイムズ・マイヤー
1950年代後半から1960年代にかけてアメリカで展開されたミニマリズム(ミニマル・アート)を、歴史的・文化的背景から整理した入門的かつ資料性の高い一冊。幾何学的で反復的な表現を特徴とするこの潮流が、どのように生まれ、広がっていったのかを丁寧に解説している。カール・アンドレ、ダン・フラヴィン、ドナルド・ジャッド、ソル・ルウィットをはじめ、アグネス・マーティン、ロバート・モリス、フランク・ステラなど、多様な作家の実践を通して、ミニマリズムの考え方とその広がりを俯瞰する。
BEST BEFORE | 奥山由之
写真家・映像監督の奥山由之による作品集。デビューから12年間にわたり手掛けてきたクライアントワークをまとめたもので、米津玄師、星野源、RADWIMPS、あいみょんらアーティストとのコラボレーションをはじめ、ポカリスエットやJRなどの広告写真、雑誌、エディトリアルワーク、俳優・モデルのポートレートなど400点以上の図版を収録。クライアントワークの枠を超え、写真表現の本質を探る。
醜くも美しい人の一生、私は人間が好きだ。| 石川真生
沖縄を拠点に活動する写真家、石川真生の初となる大規模回顧展にあわせて刊行された図録。2021年に沖縄県立博物館・美術館で開催された展示をもとに構成されている。初期作「アカバナー」から近作「大琉球写真絵巻」まで、全15シリーズを収録。社会の矛盾や葛藤のなかで生きる人々の姿を、正面から、時に痛切に写し続けてきた石川真生の表現を通覧できる。論考や年表などの資料も収録。
JE N’SAIS PAS | Margaux Duseigneur
フランスのアーティスト、ジャン=ミシェル・バンサールとマルゴー・デュセニュールによる作品集。2019年パリのギャラリー・Arts factoryでの展覧会にあわせて刊行されたもの。年に2回継続して行われた共同ドローイングを軸に、3年間にわたる対話と実験、試行錯誤の過程を収録。2人の関係性から生まれる表現の変化と創作の軌跡が収められた一冊。
Studio Notes: My Time with Cy | Rob McDonald
アメリカの写真家、ロブ・マクドナルドによる写真集。画家サイ・トゥオンブリーが晩年の約20年間を過ごした、ヴァージニア州レキシントンのスタジオ空間を静かに記録している。日常の気配が残る室内や制作の痕跡を捉えた写真は、作品の背後にある時間と環境に目を向けさせるもの。あわせて、初期の制作と関わりの深いブラック・マウンテン・カレッジの跡地も収められ、トゥオンブリーの創作を支えた場所と時間の連なりを、穏やかな視線で捉えている。
余白の芸術 | 李禹煥
「もの派」を代表する美術家・李禹煥が、自身の思想と創作の核心をまとめたエッセイ集。点や線、石や鉄板など、最小限の素材を通して立ち上がる“もの”と“空間”の呼応を見つめ、「余白」がもつ力と広がりを言葉で探る。セザンヌやマチス、ゲルハルト・リヒター、白南準、若林奮らへの考察も交え、自己と他者、内と外、見る者と見られるものの関係を静かに問い直す内容。世界の見え方を揺さぶり、李禹煥の芸術観を深くたどる一冊となっている。
German Design Glossary
ドイツ・デザインの思想や人物、代表的なプロダクトを、美しいビジュアルとともに簡潔に紹介する用語集形式の入門書。ヴィトラ・デザイン・ミュージアム、ノイエ・ザンムルング、ポルシェ博物館、フランクフルト応用美術館の所蔵品を通じて、1950年代から現代に至るまでの歩みをたどっている。さらにフォルクスワーゲングループのチーフデザイナー、マイケル・マウアーと文化界の重鎮マルティン・ロートによる対談も収録。
UNION magazine 18
スタイリストの百々千晴とHIROYUKI KUBOによる東京発のファッション誌『Union』第18号。ジャック・デイヴィソンをはじめ、マーク・スタインメッツによるファッションシュート、新世代のサラ・ファン・ライやロレーナ・ローアなど、多彩な顔ぶれが集っている。日本からは山谷佑介、白川聖司、遠山玲子らも参加し、幅広い視点が誌面に交差する。世代や地域を越えた写真表現の現在地を、落ち着いたトーンで伝えている。
UNION magazine 17
スタイリストの百々千晴とHIROYUKI KUBOによって創刊されたファッションマガジン「UNION」の第17号。COVID-19の影響で実現できなかったファッション企画を改めて展開し、世界各地で撮影されたユニオンらしいファッションストーリーを収録。参加作家には、ベン・ウェラー、シャルロット・ラパリュ、クララ・バルザリー、ホンマタカシ、イモージェン・カニンガム、ジュリア・ヘッタ、カンタン・ド・ブリエ、遠山玲子、ロマン・ラプラード、白川聖司らが名を連ねる。
UNION magazine 15
スタイリスト・百々千晴とHIROYUKI KUBOによって2012年に創刊されたファッションマガジン『UNION』の第15号。スーザン・マイゼラス、オリヴィエ・ケルヴェン、トム・ウッド、ホンマタカシ、ヴィンセント・フェラネら国内外の写真家が参加し、ファッションを軸にしながらも、アートやカルチャー、ライフスタイルへと視野を広げた構成。被写体の存在や日常の美しさを静かにとらえ、視覚表現の現在を多角的に提示している。
UNION magazine 10
スタイリストの百々千晴とHIROYUKI KUBOによる東京発のファッション誌『Union』第10号。タイムレスな美を追求した構成で、ヘンリー・ウィッセル、ウタ・バース、リナ・シェイニウス、トッド・ハイドらが作品を寄稿する。ジェーン・バーキンへのロングインタビューや、アンダース・エドストロームによる〈CÉLINE〉の撮り下ろしなど、多彩なコンテンツを収録。モードと写真、日常と芸術の境界を超えて、UNIONが描く詩的な瞬間を永続のかたちに留めている。
UNION magazine 08
スタイリストの百々千晴とHIROYUKI KUBOによって2012年に創刊されたファッションマガジン『UNION』第8号。国内外のフォトグラファーが参加し、詩的なトーンと独自の審美眼に貫かれた誌面構成で知られる。今号では白川青史、マーク・スタインメッツ、マーク・ボスウィック、荒木経惟らが撮り下ろした写真を掲載。それぞれのまなざしが交錯し、被写体の存在とファッションの関係を多層的にとらえている。
UNION magazine 07
2012年にスタイリストの百々千晴とHIROYUKI KUBOによって創刊されたファッションマガジン『UNION』第7号。マーク・ボスウィック、リナ・シェイニウス、テリ・ワイフェンバックら世界的フォトグラファーが参加し、それぞれの感性で誌面を構成する。ファッション、自然、女性像をテーマにした多彩なストーリーが連なり、モノクロームとカラーが織りなす詩的な空気が全体を包み込む。写真表現とモードのあわいに宿る静謐な世界観を体現している。
here and there Vol.8 The Loneliness Issue
編集者・ライターとしてファッションやアートを中心に幅広く活動する林央子が手がけるインディペンデントマガジン『here and there』第8号。テーマは「The Loneliness」。レティシア・ベナ、ギヨーム・ベニエ、ブレス、スーザン・チャンチオロ、ホンマタカシらが参加。写真、文章、イメージを通して、孤独が必ずしも閉じた感情ではなく、新たな関係や感受性の「種」になりうることを示唆している。
here and there Vol.6 Unexpected Traveling Issue
編集者・ライターとしてファッションやアートを中心に幅広く活動する林央子が手がけるインディペンデントマガジン『here and there』第6号。テーマは「Unexpected Traveling」。スーザン・チャンチオロ、エレン・フライス、皆川明、ホンマタカシ、長島有里枝、ミランダ・ジュライなど、同時代を生きる表現者たちが参加。それぞれの視点から「予期せぬ移動」や「距離」の感覚が綴られている。アートディレクションは服部一成。
高岡重蔵活版習作集 My Study of Letterpress Typography
日本を代表する活版印刷所・嘉瑞工房の高岡重蔵による活版印刷の習作集。1970年代に制作された英字組版をはじめ、グリーティングカードや冊子など多彩な作品をカラーで収録する。嘉瑞工房は精緻な活字組版と高度な印刷技術で知られ、本作にもその美意識が色濃く反映されている。伝える内容に応じて構成や書体を選び抜く姿勢が随所に表れ、習作の域を超えた完成度で活版印刷の魅力と可能性を示す。
Modern Chairs | Charlotte and Peter Fiell
1885年から1992年までにデザイン・製造された、機能性と美しさを兼ね備えた椅子を紹介する作品資料集。チャールズ&レイ・イームズ、アルネ・ヤコブセン、ハンス・ウェグナー、マルセル・ブロイヤーらによる名作を解説とともに収録している。さらにモダニズムにおける椅子デザインの役割や歴史、各デザイナーの略歴なども掲載し、近代家具史を読み解いている。
デザインの現在 コンテンポラリーデザイン・インタビューズ | 土田貴宏
デザインジャーナリスト・土田貴宏による、世界の気鋭デザイナー100組へのインタビューを収録した書籍。インテリア、家具、建築など多様な領域で活動するデザイナーたちの言葉を通して、2000年以降のデザインの思想と潮流を探る。「コンテンポラリーデザイン」をキーワードに、創造の現場から見える価値観や社会との関わりを浮かび上がらせる。月刊『商店建築』での連載「デザインの新定義」全100回に加え、時代背景を俯瞰する解説も収録。
ノーツ 第一号 庭
建築コレクティブ・GROUPによる出版シリーズ「ノーツ」創刊号。「庭」という身近でありながら奥行きの深いテーマを多角的に掘り下げる。庭師、研究者、音楽家、料理家など分野の異なる実践者へのインタビューを軸に、注釈や写真、テキストを重ねる構成によって、庭を単なる空間や様式としてではなく、人と自然、社会、時間を結ぶ関係性の場として捉え直す。断片的な「ノーツ」の積み重ねが思考を誘発し、読む行為そのものが庭を歩く体験に近づいていく。
ネイチャー・センス 日本の自然知覚力を考える
2010年に森美術館で開催された「ネイチャー・センス展:吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆」の図録。3名のインスタレーションを通じ、日本人が身体感覚として培ってきた自然の捉え方と、その文化的記憶を探っている。雪や水、風、光といった非物質的な現象を抽象化した作品群が、自然を人間と対立するものではなく、森羅万象を含む宇宙観として捉える視点を紹介。
Sara Superhero | Valerie Phillips
ロンドンを拠点に活動するアメリカ人フォトグラファー、ヴァレリー・フィリップスによる写真集。モデルのサラ・カミングスを被写体とし、故郷カリフォルニアで撮影を行っている。路上、テーマパーク、モーテルといった場所でのスナップを通じて、若者文化やファッションの文脈を背景にした人物像を提示。パンキッシュな雰囲気とファッショナブルなスタイルを併せ持つ多様な表情が収められている。
おもしろ漢字大図鑑 | 水井正
漢字の成り立ちや意味をユーモラスに紹介するビジュアルブック。文字の一部をイラストに置き換えたり、部首を手がかりに扉ページの前後で意味が反転する仕掛けを取り入れるなど、遊び心のある編集が特徴。熟語のかたちや構造を視覚的に理解できる構成で、学習教材としてだけでなく、大人も楽しめる読み物としての魅力を備えている。
伊藤勝一の漢字の感字
アートディレクターでタイポグラファーの伊藤勝一による作品集。感じる漢字、すなわち「感字」をテーマに、文字の形状や構造に焦点を当てたレタリングを多数収録している。それぞれの漢字が内包する意味やイメージを体現する遊び心にあふれた造形が特徴。過去に発表された約80文字を改良し、新たに140文字を加え、全体像をさらに拡充した内容となっている。
原弘と東京国立近代美術館 デザインワークを通して見えてくるもの
2012年に東京国立近代美術館で開催された企画展「原弘と東京国立近代美術館 デザインワークを通して見えてくるもの」の公式図録。戦中の対外宣伝グラフ誌『FRONT』や、同館で開催された展覧会のポスター・図録デザインなど、日本を代表するグラフィックデザイナー・原弘の幅広い仕事を紹介。多数の図版を通じて、美術館とともに歩んだ彼の活動の軌跡をたどることができる。
背文字が呼んでいる 編集装丁家田村義也の仕事
2008年に武蔵野美術大学美術資料図書館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。編集者・装幀家として半世紀にわたり活動した田村義也の仕事を、約1400冊に及ぶ装丁作品によって通覧している。とりわけ田村が重視した「背文字」に注目し、その力強い造形と言葉の佇まいを軸に、協働者との関係や本づくりへの情熱がどのように結実していたのかに光を当てている。
クリエイターズ 長大作・細谷巖・矢吹申彦 まだ見ぬ日常への案内者たち
2006年に世田谷美術館で開催された展覧会の図録。建築家・インテリアデザイナーの長大作、グラフィックデザイナーの細谷巖、イラストレーターの矢吹申彦という、世代も分野も異なる3名の仕事を横断的に紹介している。高度経済成長期以降、デザインやイラストレーションが時代の感覚を担ってきた流れを背景に、3人それぞれが個人の意識と制作行為を結びつけ、独自の基準を築いてきた軌跡を辿る。
VANITES 19-20世紀ファッション写真展 モード 夢と欲望
1994年に開催された巡回展の公式図録。19世紀から20世紀にかけてのファッション写真の歩みをたどり、スタジオポートレートから屋外撮影への移行など、その表現の変遷を紹介する。エドワード・スタイケン、ニック・ナイト、ギイ・ブルダンら、多彩な写真家による図版を収録。夢や欲望を映し出すモード写真の魅力を歴史的視点から探る内容。
吉田克朗 ものに、風景に、世界に触れる
2024年に開催された巡回展にあわせて刊行された図録。もの派を代表する作家のひとりとして知られる吉田克朗の制作の軌跡をたどっている。初期の実験的な作品から、絵画、ドローイング、版画へと展開した幅広い表現を網羅し、約1300点におよぶ作品図版と解説を収録。素材と空間の関係を探り続けた創作は、もの派の文脈を超えて独自の造形世界を築き上げたことを示している。膨大な資料を通じて、その芸術的探求の全貌を明らかにしている。
クリスト展 ヴァレーカーテンの全貌とアンブレラ・プロジェクトのためのドローイング
1992年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と豊田市民文化会館で開催された展覧会の図録。いかなる巨大なものも布で覆う現代美術家の巨匠、クリストが手がけた2つの大規模プロジェクト、「ヴァレーカーテン」と「アンブレラ・プロジェクト」に焦点を当てている。巨大な布によって風景そのものを変容させるこれらの作品を、完成作品の写真だけでなく、構想段階のドローイング、模型、設計資料を通して多角的に紹介。実現までに要した長い時間、交渉や技術的課題を含む制作プロセスを丁寧に記録している。
宮城壮太郎展 使えるもの、美しいもの
2022年に世田谷美術館で開催された展覧会の公式図録。プロダクトデザイナー・宮城壮太郎の幅広い仕事を紹介している。アッシュコンセプト、三洋電機、アスクルなどとの協働を通じて生まれた日用品、文房具、家電製品から、ホテルのサイン計画に至るまで多岐にわたるデザインを収録。機能性と美しさの両立を追求する宮城の思想と造形感覚を、豊富な作品図版と解説を通して明らかにしている。
駒井哲郎 煌めく紙上の宇宙
2018年に横浜美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。現代銅版画の先駆者である駒井哲郎の初期から晩年に至るまでの版画作品や詩画集を中心に紹介している。加えて、芸術家たちとの交流や影響関係を辿りながら、総合芸術グループ「実験工房」での活動や、文学や音楽と交差する表現にも焦点を当てている。版画表現の革新と領域横断的な活動を通じて、駒井哲郎の新たな魅力を浮かび上がらせている。
鈴木八朗のart
アートディレクター、鈴木八朗の仕事を紹介する展覧会図録。森英恵、市川團十郎、吉永小百合、森光子、宮沢りえ、黒柳徹子、山崎努、鈴木一郎など、日本の著名人を描いた「美貌繪」シリーズを中心に収録している。時代を象徴する人物たちの佇まいを、デザインと絵画の境界を行き交う独自のタッチで捉えた表現が特徴。肖像を通して浮かび上がる時代の空気や美意識が、鈴木八朗ならではの視点で鮮やかに描き出されている。
Francois Halard 3: New Vision
フランスの写真家、フランソワ・アラールによる三部作の完結編。40年にわたり、アート、建築、インテリアの最前線を撮り続けてきたアラールが、自身にとって特別な場所を静かに写し取る。ミケランジェロ・アントニオーニとモニカ・ヴィッティの私邸、サイ・トゥオンブリーの家族の隠れ家、イサム・ノグチのスタジオ、ルイス・バラガンの建築など、空間の佇まいとそこに宿る精神性に迫る写真を収録。
Kaj Franck: Muotoilija Formgivare Designer
戦後フィンランドデザインを代表するプロダクトデザイナー、カイ・フランクの仕事を包括的にまとめた作品集。ARABIA(アラビア)社での陶器や、Nuutajärvi(ヌータヤルヴィ)社におけるガラス作品、テキスタイルやセラミックまでを幅広く収録。完成品に加え、スケッチや構想段階のメモ、制作風景も紹介され、名作が生まれる過程と当時の空気感を伝えている。
明朝活字の美しさ 日本語をあらわす文字言語の歴史 | 矢作勝美
明朝活字がどのように生まれ、日本語の文字として定着し、現在のデジタル文字組版へとつながってきたのかをたどる一冊。明治初期に上海から伝わった活版技術を起点に、印刷や活字文化の歩みを丁寧に解説している。長年にわたり活字研究を続けてきた矢作勝美が、新たに明らかになった資料や知見を加え、前著『明朝活字』を大きく改稿。電子書籍や携帯端末における文字表現まで視野に入れ、日本の活字文化の歴史と現在をわかりやすくまとめた研究の集大成。
Adrian Frutiger: Typefaces. Complete Works
スイスのタイプデザイナー、エイドリアン・フルティガーの仕事を網羅的にまとめた作品集。1950年代以降の書体デザインに大きな影響を与えたフルティガーが手がけた、Univers、OCR-B、パリ空港のサイン書体(のちのFrutiger)をはじめ、Avenir、Ondine、Meridienなど約50書体を収録している。本人へのインタビューと綿密な調査をもとに、各書体がどのように構想され、制作され、世に出ていったのかを図版とともに丁寧に解説。未発表に終わった書体案や100点以上のロゴも掲載。
30 Years of Swiss Typographic Discourse in the Typografische Monatsblatter: TM RSI SGM 1960-90
スイスの代表的タイポグラフィ誌『TM(Typografische Monatsblätter)』の1960〜1990年を振り返る資料集。スイス・タイポグラフィが国際的に広がっていく過程を、誌面デザインや論考を通してたどっている。エミール・ルーダーやヴォルフガング・ヴァインガルト、ヨスト・ホフマンらによる作品をはじめ、各号の表紙や誌面構成も多数収録。技術革新や思想の変化とともに揺れ動いた30年間のスイス・グラフィックデザインの動向を、具体的なビジュアルとともに伝えている。
Diane Arbus: The Libraries
アメリカの写真家ダイアン・アーバスが生前に集めていた蔵書や所持品を撮影し、そのままの配置で紹介するユニークな一冊。国際巡回展「Diane Arbus: Revelations」で展示された書棚をもとに構成され、本や写真集、ノート、オブジェ、ショルダーバッグなど、多様なアイテムがアコーディオン式のページに美しい図版として並ぶ。スーザン・ソンタグが「図書館は頭の中の地図」と語ったように、アーバスの棚に並ぶ物は、彼女の興味や思考の軌跡を静かに映し出している。
Walead Beshty: Works in Exhibition 2011–2020
ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、ワレード・ベシュティの近年の作品をまとめた作品集。スイス・ヴィンタートゥール美術館での展覧会にあわせて刊行されたもの。幾何学的で工業的な造形を用いながら、制作から輸送、展示、流通に至るまでの過程を作品の一部として捉えている。初公開作を含む近作に加え、フォトグラムやFedEx彫刻など代表作も収録。制作と流通の関係を意識させるベシュティの表現を紹介、
Theaster Gates: A Clay Sermon
シカゴを拠点に活動するアーティスト、シアスター・ゲイツの作品集。2005年以降の陶芸作品や共同プロジェクト、大規模な彫刻・インスタレーションに焦点を当て、2021年にホワイトチャペル・ギャラリーで開催された展示の内容を記録している。粘土という素材を、地質から器、社会的実践へと読み替える姿勢は、制作・アーカイブ・都市再生を横断するゲイツの活動と強く結びつく。歴史的陶磁器との対置や論考を通して、ものづくりと社会的行為の接点を丁寧に紹介している。