Vincent Van Duysen Works 1989-2009
ベルギー出身の建築家・デザイナー、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによる1989年から2009年までの仕事をまとめた作品集。ベルギーをはじめアメリカなど世界各地で手がけた住宅、オフィス、商業空間など30件を収録する。素材の質感や光の濃淡を生かし、ミニマルでありながら人間的な温もりを宿すデザインが特徴。石や木、布といった自然素材の静謐な調和が生み出す空間の詩情を、美しい写真とともに辿る一冊。
目のまえのつづき | 大橋仁
写真家・大橋仁による作品集。父の自殺未遂という出来事を契機に、私的な時間を記録したもの。過度な演出を排した画面には、揺らぎを抱えた日常がそのまま置かれている。痛みを直接語るのではなく、目の前にある光景を積み重ねることで、生の輪郭がかすかに立ち現れる。個人的な経験から出発しながらも、見る者それぞれの記憶に触れる余白を残す写真集。
いま | 大橋仁
写真家・大橋仁による写真集。1年8ヶ月にわたり、妊婦と医療現場の協力のもと10人の出産の瞬間を撮影し、あわせてある幼稚園の園児たちの姿を四季を通して記録している。誕生の現場と強い光を放つ子どもたちの姿という、生の始まりと日常の時間が交差する場面を正面から捉え、「命」に向き合う。
1986 ソフトカバー版 | 上田義彦
写真家・上田義彦が1986年、ニューヨークでモデルのマリー・ソフィー・ウィルソンを撮影した作品をまとめた一冊。平田暁夫のハットを纏う姿や、飾り気のない衣装のまま真っすぐこちらを見つめる表情など、若き上田の感性がとらえた端正で凛とした美が収められている。光の差し込みや背景の静けさといったわずかな要素が、被写体の存在をより鮮明に浮かび上がらせ、時間の層が静かに重なっていくような余韻を生む構成となっている。
Herman de Vries: Les Livres et les Publications
オランダ出身のアーティスト、ヘルマン・デ・フリースの出版活動をまとめた資料集。1950年代にアンフォルメルの画家として出発し、やがて植物や土、石といった自然物へと関心を深めていった作家の歩みを、書籍やアーティストブック、印刷物からたどる。採集された素材は、ボタニカル、医学、歴史、精神文化など複数の視点と結びつき、作品は自然と芸術の境界を静かに揺さぶってきた。本書は絵画やインスタレーションとは異なる、紙媒体を通した実践に焦点を当て、デ・フリースの思考の広がりを刊行物とともに追う。
The Kinfolk Home: Interiors for Slow Living | Nathan Williams
ライフスタイル誌『Kinfolk』によるインテリアブック。世界各地の40軒の住まいを、美しい写真と丁寧なインタビューを通して紹介する。森の中の小屋、都市のアパートメント、多世代が暮らす家など、異なる環境や文化の中で育まれた“スローリビング”の思想を探る内容。インテリアの紹介のみにとどまらず、住まいにまつわるエッセイや回想、レシピも収録し、「家」が人と人、人と場所を結びつける場であることを伝えている。
Table Stories: Tables for All Occasions
世界各地で活躍する22人のアーティストが手がけた、100を超えるテーブルシーンを紹介するビジュアルブック。子ども向けパーティーからウェディング、クリスマスディナー、夏のガーデンパーティーまで、さまざまな場面に応用できるアイデアが豊富に盛り込まれている。形式よりも、心を込めてしつらえたカジュアルなエレガンスを重視し、食卓を囲む時間に生まれる喜びや温かな交流を引き立てる構成。各アーティストの個性が際立つテーブルコーディネートに加え、実践的なヒントやスタイリングの工夫も共有され、日常から特別なイベントまでの演出を豊かに広げている。
Bruno Munari’s ZOO
アーティストでありデザイナー、そして絵本作家でもあったブルーノ・ムナーリによる絵本。カンガルーやシマウマ、ラクダなどの動物たちを、簡潔で大胆なフォルムと鮮やかな色彩で描いている。子ども向けの作品でありながら、タイポグラフィやレイアウトの工夫が随所に見られ、デザインブックとしても読み応えがある1冊。
青木淳 Jun Aoki Comlete Works 1
ルイ・ヴィトンや青森県立美術館などを手がける建築家、青木淳の初となる作品集。全37作品を、220枚を超えるカラー写真と図面、資料、バイリンガルテキストで紹介する。商業建築から美術館まで、都市と建築の関係を探る実践を年代順に収録。阿野太一、中川敦玲、蜷川実花、ホンマタカシらによる写真を通して、空間の質感や光の扱いを伝えている。
柳本浩市 ARCHIVIST
2017年、東京・自由が丘のsix factoryで開催された、デザインディレクター・柳本浩市の追悼展示にあわせて刊行された書籍。〈アーキヴィスト〉=“モノ”を収集・整理・評価し、未来へとつなげる存在として柳本の活動を捉え、遺品や資料を通してその軌跡を紹介する。1964年東京オリンピックのパンフレットや入場券、アメリカのスーパーの紙袋やガムの包装紙、スプーンなど、膨大な蒐集品から見えてくる視点と思想をまとめた一冊。
Composition with Yellow Verticals | Mark Manders
オランダのアーティスト、マーク・マンダースによる作品集。2020年にボネファンテン美術館での回顧展「The Absence of Mark Manders」にあわせて刊行され、彫刻やインスタレーションを中心に代表作を収録。静謐で時間が停止したかのような人物像や、断片化されたオブジェの配置など、マンダース特有の詩的世界観を豊富な図版で紹介。スケッチやスタジオ風景も交え、制作のプロセスや思考の痕跡に触れられる一冊となっている。
アートディレクター デザイナーのラフスケッチ188
国内の第一線で活躍するアートディレクター、デザイナー151組による188例のデザインの仕事と創作のプロセスを集めたデザイン資料集。広告、ブックデザイン、パッケージ、ロゴタイプなどのカテゴリ別に、デザインを完成させるためのラフ、スケッチ、アイデアメモ、モックアップ、カンプなどを豊富な図版と解説で紹介。
ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み
2021年にギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された展覧会の図録。ルーマニア出身のイラストレーター、ソール・スタインバーグの作品を紹介する。1940年代から晩年までのドローイングを中心に、ポスター、リトグラフ、エッチング、木版画などを収録。ニューヨークのソール・スタインバーグ財団所蔵作品や和田誠旧蔵資料も含め、ユーモアと風刺をたたえた表現をたどる。
The Grotta Home by Richard Meier: A Marriage of Architecture and Craft
建築家リチャード・マイヤーが設計したグロッタ邸を紹介する一冊。現代スタジオジュエリーや木工、陶、ファイバー作品を収蔵する住まいとして構想された建築を取り上げる。ガラスとコンクリートを基調とする開放的な構成のなかに、コレクションを組み込む設計。自然光と周囲の風景を取り込みながら、建築と工芸がどのように関係を結ぶのかを検証する。豊富な写真とテキストを通して、空間と作品が一体となった住環境のあり方をたどる内容。
Arne Jacobsen: Arkitekt & Designer
デンマークを代表する建築家・デザイナー、アルネ・ヤコブセンの作品集。1929年から始まる建築プロジェクトを中心に、家具、照明器具、カトラリーなどのプロダクトデザインに至るまで、多岐にわたる創作活動を多数の図版とともに紹介。機能美を追求しながらも詩的な造形を実現したヤコブセンの仕事を、スケッチや設計図、写真資料と解説を通して総覧できる内容となっている。英語、デンマーク語表記。
Ben Shahn: His Graphic Art
20世紀アメリカを代表する画家、ベン・シャーンのグラフィック作品をまとめた作品集。ペン画、デッサン、書籍の挿絵など、絵画と印刷の領域を往還しながら生み出された作品をカラーおよびモノクロ図版で多数収録している。社会的主題への鋭い眼差しと、人間への共感に満ちた詩的な線描が交錯し、シャーン独自の造形言語の展開を浮かび上がらせている。
国境 Staatsgrenze シュターツグレンツェ 1981-1983 | 古屋誠一
写真家・古屋誠一による作品集。2014年にドイツのハイデルベルガー・クンストフェラインで開催された個展にあわせて刊行されたもの。1981年から1983年にかけて、オーストリアとハンガリー、ユーゴスラヴィア、チェコスロヴァキアの国境地帯で撮影されたシリーズ「国境 1981–1983」に、新たに6点を加えた全29点を収録。当時、ベルリンや東西ドイツの分断が大きく報じられるなか、静かな農村風景の中にひそむ境界の現実を写し出す。
GA No.34 リチャード・マイヤー:ダグラス邸
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第34号。アメリカを代表する建築家リチャード・マイヤーが手がけたダグラス邸を紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストはポール・ゴールドバーガーが担当している。
GA No.33 ブルース・ガフ:バーベンジャー邸&プライス邸
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第33号。アメリカの建築家ブルース・ガフ手がけた、バーベンジャー邸&プライス邸を紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストはがブルース・ガフが担当している。
Black & White in Wadaland 和田誠モノクローム作品集
グラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠によるモノクローム作品集。挿絵、ポスター、レコードジャケット、映画の絵コンテ、旅のスケッチや下描きまで、媒体を横断して制作された約3000点を収録する。星新一や谷川俊太郎らの書籍装画、日活名画座のポスターなど、時代を彩った仕事の数々が、黒と白のみの画面に凝縮される。線の強弱、余白の扱い、ユーモアを含んだ視線が際立ち、色を排したことでかえって造形の骨格が浮き彫りになる。和田誠の仕事を根底から支える思考と感覚を、圧倒的な図版量で体感できる。
デザイナーと道具 | 佐藤卓
クリエイターが日々の制作で用いる道具に焦点を当てた一冊。2005年にデザインギャラリー1953で開催された展覧会「デザイナーと道具」展を書籍化したもの。安西水丸、勝井三雄、永井一正、仲條正義、原研哉、深澤直人らをはじめ、イラストレーター、デザイナー、造形作家など43名が参加。筆記用具やスケッチとともにコメントを掲載し、思考と手の動きを支える道具の存在に光を当てる。
マルセル・デュシャン展 反芸術「ダダ」の巨匠 見る人が芸術をつくる
1981年、高輪美術館の移転開館を記念して開催された日本初のマルセル・デュシャン展の公式図録。1913年の代表作「階段を降りる裸体」以降の活動を軸に、絵画からレディメイド、オブジェ、ドローイングまでを収録している。芸術の創造と破壊を自在に行き来し、見る者の意識に問いを投げかけるデュシャンの歩みを豊富な図版と解説で紹介。カラーとモノクロを織り交ぜた作品群は、反芸術的態度を貫きながらも現代芸術の可能性を切り拓いた稀有な存在としての姿を鮮明に伝えている。
Lunch Lady Issue 11
前向きに子育てと向き合うためのインスピレーションやアイデアを届ける雑誌『Lunch Lady』第11号。色彩豊かな写真やアート、レシピや子ども向けクッキングアイデア、そして子育ての喜びや葛藤をユーモラスに綴ったエッセイまで、豊富なコンテンツを収録。トマトのワンポットパスタやバナナパンケーキ、月曜から金曜までの夕食プランなど、見た目も華やかなレシピを紹介。自然素材を使ったネイチャークラフト、科学と睡眠の関係性など、親子の知的好奇心をくすぐるテーマも充実した一冊。
大衆文芸図誌 装釘・挿絵にみる昭和ロマンの世界 | 八木昇
大衆文芸研究家・八木昇によるビジュアル資料集。装丁や挿絵に着目し、昭和期に刊行された書籍や雑誌を選集する。夢野久作、大佛次郎、江戸川乱歩らの著作をはじめ、『サンデー毎日』『平凡』などの誌面も収録。カバー意匠やイラストレーション、タイポグラフィを手がかりに、昭和ロマンの視覚文化をたどる。出版物を通して時代の気分と大衆文化の広がりを読み解く一冊。
MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事
2016年に開催された展覧会にあわせて刊行された公式カタログ。1970年の三宅デザイン事務所設立以降、初期から最新プロジェクトに至るまでの代表作を通して、その創作の軌跡をたどる。「一枚の布」と身体の関係を出発点に、素材研究や技術開発を重ねながら展開してきた衣服づくり。チームによる実験的な試みやプロセスも紹介し、革新性と着心地を両立させる思想を整理する。
上野伊三郎+リチ コレクション展 ウィーンから京都へ、建築から工芸へ
2009年に開催された展覧会の図録。建築家・上野伊三郎と、テキスタイルや陶器、ガラスなど多分野で活動した上野リチの仕事を紹介する。リチの代表作を中心に、ウィーンから京都へと至る歩みを資料と図版でたどる。京都インターアクト美術学校に保管されてきた未公開の建築図面や蔵書、作品群、さらには日本インターナショナル建築会の機関紙『インターナショナル建築』も収録し、夫妻の活動の全体像を検証する。
美と知のミーム、資生堂
1998年に東京・六本木のオリベホールで開催された展覧会の公式図録。西洋風の調剤薬局としての創業期に始まり、医薬品、雑誌広告、ポスター、香水瓶など、資生堂が生み出してきた多様なデザイン資料を豊富なカラー写真で紹介。企業の歩みとともに培われた「知と美の歴史」を辿り、日本のモダンデザインや広告文化の発展に果たした役割を改めて浮き彫りにする。
半建築 | 長坂常
国内外で注目を集める建築設計事務所「スキーマ建築計画」の主帝、長坂常による著書。Sayama Flat、ブルーボトルコーヒー、HAY、東京都現代美術館のサイン什器・家具など、数々の店舗や住宅の設計に携わってきた長坂常によるものづくりへの姿勢を、「半建築」というキーワードのもと記した一冊。
カートンデザイン | 斎藤日出男
世界の紙箱パッケージを収録した資料集。著者・斎藤日出男が東京、神戸、サンフランシスコ、ロンドンのスーパーマーケットを巡り、実際に収集・選定したカートンデザインを250点以上フルカラーで掲載。商品陳列の現場から抽出された事例を通して、色彩設計やタイポグラフィ、ロゴの扱いなど、売場における視覚戦略を俯瞰する。
かがやきの瞬間 ニュー・スナップショット
2010年から2011年にかけて開催された展示のカタログ。写真というメディアの基本でありながら、いまなお新しい可能性を切り拓く「スナップショット」に焦点を当てる。「スナップショット」の伝統をふまえ、未来へのエレメントを探る6名の新進作家を紹介。多様な作品を通して「ニュー・スナップショット」として進化を続けるその魅力を伝える。中村ハルコ、小畑雄嗣、白井里実、池田宏彦、結城臣雄、山城知佳子らが参加。
かざる日本 | 橋本麻里
美術、工芸にとどまらず、音や香り、味覚までを射程に入れ、「かざり」という行為を多角的に考察する一冊。組紐、香木、茶室、水引折形、和食などを取り上げ、図版とテキストでその背景をたどる。日常の場に非日常を呼び込み、空間や時間の質を変える営みとしての「かざり」。色や形、匂い、響きといった感覚の要素が、どのように意味や気配を帯びるのかを検証する。
わたしの家はあなたの家、あなたの家はわたしの家
2001年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された展覧会の図録。「家」という身近な空間を、他者との関係や社会の変化のなかで捉え直すことをテーマに、アジアとヨーロッパのアーティストたちが参加した。グローバル化や移動の加速を背景に、帰る場所としての家から、アイデンティティと結びついた概念としての家まで、その意味の揺らぎに目を向ける。図録はテキスト編と展示記録編の二分冊構成。論考や対談、図版、会場風景写真を通して、思想と空間の両側面から展覧会の全体像を伝える。
アイスランド | 横山裕一
漫画家・美術作家、横山裕一による作品集。2015年刊『世界地図の間』に連なる物語として構想され、特定の国名を示さない極北の高緯度地帯を舞台に展開。氷に覆われた風景のなか、巨大な鮫や奇妙な乗り物、無機質な建造物が現れ、登場人物たちは淡々と行動する。大胆に配されたオノマトペ、硬質な線で刻まれる時間の推移、腕時計や車体に至るまで描き込まれたディテールが、ページごとに緊張感を生み出している
Several Drawings on Top of Each Other | Mark Manders
オランダのアーティスト、マーク・マンダースによる作品集。鉛筆で描かれたドローイング作品を整然と配置し、ページを通して思考の流れをたどる構成となっている。差し込まれたテキストには作品に関するエッセイを収録。反復と余白のなかに、マンダースの内面へと向かう視線が感じられる内容。1400部限定発行。
Talking to Myself | Yohji Yamamoto
国際的に活躍するファッションデザイナー、山本耀司の作品集。ファッションフォトや制作風景、デッサンに加え、人物伝や自身の言葉を収録し、その思考の軌跡をたどる内容となっている。1981年から2002年までに発表したコレクションをまとめた別冊も付属。ページには手書きの文字やスケッチが織り込まれ、黒を基調とする造形観や「反ファッション」という姿勢が随所にあらわれる。
Rei Kawakubo/Comme des Garcons: Art of the In-Between
1969年にプレタポルテブランド、コム・デ・ギャルソンを設立したデザイナー・川久保玲の作品集。自己と他者、物体と主体、アートとファッションなど、二元的なものの間に存在する川久保玲の作品とその魅力について、豊富な図版を用いて紹介。アイデンティティやファッション性の概念を定義する厳格な挑戦、絶え間ない創造を記録している。英語表記。
Chloe Sevigny
女優、ファッションモデルとして活躍するクロエ・セヴィニーのスタイルを総覧する写真集。1990年代初頭、『Sassy』誌のモデルやソニック・ユースのMV出演をきっかけに注目を集め、以来30年以上にわたりダウンタウン・カルチャーのミューズとして存在感を放ち続けるセヴィニー。本書ではミュウミュウやクロエなどのファッションシュートに加え、友人によるプライベートフォトやキャスティング用フライヤー、ジンの断片までを収録。
Still | Thomas Struth
ゲルハルト・リヒターやベッヒャー夫妻のもとで学んだドイツの写真家、トーマス・シュトゥルートの写真集。花のクローズアップ、都市の街路、家族のポートレート、美術館の内部など、多様な主題を横断する代表作を収めたアメリカでの初期主要モノグラフにあたる。1980年代初頭の無人の街路や建築を写したモノクロ作品から、その後のカラーによる大画面の制作までを収録。公共と私的、匿名性と親密さとが交差する場面を通して、シュトゥルートの写真観を伝えている。
New Pictures from Paradise | Thomas Struth
写真家トーマス・シュトゥルートによる「Paradise」シリーズをまとめた作品集。中国、日本、オーストラリア、ブラジル、ドイツなどで撮影された森林やジャングルの風景を収録し、全25点をフルページで掲載している。人の姿を排し、鬱蒼とした植生や水辺の細部まで丁寧に捉えた写真は、自然という概念そのものに目を向けさせる。心理学者インゴ・ハルトマン、美術史家ハンス・ルドルフ・ロイストによる論考も収録し、理想化された自然像やその背景をめぐる視点を補足。
トーマス・ルフ展
2016年から2017年にかけ、東京国立近代美術館と金沢21世紀美術館で開催された「トーマス・ルフ展」の図録。アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートらとともにデュッセルドルフ芸術アカデミーでベッヒャー夫妻に学んだトーマス・ルフ。1990年代以降、現代写真を牽引してきてきた氏の初期作から最新作までを一挙に収録。巨大なポートレート、建築、ヌード、天体などをモチーフにした作品を通し、写真表現や人間の認識そのものに問いを投げる。
Einmal | Win Wenders
ドイツの映画監督、ヴィム・ヴェンダースによるフォト・エッセイ集。映画のロケ地や旅先など、世界各地で撮影した写真と、「かつて…」という書き出しで綴られる44のエッセイを収録する。風景と記憶、時間の断片を結び合わせた構成は、読む者にヴェンダースの旅に同行しているような感覚をもたらし、静かなロードムービーのような余韻を残す。
Die Sachfotografie | Willi Moegle
ドイツの職業写真家の先駆者、ヴィリー・メーグルの作品集。戦後ドイツにおけるザッハフォト(客観写真)の代表的存在として知られ、食器や家具、ガラス器、工業製品などを撮影した157点を収録。無駄を削ぎ落とした画面と整えられた光によって、製品そのもののかたちや質感を丁寧に写し出してきた。プロダクト写真に加え、工場施設の写真や自由制作も掲載。
Maya Textiles from Guatemala
グアテマラに暮らすマヤの人々による織物文化を紹介する一冊。豊富なカラー図版とともに、地域ごとに異なる文様や色彩、衣装の形式を収録している。刺繍や織りの技法、染色の工程、素材の選択など、制作の背景にも光を当てる。民族誌的視点からマヤ社会の歴史や生活環境にも触れ、織物が共同体の中で果たしてきた役割を読み解く。
La Mormaire | Richard Serra, Dirk Reinartz
アメリカの現代彫刻家リチャード・セラと、写真家ディルク・ラインアーツによる作品集。フランス・パリ近郊のシャトー「La Mormaire」に設置されたセラの大型屋外彫刻を、制作過程から完成まで記録。鋼鉄の質感やスケール感を捉えた迫力ある図版と、制作の背景や理念を解説するテキストにより、セラの造形思想と制作プロセスを余すところなく伝えている。