ミルトン・グレイサーにゴードン・マッタ=クラーク、ジョン・バルデッサリ、草間彌生、音楽グループThe Two Bears、料理本作家のアニッサ・ヘロウ、映画監督のレス・ブランクなど、登場する人物もいわゆる食雑誌とは異なり業界も様々。
フード誌らしいシズル感たっぷりの料理写真や、手取り足取りなレシピ紹介、ロンドンでおすすめのレストラン情報などは一切なし。紙面で語られるのは「食」単体についてではなく、たとえばそれは食事を含めた人々の営み、作品制作の根底に存在する食の記憶、食という行為からアートやカルチャーへと広がるエネルギー、食材そのものがもつ可能性。アートやデザインといった垣根を軽々飛び越えた視点は、まさにインスピレーションの宝庫です。
全号・全記事、飽きのこないおもしろい内容なので、「まずはどれか一冊…」と思っている方はぜひ直感で選んでみてはいかがでしょう。表紙をめくった扉頁に、毎号異なる人物による食にまつわる一言が添えられていますよ。細部までどうぞお見逃しなく。