ブックレビューBOOK REVIEW

ハンマースホイが描いた静寂と気配。
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ハンマースホイが描いた静寂と気配。

Hammershoi and Europe

来る1月21日、心待ちにしていた展示が東京都美術館で始まります。「ハマスホイとデンマーク絵画」、昨年この展示の告知が流れてから、2020年がどれだけ待ち遠しかったか。

一番見るのが楽しみなのは、はやり妻であるイーダを後方から静かに見つめた作品でしょうか。表情が見えないことからくる不穏さや不安さは感じられず、そこに漂うのはむしろ愛情に満ちた柔らかな眼差し。不思議な安心感と静かに透き通った空気に包まれて、そこに流れる穏やかな時間や生活をつい想像してしまいます。
この作品と鑑賞者との絶妙な距離感も、ハンマースホイ作品の魅力のひとつ。あぁ、早く展示を見ながら生の気配を感じたいなぁ。本書で代表作や氏の私生活、そして同時代に活躍した画家などを予習しながら、開催の日を待ちたいと思います。

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ノストスブックス店長。前職では某テーマパークのお姉さんや、不動産会社の営業をしていました。小説とクラシックなものが好き。一緒に、好きだと思えるものを沢山見つけましょう。