憧れの作家の作品を装丁してみたい。デザイナーなら誰もが抱く願望なのではないでしょうか。
本書はそんな夢を一挙に叶えた贅沢な1冊。日本漫画界の巨匠、手塚治虫の作品カバーを、日本図書設計家協会員90名がオリジナルデザインする、という企画展の図録です。
お題としてセレクトされたのは、「ふしぎなメルモ」、「奇子」、「アドルフに告ぐ」、「どろろ」、「紙の砦」、「陽だまりの樹」、「ユフラテの樹」、「メトロポリス」、「リボンの騎士」、「火の鳥」の10作品。
とじ込み状のページを開くと、表紙・背・背表紙が現れる仕組み。同じタイトルの作品でも、全く異なる印象。装丁家たちの個性が浮かびます。株式会社竹尾の協力により、印刷に使用した紙の銘柄が記載されているのも嬉しいポイントです。
...なんだか手塚作品をがっつり読みたくなってきました。年末年始は「火の鳥」を再読しようかしら。