「The Warhol Look」。そんな潔いタイトルの中に、アンディ・ウォーホルが築いたなんとも濃密なファッション、カルチャー、アートの歴史が集約されています。
幼い頃からハリウッドのファン雑誌やスターの写真集を収集し、華やかなファッションの世界に魅了されていたウォーホル。ニューヨークに移住後、50年代に広告と商業イラストの世界に足を踏み入れ、1960年代にポップアートの旗手としてその知名度を決定的なものにします。そんな軌跡を物語るハーパース・バザーのためのイラストレーションや、かの有名なマリリン・モンローのシルクスクリーンの元となったスチール写真といった資料がずらり。
ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョンズらが同時期に手がけていたウィンドウディスプレイもすごくかっこいい。
60年代に構えられたスタジオ「ファクトリー」時代も見応えがありますが、70年代のクラブやパーティーシーンを垣間見ることができるのもなかなか貴重なのでは。
ファッションがウォーホルの作品と人生にどれほど大きな影響を与え、そしてウォーホル・スタイルが現代のアーティスト、デザイナーなどにどのような影響を与えたのか。
作品集とはまた違った角度で、“あのウォーホルをウォーホルたらしめたもの”を知るにはとてもいい資料だと思います。