ブックレビューBOOK REVIEW

極北彷徨。高橋ヨーコがうつす冬。
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極北彷徨。高橋ヨーコがうつす冬。

WHITE LAND

高橋ヨーコ

きん、と耳が痛むほどの静けさ、目を焼く雪の白さ。
本日のおすすめは、そんな冬を愛するひとに捧げたい1冊です。

本書「WHITE LAND」は、特にシベリアや東欧へ精力的に旅し、日常風景を記録している写真家・高橋ヨーコの写真作品集。モスクワ、根室、カザフスタン、ミンスクなどの極寒の地を24年間にわたってめぐり撮りためた景色を記録しています。

見渡すかぎりの雪原、凍てついた湖、雪に埋もれそうな街、人々のいきづかい。作品には、見知らぬ北の地を彷徨う不安と孤独、厳しくも美しい景色に出会った瞬間の感動がみごとに写し取られています。

さて、冬。朝晩はめっきり寒くなって、みなさまそろそろ冬支度をはじめるころでしょうか。

ノイズに邪魔されることなく、孤独感と引き換えに没入感を得られる季節の到来です。わくわくします。おっと、その前に、今年こそは加湿器を買わねば。

Yagyaのアルバム「Rhythm of Snow」を流しつつ。

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ブックディレクター。古本の仕入れ、選書、デザイン、コーディング、コラージュ、裏側でいろいろやるひと。体力がない。最近はキュー◯ーコーワゴールドによって生かされている。ヒップホップ、電子音楽、SF映画、杉浦康平のデザイン、モダニズム建築、歌川国芳の絵など、古さと新しさが混ざりあったものが好き。