現代アート好きだけではなく、生活工芸、骨董、民芸好きなみなさまにこそぜひ手にとっていただきたい1冊。
美術家であり、画商であり、企業家でもある村上隆。精力的な活動のかたわら、作品蒐集にも心血を注いでいます。そのコレクションは、10数年前のある日、北大路魯山人の椀を入手したところから始まりました。
それが今や5000点を越える数に。すごい情熱です。国内外の現代美術だけにとどまらず、アンティーク家具、アジアの骨董、日本の古美術、陶芸作品など、多様性に富みすぎな村上コレクション。由緒あるものからガラクタまで、心の琴線に触れたものを集め、悦に入り、新しい価値を授ける。まるで現代の千利休ではないですか。とてもチャーミング。
美意識のもとになっているものはなにか。コレクションという行為は何を表しているのか。そして、モノの価値とはなにか。ページ越しの玉石混交な品々はそういった無数の問いを投げかけてくるのです。