芸術家の頭の中って気になりませんか?
事実は小説よりも奇なり、といいますが芸術家の人生観や仕事術、あるいは同時代の社会についての意見の数々は、小説のように物語として読むことができます。
自分にはなかった見方や生き方を知ることでやる気をもらったり納得したりと、新たな発見と興味の入口には最適なのではないでしょうか?
本日はそんな芸術家たちのエッセイをご紹介します。
機械仕掛の神
人形作家・四谷シモンのエッセイ集。15歳で家出をし、ロカビリー歌手や状況劇団の役者などを経て人形作家へ。澁澤龍彦や金子國義のつながりから四谷シモンを知ったのですが、改めて本書を読んでみて、人形をつくることになった過程が理解できました。
人形を作ることは死と関連がある。自らの死に立ち合いたいという願望を叶えてくれるはずの人形は、完成した瞬間、まったく自分が入り込む余地のないものとなってしまう。そこが美しく感動的だと四谷シモンはいいます。
「私は、人形愛という病気を信じている。」
自分の興味の対象に病的に執着する一方で、人形学校運営について、「決まった時間に決まったことをするなどという事は、人のやるこっちゃあありません」と愚痴ります。うまく続くかどうかわからないと語っているのは1978年ですから今年で29年。ちゃんと続いてますね。
こちらの動画は、四谷シモンが語り手として出演しています。澁澤龍彦周辺の話、とても面白いので興味のある方はぜひ。
澁澤龍彦が紹介した記事を見て今まで作った人形をすべて捨てた、というぐらい衝撃を受けたというハンス・ベルメールの球体関節人形も不思議な魅力があります。
人形を作ることは死と関連がある。自らの死に立ち合いたいという願望を叶えてくれるはずの人形は、完成した瞬間、まったく自分が入り込む余地のないものとなってしまう。そこが美しく感動的だと四谷シモンはいいます。
「私は、人形愛という病気を信じている。」
自分の興味の対象に病的に執着する一方で、人形学校運営について、「決まった時間に決まったことをするなどという事は、人のやるこっちゃあありません」と愚痴ります。うまく続くかどうかわからないと語っているのは1978年ですから今年で29年。ちゃんと続いてますね。
こちらの動画は、四谷シモンが語り手として出演しています。澁澤龍彦周辺の話、とても面白いので興味のある方はぜひ。
澁澤龍彦が紹介した記事を見て今まで作った人形をすべて捨てた、というぐらい衝撃を受けたというハンス・ベルメールの球体関節人形も不思議な魅力があります。
芸術起業論
賛否両論巻き起こした本書ですが、村上隆のビジネス的側面が強く打ち出されているだけで言っていることは理にかなっています。
何かをやる根拠の濃度を高める、業界の歴史を調べ、理解する、自分のボジションをつくる、継続するために経済的自立をする。
この「芸術」という言葉を自分の仕事ややりたいことに置き換えるととてもしっくりきます。 「経済的自立がないと、駒の一つになる」というのはまさに何にでも当てはまりますよね。
欧米の美術史と日本の美術史の違いや、「Miss ko2」のフィギュア・プロジェクトの話など、試行錯誤を感じられて興味ふかく読めました。
この「芸術」という言葉を自分の仕事ややりたいことに置き換えるととてもしっくりきます。 「経済的自立がないと、駒の一つになる」というのはまさに何にでも当てはまりますよね。
欧米の美術史と日本の美術史の違いや、「Miss ko2」のフィギュア・プロジェクトの話など、試行錯誤を感じられて興味ふかく読めました。
反美的生活のすすめ
横尾忠則と池田満寿夫を二泊三日で箱根に籠らせ、語らせた対談集。人生、社会、芸術に対する独自の見方、お互いの芸術論を赤裸々に語ります。
まず、目次タイトルに興味を惹かれます。
「ダリよりマグリット」「コラージュの方法論」「絵の描けるやつと描けないやつ」「アメリカ現代美術批評」「強引さと妥協的と」「表現主義とサンボリスム」etc...
横尾:はっきり言って、文字の入れ方が池田さん、わかっていないんですよ。
池田:そうなのよ。それは僕は村上龍に言われたわけよね。
横尾:いや、村上龍もそうなんですよ。
パターン化すること変えたいという横尾忠則の破綻というワードから派生して、文字、装丁の話へ移っていく中の会話。ここから芸術論に移る流れが面白かった。横尾忠則がキレキレです。
横尾:〜僕は本を出したらパッと受け取って開きもしないで、そのままポンと投げるんだよ、あのじいさん、すごいショックだったですよ。
池田:それはそうだね。
横尾:もうこのまま蹴飛ばして帰ろうかなと思ったけどさ、〜。
ダリに会った時の話から悪口へ発展、ヘンリー・ミラーは良い、あのおじいちゃんは良いおじいちゃん、からの宗教へ。 際限なく続く会話は芸術論からゲスい話まで縦横無尽に広がります。質問しあい答え合う2人の生の声、おすすめです。
まず、目次タイトルに興味を惹かれます。
「ダリよりマグリット」「コラージュの方法論」「絵の描けるやつと描けないやつ」「アメリカ現代美術批評」「強引さと妥協的と」「表現主義とサンボリスム」etc...
横尾:はっきり言って、文字の入れ方が池田さん、わかっていないんですよ。
池田:そうなのよ。それは僕は村上龍に言われたわけよね。
横尾:いや、村上龍もそうなんですよ。
パターン化すること変えたいという横尾忠則の破綻というワードから派生して、文字、装丁の話へ移っていく中の会話。ここから芸術論に移る流れが面白かった。横尾忠則がキレキレです。
横尾:〜僕は本を出したらパッと受け取って開きもしないで、そのままポンと投げるんだよ、あのじいさん、すごいショックだったですよ。
池田:それはそうだね。
横尾:もうこのまま蹴飛ばして帰ろうかなと思ったけどさ、〜。
ダリに会った時の話から悪口へ発展、ヘンリー・ミラーは良い、あのおじいちゃんは良いおじいちゃん、からの宗教へ。 際限なく続く会話は芸術論からゲスい話まで縦横無尽に広がります。質問しあい答え合う2人の生の声、おすすめです。
反美的生活のすすめ
- 著者
- 池田満寿夫、横尾忠則
- 出版社
- 河出書房新社
- 発行年
- 1977年
池田満寿夫と横尾忠則による対談集。「絵の描けるやつと描けないやつ」「コラージュの方法論」など、タイトルからして興味を引かれる一冊。