アレック・ソス『Sleeping by the Mississippi』発売記念:MACKとドキュメンタリーフォト
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アレック・ソス『Sleeping by the Mississippi』発売記念:MACKとドキュメンタリーフォト

山田です。ソール・ライターや荒木経惟に続き、新たに写真集のフェアが決定しました。

今回ピックアップするのは、写真集『Sleeping by the Mississippi』で知られるアレック・ソスと、同書をこの秋復刻させたイギリスの出版社/MACK(マック)です。



アレック・ソスについて

アレック・ソスは1969年生まれのアメリカの写真家です。2008年よりフォトジャーナリスト集団/マグナム・フォトの正規会員として承認され、作家活動の傍ら新聞や雑誌でも活躍しています。氏の手がけるドキュメンタリーフォトは、静かで真っ直ぐな眼差しを向けることにより、深いメッセージを刻み込んでいることが特徴として挙げられるでしょう。

『Sleeping by the Mississippi』 Alec Soth

『Sleeping by the Mississippi』 Alec Soth

初めての写真集にして代表作である『Sleeping by the Mississippi』は、アメリカ・ミシシッピ川沿いのロードトリップを中心として、アメリカのアイコン的役割を果たすがゆえにむしろ忘れられがちな「サード・コースト(第3の海岸)」をとらえた作品です。その地で生きる人々や風景、建物の中を大判のカラー写真で贅沢かつ丁寧に、豊かに描き出し、五感に訴えかけてくるような被写体の生々しさとともに、一貫して孤独や切望、幻想といった人間の内側が物悲しくも露わになっています。オリジナル版は2004年にSteidl(シュタイデル)より出版され、絶版となった今では簡単に手に入れることのできなくなるなど、その人気の高さが窺えます。

『Sleeping by the Mississippi』 Alec Soth

MACKについて

MACKは、2011年の創設ながら今や写真界を牽引する重要な出版社の一つです。創設者であるマイケル・マックは、Steidl(シュタイデル)のディレクターを17年務めたのちに独立。師であるゲルハルト・シュタイデルの意志を受け継ぎ、作品や作家の分身としての本づくりに力を入れています。

また、若手写真家のために「First Book Award」を創設するなど、新進気鋭の作家を積極的に取り上げることでも知られており、ブックデザインも含めてこれまでとはアプローチの異なるドキュメンタリーフォトブックを数多く世に送り出しています。


9月4日(月)から9月28日(木)のフェア期間中は、『Sleeping by the Mississippi』の他に、同じくMACKより刊行された新刊のドキュメンタリーフォトブックとポストカード、ノートブックなどのステーショナリーを期間限定で展開します。また、古書ではソスも所属するマグナム・フォトのほか、国内外の写真家による新旧のドキュメンタリーフォトをラインナップします。

アレック・ソスの写真集では、プリントと函付きのスペシャル・エディションも入荷。なかなか手に入らない貴重なものですので、この機会にぜひご覧ください。

『Looking for Love, 1996』 Alec Soth

『Dog Days Bogota』 Alec Soth

なお、店頭にお越しの方は、サンプル落ちとなったMACKの一部書籍を特別価格でお求めいただけます。ピカピカの新刊で買うも良し、手に取りやすい古書で買うも良し。対象商品を1万円以上お買上げのお客様には、特典もご用意しております。

“ドキュメンタリー=真実、現実”といった既存の概念にとらわれず、その高い芸術性に着眼してドキュメンタリーフォトの新たな魅力を発掘する機会となれば幸いです。

アレック・ソス『Sleeping by the Mississippi』発売記念:MACKとドキュメンタリーフォト


期間:
2017年9月4日(月)ー9月28日(木)

特別協力:
twelvebooks
https://twelve-books.com/

会場:
nostos books
東京都世田谷区世田谷4-2-12
12:00~19:00 水曜定休
03-5799-7982
http://nostos.jp

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1990年4月22日午年、金沢出身。ギリ平成生まれのデジタルネイティブ、nostos booksを拠点にしながらカレーを作り続けるフリーランス編集者。実は理工学系。2019年2月退社。