Christo & Jeanne-Claude: The Gates
現代美術作家クリストとジャンヌ=クロードによる大規模プロジェクトを記録した作品資料集。1979年に構想され、2005年にニューヨークのセントラルパークで実現した《The Gates》の全体像を紹介。園内の遊歩道に沿って7,500基の門型フレームが設置され、風に揺れる布が鮮やかな橙色の光景を生み出した。本書ではドローイングや下見の記録、制作過程の写真、完成後の風景など多角的な資料を収録。構想から実現に至るまでの時間の蓄積と、都市空間に出現した一時的な芸術の姿を浮かび上がらせている。
横尾忠則三日月旅行
美術家横尾忠則が「三日月の都」ニューオリンズを訪れた体験をもとに構成した作品集。旅先で撮影された写真やエッセイ、本人のメッセージ、滞在ホテルから送られたファックス、さらに現地で開催された個展の記録など、多様な素材をコラージュする形でまとめている。旅と制作、個人的体験と芸術表現が重なり合い、横尾独自のイメージ世界を拡張する内容。異文化の空気や土地の記憶を取り込みながら、表現の可能性を探る視点となっている。
窓展 窓をめぐるアートと建築の旅
2019年から2020年にかけて東京国立近代美術館をはじめ各地で開催された展覧会の図録。20世紀美術の巨匠から現代美術家、さらに建築家に至るまで、多様なアーティストによる「窓」をめぐる表現115点を収録。絵画、写真、彫刻、建築模型などジャンルを横断する構成によって、窓がもつ実用性や象徴性、空間を媒介する役割が浮かび上がる。豊富な図版と解説を通じて、日常的な存在である窓を新たな視点から捉え直す内容となっており、芸術と建築の交差点を照らし出している。
Soft Minimal | Norm Architects
デンマークの建築スタジオ、ノームアーキテクツによる写真資料集。北欧の伝統やモダニズムの原理、天然素材の価値を踏まえながら、スカンジナビア、イタリア、日本で手がけた住宅や商業空間のプロジェクトを紹介。抑制された豊かさと温かみのあるシンプルさ、そして秩序によって高められた複雑さが絶妙な均衡を保ちながら展開する空間を収めている。写真とテキストを通じて、ノームアーキテクツの理念と空間づくりの本質を浮かび上がらせている。
Matisse: The Chapel at Vence
南仏ニース近郊のヴァンスにある「ロザリオの礼拝堂」を記録したビジュアル資料集。アンリ・マティスが病床にありながらも4年を費やして手がけた礼拝堂の全貌を、内観から外観まで丁寧に紹介。地中海を思わせる鮮やかな色彩のステンドグラスや迫力ある壁画、さらに法衣や祭壇のデザインに至るまで、空間の隅々にマティスの造形感覚が息づいている。芸術と信仰が結びついた希少な建築的試みを明らかにしている。
Finnish Design: A Concise History
マリメッコやイッタラをはじめ、世界をリードするブランドを生み出してきたフィンランドのデザイン史を概観する一冊。19世紀後半から現代に至るまでの歩みを追い、フィンランド・モダニズムの影響や主要デザイナーの活動を丁寧に紹介している。家具やテーブルウェア、テキスタイルなどの具体例を通じ、芸術と産業のあいだでデザインが果たす役割を探究。日常生活を豊かにするデザインの理念と実践を、多角的な視点から明らかにしている。
A Frame for Life: The Designs of StudioIlse
イギリスのインテリアデザイナー、イルゼ・クロフォードが設立したスタジオイルゼの活動を紹介する写真資料集。個人住宅やホテル、レストラン、店舗など、多様な空間デザインを取り上げている。人間の暮らしを中心に据えるという哲学を基盤に、素材の質感や光の使い方、家具や装飾の配置に至るまで丁寧に設計された事例を掲載。美しい写真とテキストを通して、空間を単なる機能ではなく人間性を育む場として捉えるスタジオイルゼの姿勢を映し出している。
懐石の器
2022年にMIHO MUSEUMで開催された展覧会の図録。禅の思想を背景に発展した懐石を通して、日本人の美意識と茶の湯の精神を読み解いている。席入りに始まり、椀物や向付、菓子器、そして後座へと続く流れに沿って、器の多様な姿を豊富な図版とともに紹介。器を通じて茶の湯の思想がどのように形づくられてきたかを明らかにしている。
Perfectly Kept House is the Sign of A Misspent Life | Mary Randolph Carter
「好きなモノとともに暮らす」をテーマに、多彩な人物の部屋を紹介するビジュアルブック。写真家やテキスタイルデザイナー、ファッションデザイナー、作家、アーティストらが暮らす空間を取り上げ、個性や価値観がにじみ出る部屋の姿を写している。整然と片づけられた住まいではなく、家具や日用品、収集品が重なり合いながら生まれる生活の景観を提示。モノと人の関係性を可視化し、暮らしの中にある創造性と表現のかたちを浮かび上がらせている。
Weaving: Contemporary Makers | Katie Treggiden
世界各地で活動する21人のテキスタイル作家を紹介する資料的価値の高い一冊。インタビューを通じて作品と制作環境に迫り、伝統的な手織機を使い続ける作家から、機械を駆使して大規模なアートインスタレーションを制作する作家まで、多様な実践を取り上げている。国や地域、織り方の違いによって生まれる表現の幅を、美しい写真と洗練されたレイアウトで提示。手仕事と現代アートが交錯するテキスタイル表現の現在を浮かび上がらせている。
Litter Only: A Book about Dustbins | Alexandra Martini
ベルリンを拠点に活動するデザイナー、アレクサンドラ・マルティーニによる作品集。世界30か国の公共のゴミ箱を撮影し、その多様な姿を紹介している。鉄やプラスチック、ビニールといった素材の違いは、街の景観や使い方にも影響を及ぼしている。洗練されたデザインから素朴な造りまで、各地の文化や暮らしの差異を可視化し、小さな都市の器に宿る意味を映し出している。
柚木沙弥郎 life・LIFE(注染布柄)
2021年に開催された染色家・柚木沙弥郎の展覧会にあわせて刊行された作品集。1969年から2020年にかけて制作された布作品を、写真家・平野太呂が撮り下ろした写真で紹介している。全図を収めるだけでなく、断ち落としの原寸大布を12の片観音に大胆にレイアウト。色彩の力強さ、模様のリズムが紙面から立ち上がる構成となっている。さらに代表的な染色作品や絵本原画、紙粘土と布による人形作品を大判で掲載し、作家の幅広い表現を伝える。インタビュー「心を形で残す」も収録し、創作への思いや姿勢を映し出している。
ばれん 全 | 小林宗吉、中條甲子雄、平井孝一、村田勝麿
木版画制作に欠かせない摺り道具「馬楝(ばれん)」の製作法を体系的にまとめた資料集。伝承されにくい技術を残すため、実演をもとに口述筆録し、さらに写生によって視覚的に補った記録である。原材料の選定から組み立て、仕上げに至るまでの手順を丁寧に追い、関連する道具や素材の詳細も解説。図解は版画家・武井武雄が手がけ、精緻で理解を助けるものとなっている。
私のルイス・カーン | 工藤国雄
建築家ルイス・カーンのもとで学び、実際に共に働いた経験を持つ工藤国雄による回想録。20世紀を代表する建築家でありながら、その生涯や思想にはいまも多くの謎が残されているカーン。彼との交流や仕事を通じて見えてきた人間像や、設計に向き合う真摯な姿勢を具体的なエピソードとともに語っている。弟子として間近で接した視点ならではの証言は、建築史的な資料であると同時に、個人の記憶としての厚みをも併せ持つ。巨匠と弟子の関係を描き出している。
STRATA vol 1 Takashi Yamaguchi 山口隆
建築家・山口隆の代表作のひとつ「霊源皇寺 透静庵(Glass Temple)」に焦点を当てた作品集。論理性と構造を明快に示しつつ、独創的で静謐な感性を宿す建築を、図面や写真、テキストを通して読み解いている。ガラスを用いた空間の透明性、光と影の移ろいが織りなす静けさなど、細部に至るまで徹底した造形意識と思想が結晶する場としての寺院の姿を記録している。
屋根 | 伊藤ていじ、高井潔
写真家・高井潔と建築史家・伊藤ていじによる建築写真資料集。合掌造りの集落をはじめ、出雲大社や西本願寺など、日本各地の屋根を対象に、その形態や構造、地域性、歴史的背景を豊富な写真とともに紹介。勾配や素材の違いが多様な意匠を生み出し、雨や風を防ぐ実用と、信仰や共同体を象徴する意味を兼ね備えている。屋根という切り口から日本建築の美しさと文化の奥深さを照らし出している。
蔵 | 高井潔
写真家・高井潔による建築写真資料集。日本各地に残る蔵を題材に、喫茶店として再生された質蔵、煉瓦造りの繭蔵、極彩色の鏝絵蔵などを豊富な図版と解説で紹介している。地域や時代によって異なる素材や用途が生み出す多様な形態は、町並みの景観を形づくる重要な要素となっている。防火や保管といった実用性を超え、暮らしや文化に根付いた建築としての蔵の姿を浮かび上がらせる構成。伝統建築の機能と美意識を結びつける視座を示している。
倉俣史朗読本
インテリアデザイナー・倉俣史朗の姿を多角的に描き出す読本。2011年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展の関連プログラムから、倉俣について語られたレクチャーやトークを再編集した内容である。磯崎新、三宅一生、横尾忠則ら、時代をともにしたクリエイターによる証言や対談を収録。作品やデザイン哲学だけでなく、交流や人柄に触れる言葉も交錯する。日本のデザイン史を支えた倉俣の存在と、その影響力の広がりを浮かび上がらせている。
Claesson Koivisto Rune
1993年にストックホルムで設立された建築・デザイン事務所、クラーソン・コイヴィスト・ルーネの初期活動をまとめた作品集。1994年から2001年にかけて手がけた建築や家具デザインを中心に収録している。Wabi HouseやSony Music本社、No Picnicなど、住宅からオフィス、インテリアまで幅広いプロジェクト。北欧のシンプルな美学と国際的なデザイン潮流が交差する造形。カラー・モノクロの図版に加え、各作品の背景や思想を解説し、事務所の軌跡を提示している。
Brutal London | Simon Phipps
戦後のモダニズム建築をテーマに活動する写真家、サイモン・フィップスによる写真集。ロンドンに点在するブルータリズム建築を取り上げ、コンクリートの素材感や構造の力強さを鮮明に写し出している。トレリック・タワーやアレクサンドラ・ロード・エステートといった著名な建築から、市営住宅や公共施設までを幅広く収録。モノクロームの写真は、機能主義と美学が交錯する建築の本質を浮き彫りにし、時代の社会的背景を映し出している。建築写真としてだけでなく、都市の記憶をたどる資料としても価値を持つ一冊となっている。
Etnomanie | Ellie Uyttenbroek
オランダのアーティスト、エリー・イッテンブロークによる写真集。19世紀後半から20世紀にかけて撮影された世界各地の人々のポートレイトを収集し、人類学的視点とファッション史の観点を交差させながら構成している。植民地主義の影響が色濃く反映された当時のイメージを再検討するとともに、衣服や装いの越境性に光を当てる試み。人物写真の一部には色が加えられ、白黒写真にとどまらない新たな解釈を与えている。
Lloyd Loom: Woven Fiber Furniture
紙とワイヤーを組み合わせた独自の製法で知られる家具ブランド、ロイドルームの歴史を紹介する資料集。20世紀初頭の誕生以来、100年以上にわたって家庭用家具から商業空間まで幅広く愛用されてきた椅子やテーブルの数々を、豊富なカラー・モノクロ図版で収録している。軽量で堅牢、かつ柔らかな質感を兼ね備えた素材の魅力。英国を中心に世界各地へ広がった普及の歩みと、デザインの変遷をたどることができる。工芸と産業の間に位置する家具史の一端を明らかにしている。
志村ふくみの紬織り 初期から現在まで
2004年に滋賀県立近代美術館で開催された展覧会の図録。紬織の重要無形文化財保持者である染織家・志村ふくみが手がけた作品を、初期から開催当時の新作まで約100点収録している。植物染料による豊かな色彩と、伝統的な織り文様が交錯する着物の数々。色と糸が織りなす調和、布地に刻まれた時間の層。志村ふくみが自然との対話を重ねて生み出した染織表現の軌跡をたどる内容となっている。
INAX Booklet 竹と建築
INAXギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行されたブックレット。竹と建築の関係に焦点を当て、箱木家住宅や桂離宮月波楼、有楽園如庵などを取り上げている。日本建築における竹の用いられ方や文化的背景を、カラー・モノクロの図版と解説で紹介。素材としてのしなやかさや強度、細工の精緻さ。装飾や構造を支える要素であると同時に、精神性を象徴する存在でもある。竹を通して見えてくる日本建築の美意識と思想を浮かび上がらせている。
INAX Booklet テレビ We are TV's Children
INAXギャラリー名古屋で開催された展覧会にあわせて刊行されたブックレット。戦後に普及し、暮らしの中で日常的な存在となったテレビのデザイン変遷を1927年から1988年までたどっている。家具調テレビをはじめ、各国で生み出された多様なデザインや機能を紹介。画面を通じて届けられる映像は、娯楽であると同時に社会を映す鏡。収録された対談記事では、当時のテレビ文化を振り返りつつ、その未来像についても語られている。メディアと生活の関係を探る視点となっている。
INAX Booklet ボール 球体的快楽
INAXギャラリー名古屋で開催された展覧会にあわせて刊行されたブックレット。テニスや卓球、サッカー、バスケットボール、野球など、多彩なスポーツや球戯に用いられるボールに焦点を当てている。世界各地から集められた約60種をほぼ原寸大で掲載し、その形態と存在感を伝える構成。素材や技術、製法の違いが生み出す多様な表情。遊戯具であると同時に文化の象徴でもあるボールを通じて、人類学的な視点からその普遍性と魅力を提示している。
INAX Booklet 携帯の形態 旅するかたち
INAXギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行されたブックレット。弁当箱や化粧箱、旅行鞄、救急箱、道具箱など、日本と世界の多様な携帯用具に焦点を当てている。江戸時代の旅道具から西部開拓時代の鞄に至るまで、移動の必需品として発展してきた道具の数々。持ち運びの利便性を高める工夫、用途に応じた造形や素材の選択。生活と移動の関係性を示し、日常と旅の交差点をかたちづくってきた歴史を探る視点となっている。
Comme des Garcons 1981-1986
川久保玲が設立したコム・デ・ギャルソンの初期活動を記録する写真集。1981年にパリ・コレクションへ初参加した際の衝撃から、1986年までの歩みを収録している。ピーター・リンドバーグ、スティーヴン・マイゼル、アーサー・エルゴート、ブルース・ウェーバー、パオロ・ロベルシら国際的に活躍する写真家が参加し、モードの新しい美意識を視覚化。従来の華やかさや装飾性に対して、未踏の表現を提示した姿勢は、1980年代のモード史における決定的な転換点を照らし出している。
川久保玲とコムデギャルソン その創造と精神
ファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」を創設した日本のデザイナー、川久保玲を紹介する一冊。衣服にとどまらず、家具やグラフィックデザイン、空間演出にまで広がるブランドの独自のヴィジョンを、多数の写真資料とともに解説している。著者ディヤン・スジックの詳細なテキストにより、既存の価値観を刷新し続けてきた川久保玲の創造と精神を多角的に読み解く構成。ファッションを超えた総合的表現としてのコム・デ・ギャルソンの世界を提示している。
Rei Kawakubo and Comme des Garcons
日本のファッションデザイナー川久保玲と、彼女が創設したブランド「コム・デ・ギャルソン」を紹介する一冊。衣服の領域にとどまらず、家具、グラフィックデザイン、空間演出へと広がるブランドの独自のヴィジョンを豊富な写真資料とテキストで解説している。常に革新を志向し、既存の美意識を更新し続けてきた川久保の姿勢を浮き彫りにする構成。ファッションを超えた総合的な表現としてのコム・デ・ギャルソンの世界を提示している。
Comme des Garcons Six no.1
1988年から1991年にかけてコム・デ・ギャルソンが関係者向けに制作したビジュアルブック『Six』創刊号。川久保玲のファッション哲学を、さまざまなアーティストの作品を通して視覚的に提示している。特集ではアンドレ・ケルテスやアイリーン・グレイの作品に加え、コム・デ・ギャルソンのルックや山本耀司へのインタビューを収録。アートとファッションが交錯する時代を伝える貴重な誌面構成。アートディレクションは井上嗣也が手がけている。
Comme des Garcons Six no.2
1988年から1991年にかけてコム・デ・ギャルソンが関係者向けに制作したビジュアルブック『Six』第2号。川久保玲のファッション哲学を、さまざまなアーティストの作品を通して視覚的に提示している。「Parallels」をテーマに、写真やコラージュを収録し、特集ではギルバート&ジョージによる作品やコム・デ・ギャルソンのルックを掲載。アートとファッションが交錯する時代の記録として貴重な誌面構成。アートディレクションは井上嗣也が手がけている。
Comme des Garcons Six no.4
1988年から1991年にかけてコム・デ・ギャルソンが関係者向けに制作したビジュアルブック『Six』第4号。川久保玲のファッション哲学を、さまざまなアーティストの作品を通じて視覚的に提示している。特集ではロバート・フランク、アーサー・エルゴート、ジョセフ・クーデルカ、ソール・ライターといった著名写真家による、1947年から1989年までのファッションをめぐる作品を紹介。アートとファッションが交錯する時代を記録した貴重な誌面構成。アートディレクションは井上嗣也が手がけている。
Comme des Garcons Six no.5
1988年から1991年にかけてコム・デ・ギャルソンが関係者向けに制作したビジュアルブック『Six』第5号の3冊揃い。川久保玲のファッション哲学を、さまざまなアーティストの作品を通じて視覚的に提示している。特集では映画監督ティモシー・グリーンフィールド=サンダース、写真家ブライアン・グリフィン、ピーター・リンドバーグらによるルックを収録。別冊にはエンツォ・クッキの作品を井上嗣也が再構築したビジュアル集や、リーン・ヴォートランの作品をもとにしたコラージュを掲載。アートディレクションは井上嗣也が手がけている。
Comme des Garcons Six no.7
1988年から1991年にかけてコム・デ・ギャルソンが関係者向けに制作したビジュアルブック『Six』第7号。川久保玲のファッション哲学を、さまざまなアーティストの作品を通して視覚的に提示している。クリスティアン・モーザー、マダム・イヴォンド、ブライアン・グリフィンらによる写真やアートを収録し、ファッションフォトと美術表現が交錯する誌面構成。アートディレクションは井上嗣也が手がけ、80年代末から90年代初頭の文化的潮流を映し出している。
Eiko by Eiko: Japan’s Ultimate Designer
世界的に活躍したデザイナー石岡瑛子の活動をまとめた作品集。パルコの広告やマイルス・デイビス『TUTU』のジャケットデザイン、北京オリンピックの衣装、さらに数々の映画作品の衣装デザインまで幅広く収録している。衣装とグラフィックの双方にわたる代表作を豊富な図版で紹介し、黒澤明、イサム・ノグチ、三宅一生、松岡正剛、坂本龍一、田中一光、糸井重里、角川春樹らによる寄稿を併載。創作を取り巻く時代の広がりを照らし出している。
Waterlife | Rambharos Jha
南インドの小出版社タラブックスから刊行された絵本。インド東部ビハール州に伝わるミティラーアートの技法を用い、ワニや水鳥、魚、タコといった水辺の生き物を鮮やかな色彩で緻密に描き出している。手漉きの紙にシルクスクリーンで一枚ずつ刷られ、職人の手によって仕上げられた工芸的な装丁も特徴。地域の伝統美術と現代的なブックデザインが融合し、絵本のかたちを通じて民俗文化の息づかいを提示している。
Le Forchette di Munari
アート、デザイン、絵本など多方面で活動したブルーノ・ムナーリによるフォークの絵本。1958年に刊行された作品の復刻版である。フォークが手のように変形し、多彩なジェスチャーやハンドサインを繰り広げる様子がユーモラスに描かれている。日用品を遊び心あふれる発想で再解釈し、造形的な実験へと昇華させた構成。シンプルな題材を通じて、ムナーリが探求した日常と創造の関係を映し出している。
江口寿史の世界 2冊セット
漫画家でありイラストレーターとしても活躍する江口寿史によるイラスト作品集2冊セット。1980年代篇では、漫画の表紙絵や挿絵、装丁画を中心に、イラストレーションを意識的に追求し始めた時期の作品を収録。1990年代篇では、広告やポスター、キャラクターデザイン、CDジャケットなど幅広い媒体で展開されたイラストを紹介している。それぞれに本人によるエッセイが添えられ、作品と同時代の背景を重ね合わせながら、江口寿史の創作の変遷を明らかにしている。
Intanto... Il Libro Piu Corto Del Mondo | Paul Cox
画家ポール・コックスによる文字のない絵本。アートや絵本、デザインの分野で幅広く活動する作家が手がけ、一瞬のあいだに世界各地で同時に起きている出来事を描いている。ストーリーテリングの統一性を意図的に排し、断片的に積み重なるイメージから読み手の想像力を喚起する構成。絵の流れを追うことで、偶然と必然が交差する世界の多様性を感じ取ることができる。
Dieter Roth: Balle Balle Knalle
スイスを拠点に活動したグラフィックデザイナーでありアーティスト、ディーター・ロスの仕事を紹介する作品集。シュトゥットガルト美術館での展覧会にあわせて刊行されたもの。テキストとイメージが密接に結びついた表現に焦点を当て、文学的な活動と美術的な実践がどのように相互作用していたかを示す構成。言葉と造形の往還から生み出される独自の創作過程をたどり、作家の多面的な活動の本質を浮かび上がらせている。
ブルーノ・ムナーリ回顧展
2018年に開催された日本最大規模の回顧展「ブルーノ・ムナーリ」展の公式図録。グラフィックデザイン、モビール、絵本など幅広い領域にわたる活動を豊富な図版で紹介している。造形と言語、遊びと教育を自在に横断しながら創作を展開したムナーリの姿勢に光を当て、彼が子どもたちにも伝えようとした造形の言葉を再検証する内容。芸術と教育、日常を結びつけた多面的な実践を通じて、ムナーリの創造の核心を浮かび上がらせている。
Visuelle Kommunikation: Ein Design-Handbuch | Anton Stankowski、Karl Duschek
ドイツのグラフィックデザイナー、アントン・スタンコウスキーとカール・ドゥーシェクによるデザイン資料集。フォントとタイポグラフィ、色彩と造形、イラストレーションなどのテーマごとに章を設け、図版と解説を組み合わせて構成している。理論と実践を往還しながら、視覚表現の基本原理を体系的に整理した内容。序文を寄せるのはオトル・アイヒャーであり、戦後ドイツのデザイン教育や実務の流れを理解する上でも重要な手がかりを提示している。
Photo-Montage in Print | Jindrich Toman
1910年代から1940年代にかけてのチェコスロバキアにおけるフォトモンタージュを紹介するビジュアル資料集。カレル・テイジ、ジンドリヒ・スティルスキー、トーイェン、ラディスラフ・スットナー、フランチシェク・ムジカら、チェコ・アバンギャルドを代表する作家たちの作品を収録している。書籍のカバーや雑誌の挿絵を通じてフォトモンタージュが広く普及していった過程を示す構成。戦間期の芸術と出版文化の結びつきを浮かび上がらせている。