
特集 / ドキュメンタリー写真
記憶を記録する
ドキュメンタリー写真は19世紀の報道写真に端を発し、20世紀を通じて社会の変化を記録する重要な手段として発展した。ロバート・キャパやウォーカー・エヴァンスらの活動は、現実を記録する写真の可能性を大きく拡張し、芸術表現と報道性の両立を示した。現代においても、戦争や災害、移民や都市の日常など多様な主題を扱い、単なる情報伝達を超えて歴史的証言として機能する。客観的な記録であると同時に、撮影者の視点が反映された表現として、写真史の中で独自の地位を築いてきた。