稲垣足穂の世界
抽象の宇宙を遊泳する、孤高の小説家
モダニズム文学に端を発し、昭和後期まで文学界の片隅で瞬き続けた孤高の小説家・稲垣足穂。時に空や宇宙に思いを馳せ、時にエロスと抽象に拠る、その独特な世界観は多くの人びとを魅了しました。また、自身の作品を改稿し続け、エッセイ等旺盛に発表したことでも知られています。その著作の数々とともに、デザイナーや画家たちが腕を奮った装幀・挿画も合わせてお愉しみください。
稲垣足穂いながきたるほ
1900年生〜1977年没。小説家。初期は天体嗜好の童話的作風からモダニズム文学の旗手と称され高い評価を得るが、以降は不遇の時代を過ごす。その波乱に満ちた生涯の中で生み出された作品は数知れず。晩年になりタルホ・ブームを巻き起こす。